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<p>ロシア、東部で主導権失う 米欧から供与の兵器使いウクライナが反攻、軍事支援1兆円で南部奪還へ 「プーチン氏の戦略目的は達成できない」渡部悦和氏(2/2ページ)</p><p>ロシア側の兵力について渡部氏は「正規軍ではない準軍事組織や、占領地域の現地での徴兵などに頼っており、人員補充がきかない。プーチン大統領は自身の存立基盤を危うくするため、総動員令もかけられない状況だ」とみる。</p><p>英PA通信は27日、西側当局者の話として、ウクライナ東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)でロシアが戦闘の主導権を「決定的に失った」と報じた。ウクライ…</p><p>英秘密情報局(MI6)のムーア長官は21日、「われわれはロシアが今後数週間にわたって人員供給が徐々に難しくなると考えている。何かしらの形で一時的に戦闘をやめなければならなくなる」と述べ、一時停戦の可能性を指摘した。 ロシア側の兵力について渡部氏は「正規軍ではない準軍事組織や、占領地域の現地での徴兵などに頼っており、人員補充がきかない。プーチン大統領は自身の存立基盤を危うくするため、総動員令もかけられない状況だ」とみる。 米国による軍事支援は約76億ドル(約1兆円)に上る。ハイマース4基に加え、自爆型無人機「フェニックスゴースト」最大580機、3万6000発の砲弾なども追加供与され、ハイマースは計16基となった。 渡部氏は「約80キロの射程があるハイマースにより対砲兵戦でも安全な場所から攻撃が可能となった。フェニックスゴーストも詳細は不明だが、電波妨害を受けたり撃墜されるなど弱点があったこれまでの無人機より効果を発揮しているとみていい」と話す。 今後の戦局はどうなるか。渡部氏は「ゼレンスキー大統領は、クリミア半島も奪還目標としている可能性もある。ロシア側は東部で反撃されるリスクもあって兵力を削減できないというジレンマを抱えている。長期戦になれば、士気が低下する露軍はさらに離脱を生み、確実に排除される。プーチン氏の戦略目的は明らかに達成できず、獲得地域の保持ですら無残に打ち砕かれるだろう」との見通しを示した。</p>