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 今年も夏の富士急ハイランド施設更新や新設の時期がやってきた。今年の目玉はなんと言っても「FUJIYAMAスライダー」だ。一般公開を前に行われた報道関係者向けのプレビューを取材したのでレポートする。写真がかなり多く画像ギャラリーに収録したので合わせてごらんいただきたい。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)


来た! これぞ“今のうちに乗っとけ”のレア車だ

 報道関係者を乗せる貸切バスは富士急行東京本社横のバス駐車場から発車することが多い。ここは高速バスの待機所にもなっていて富士急バスのみならず契約している他社の高速車も見かける場所だ。

 通常はバスタ新宿から山のように出ている高速バスを利用するが、報道関係者しか乗らないため大きな機材やシャッター音等の関係から貸し切りバスが用意される。

 富士急グループなので当然ながら富士急のバスが用意されるのだが、今回は同社宣伝部から「もしかしたら富士急行観光が来るかもしれません」との情報に接していた。富士急行観光は東京都江戸川区に存在した貸切バスと高速バスを運行していたバス事業者だ。

富士急行観光仕様の日野セレガ

 しかしコロナ等のあおりを受けて東京都港区にあるフジエクスプレスと合併した。存続会社がフジエクスプレスだったので、富士急行観光に所属していたバスはすべてフジエクスプレス所属に変更になっているのだが、そもそも富士急グループのバスはデザインが同じなのでパッと見はよくわからない。

 ということで、後方下部の事業者表示以外はそのままで走っている。よって以降に導入されるバスはすべてフジエクスプレス仕様になるので、現存している富士急行観光のバスはレアになるというわけだ。

 今回やってきたのはフジエクスプレス(旧・富士急行観光)の日野セレガだ。

ここは芝桜の地では?「富士本栖湖リゾート」

 最初に向かったのは春に芝桜まつり取材で行った会場だ。今年からは芝桜シーズン以外はレインボーカラーの花畑を造園し、通年入園ができるようになった。題して「富士本栖湖リゾート」虹の花まつりだ。

 富士山はよく見えたが、我々のイメージする富士山は「頭を雲の上に出し~」で雪帽子をかぶっている姿だ。しかし夏は雪もなく天候の良い日は雲もなく、くっきり見えるので違和感を覚えるかもしれないが、夏富士にも見慣れていただきたい。

コッペパンはもはや定番?

 当地はリニューアルして建物が恒久的なものになり、レストランやお土産物店も充実している。名物になった各種コッペパンや桃をアレンジしたドリンクはフォトジェニックで美味しいので是非お試しを。

 ちなみに記者のおススメは「溶岩からあげ」だ。決して焦げたのではなく美味しいので安心して食していただきたい。会場バスの便は近隣路線・高速線とも臨時便ではあるが今後は充実する予定なので、同社のホームページ等で運行の確認をしてからお出かけいただきたい。

この金網は必要なのか? FUJIYAMAスライダー

 富士急ハイランドの今夏の目玉は「FUJIYAMAスライダー」だ。要するに滑り台なのだが規模が違う。富士急は副題として「キング・オブ・すべり台」とした。なんだか某夜行高速バスのようだが、地上55mの高さから120mの滑り台を滑走する。秒速6mなので時速換算すると「表定速度」は21km/h程度か。

 プロテクターとヘルメットを装着し、エレベーターで展望台まで上がると、全面金網に囲まれたヤバそうな物々しい一角がある。ここには係員以外に入れるのは滑走する人だけ。待っている人は金網の外でこの時点で恐怖感がある。

金網に囲まれたシューターの入り口

 スライダーはチューブ状になっているので先に行った人の「キャーとかギャー」とかいろいろな絶叫が上まで丸聞こえなのも、なかなかあおってくれる。今回は取材なので特別な許可のもとで金網の中に入れてもらい撮影した。

 フエルト状の袋の中にくるぶし付近まで入ると、もう足は動かせないので足で止めることは不可能だ。よって係員が人の入った袋ごとシューターの中に人間を押し込んで落下させる。

特別な許可を得て撮影

 約20秒のうち下のほうは上面がアクリルになっており、景色が見えるが見る余裕はあるかどうか。地上付近では傾斜が緩くなり袋の摩擦で自然にブレーキがかかり停止する仕組みになっている。かなり物々しいスライダーだが果たして絶叫度は?

回るわ 上がるわ 下がるわで……トンデミーナ

 春にオープンしている回転系絶叫アトラクション「トンデミーナ」は、ピザーラとのコラボアトラクションで、施設の下にはちゃんとピザーラの店舗がある。50人乗りの円盤が回転しながら振り子のように前後に高く上がるものだが、乗車後すぐに「足元が抜ける」ので停止している状態で床が抜ける感覚はいかばかりか。

この角度はヤバすぎ!カメラはもちろん地上に対して水平だ

 見ていると前後に振られるのは、今までもバイキングのような船型のものがあったが、回転しながらというのが心の準備ができず怖そうだ。また最初に抜けた底付近が最もスピードが速いところなので、地上に速度を増して落ちていく感覚も絶叫なのだろう。

ドリンクにも注目!

 今年の夏は暑い!と毎年言ってるような気がするが、取材した日は東京でも摂氏35度。山梨でもゆうに30度オーバーという猛暑日。水分補給をしたいところだが、リサとガスパールタウンでは「フルーツフェスタ」が開催されており、この中からおススメのドリンクを紹介する。

 まずは「激酸っぱいレモン」だ。レモンスカッシュのレモンいっぱい版で、飲んで酸っぱく、飲んだ後も酸っぱく、唾液が止まらない何とも疲れが吹き飛びそうな逸品。一気に飲むのは無理なので、エッフェル塔でも見ながらゆっくりと飲みたい。

酸っぱい酸っぱい酸っぱい!

 生ピーチソーダは桃の果肉というか、食べてくれと言わんばかりの果実がゴロっと入った甘くてさわやかなソーダだ。最後まで桃の果汁感は失わず、しかしソーダというのがありがたい。

 他にも桃のかき氷や、いちご&バナナスムージーなど女子向けのフォトジェニックなものもたくさんあり、周辺は撮影を意識しているオブジェや建造物があるのでファインダーをのぞきつつ、いい画を撮っていただきたい。

狙えばダブルデッカーで行くこともできる

 富士急ハイランドへはバスタ新宿から多くの便が発着しているが、記者が貸切バスに戻る際に、ちょうど京王バスのスカニア・バンホールのダブルデッカー車・アストロメガが発車していくところだった。フジエクスプレスにも同型のダブルデッカー車があるので、予約の際に探せば見つかるだろう。

京王バスのスカニア・バンホールInterCityDD

 コロナの影響がいつまで続くかわからないが、再び大都市では動きにくい状況になるのかもしれない。首都圏近郊の富士山周辺でのプチリゾートは主に屋外で、それほど密にはならず安心して行けるお出かけ先なのかもしれない。

投稿 いまや伝説となった富士急行観光のバスで「夏の富士」を取材!! これだから記者はやめられない!?自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。