6月24日、オランダTTサーキット・アッセンにおいてMotoGPファクトリーチームの6名のマネージャーが上半期報告記者会見を開いた。第11戦オランダGPを終え、早くもシーズンの折り返しを迎えた2022年のMotoGP。各マネージャーはシーズン前半のレース内容をどう振り返ったのか? そして、後半戦に向けてどのような展望を描いているのか? 3回目は、ドゥカティ・コルセのスポーティングディレクター、パオロ・チャバッティの登場だ。
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■パオロ・チャバッティ(ドゥカティ・コルセ:スポーティングディレクター)
■2022年前半戦、これまでの10戦のグランプリについて、どのように分析していますか?
「今日では一貫性が重要だと考えている。ランキングでファビオ(・クアルタラロ)とアレイシ(・エスパルガロ)を見てみると、彼らはすべてのグランプリでポイントを獲得している。彼らは無得点のレースがない数少ないライダーで、素晴らしい仕事をしている」
「マニュファクチャラーとしては、もちろん結果に満足している。なぜなら10戦中5戦で優勝し、10戦中7戦でポールポジションを獲得したからだ。常にファーストロウと表彰台にはドゥカティがいたし、我々はマニュファクチャラーズ選手権で首位に立っている」
「だが、ライダーズランキングでは特にペッコ(フランチェスコ・バニャイア)とジャック(・ミラー)が明らかに遅れをとっている。彼らはそれぞれ6位と7位につけており、ファビオから91ポイント離されている。これは大差だ」
「なぜなら特にペッコは、1回は彼のせいではないにしろ、無得点のレースがあったからだ。それがタイトルを賭けて戦う彼のチャンスに影響を及ぼしている。それは常に我々の目標なのだが、今シーズンにおいては難しい挑戦に見える」
■上半期を終えた現在、ファビオ・クアルタラロを倒すのはどれだけ難しいことだと考えていますか?
「もちろんそれは今も可能なことだ。なぜならまだ9戦や10戦があり、多くのポイントを獲得できる。だが現実的には非常に難しいだろう。見てのとおり、ファビオもアレイシも一貫してトップを走っており、ほとんどミスをしない。だから我々はベストを尽くす必要がある。ご想像のとおり、勝てるところで勝つためだ」
「これまで我々にとって有利ではなかったザクセンリンクで多くのデゥカティ勢が競争力を発揮するのを見るのは、ある意味でとてもうれしいことだったが、ミスがあったことも確かだ。2台が表彰台に上がったが、ペッコは間違いなくレース優勝をかけてファビオに挑戦するはずだった。彼は調子が良かったしポールポジションを獲得していたからだ。だがクラッシュしてしまった。だから完全に満足はできないが、それでも最後までベストを尽くさなければならない。我々にできることはそれしかない」
■アレックス・マルケスとはグレシーニについて話をしているのですか? また、ドゥカティが2023年の8人のライダーのフルラインアップを発表できるのはいつですか?
「前にも言ったように、8月の終わりに決めることになるだろう。ファクトリーチームでペッコのチームメイトを誰にするか、またプラマックでヨハン・ザルコのチームメイトをエネア(・バスティアニーニ)か、ホルヘ(・マルティン)のどちらにするかといったことをだ」
「彼の契約更新の最終的な詳細内容について協議をしているところで、2023年のバイクが用意されることになる。テクニカルパッケージの観点からは同等の扱いになる。アレックス・マルケスとグレシーニの間の話し合いについては、現在も進行中であることは承知しているが、ドゥカティというよりもチームによって行われていることだ」