第13回国際R-M®ベストペインターコンテストがフランスのクレルモン・ド・ロワーズにあるR-M®リフィニッシュコンピテンスセンターで開催となった。我々は日本代表の片岡雅也選手の活躍をレポートする。
6月28日のDay1はキックオフ、会場案内、競技の説明、競技中の安全衛生上の注意を経て全ファイナリストとの顔合わせをした。
とりわけ、サイトツアーで同じグループになった、ドイツのヨゼフィーヌとは帯同者含めて話すことができて、多少緊張がほぐれてきたようだ。この後、ウェルカムディナーなどで、すべてのファイナリストと仲良くなる予定だ。
競技1種目目は「処方検索」
ランチの後、午後から審査員のマリオンと打ち解けて競技がスタートした。R-Mの分光光度計「COLORTRONIC 12/6」とクラウドデータベース「リフィニティ」を使って処方検索をする。つまり、塗装の前準備だ。ホンダ、三菱、フォードの3色のフェンダーの色を測定して、使用すべき処方を分析する。従来は職人の勘と経験で行われていたことがデジタル化されて作業効率が向上したパートである。しかし、デジタル化されたとは言え計測器とデータを日ごろから使いこなしているかが見られる。その点片岡選手は日々の仕事で使いこなしているので、何ら問題はなく進めることができた。
競技2種目目は「色分析」
審査員はイヴォンヌ。彼女は今回のコンテストのビジュアルイメージにも登場しているR-Mヨーロッパのトレーナーだ。引き続き塗装の予備知識ともいえる「色分析」を行う。有彩色・無彩色を含む色相環での色見本の並べ替え。マンセル表色系に基づいた緑系の色の並び替え。3色の標準板(塗板)に対する4つの傾向の分析。3色の標準板に対して追加されたアルミ原色の分析が実施された。ここでは、色に関する知識や経験が問われるが、片岡選手は積極的に疑問を投げかけながら回答した。質問をすることは減点の対象になるわけではないので、審査員も丁寧に回答してくれた。こうして審査員と良好なコミュニケーションをとることも重要なのである。
こうしてDay1(大会初日)の約3時間にわたる競技が終了した。明日は、塗装作業2種目。フレックスリペア(小面積のぼかし塗装)と新品パネル(ボンネット)のブロック塗装を行う。
今大会では、3日間を通して、同じ課題で同時に対戦するのではなく、審査員のもと、個別に課題をこなしていく形で競技を行うので、制限時間を気にしながらも、のびのびと競技に臨んでいるように見えた。
フランスも暑いが、美味しい食事とワインで英気を養うことにしてDay1の会場を後にした。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:BASFジャパン