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Image: Vidpen/Shutterstock

今月発表されたデザイン刷新版のMacBook Airと13インチMacBook Proには、独自開発チップ「M2」が搭載されている。だが、その製造プロセスは5nmであり、数字だけ見れば先代のM1チップと変わりない(第2世代技術が使われているが)。

しかし次期チップ「M2 Pro」と「M3」は、台湾TSMCの3nmプロセスで製造されるとの噂が報じられている。

ちなみに半導体における「製造プロセス」とは、回路線幅のことだ。一般的には7nmや5nmといった数字が小さくなるほどトランジスタ集積度が高まり、結果として処理速度や省電力性能が改善される傾向にある。

台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesの有料記事によると、アップルが「次期3nmのM3およびM2 ProプロセッサーのためにTSMCの生産キャパシティーを予約した」とのことだ。TSMCが、サムスンなど競合メーカーとの3nmチップ受注獲得競争に焦点を当てた報道で言及されており、それら3nmチップは2022年後半から量産が始まるというのだ。

Bloombergの名物記者Mark Gurman氏は、ニュースレター「Power On」最新号で、M2 Proは次期14インチおよびMacBook Proや、ハイエンド版Mac miniに採用されるとの予想を述べていた。またM3については、次期13インチMacBook Air、噂の15インチMacBook Air、新たなiMacや、開発の初期段階にある12インチMacBookに使われるとのことだ。

TSMCが2022年後半に3nmチップ量産を開始するとの噂話は、4月にも報道されていたことだ。当時は、最大手の顧客であるアップルが優先されることは確定的とはいえ、どのチップに使われるか言及はなかったが、ようやくM2 ProやM3向けと特定された格好である。

M1チップとM1 Proは、同じ5nmプロセスで製造されていたが、もしもM2とM2 Proが異なるプロセス製造となれば、Appleシリコン(独自開発チップ)の方向転換となるのかもしれない。

今回の報道が正しければ、M2 ProとM2の性能差は、M1 ProとM1よりも大きくなる可能性がある。しかし、同じ「M2」ブランドでプロセスルールが変わることも通常は考えにくいため、さらに裏付けとなる情報が出るまでは、過大な期待は持たない方がよさそうだ。