東京都の小池百合子知事は28日、東京都内で行われた東京電力ホールディングスの株主総会に歴代都知事として初めて出席。電力の安定供給の確保や、再生可能エネルギーの利用最大化などを推進するための定款変更を、株主提案した。
ネット民の注目を特に集めたのが、再生可能エネルギーの利用最大化だ。これを小池知事が東電に要求したというニュースが報じられると、ネット上では小池知事へのツッコミが相次いだ。
再エネ普及のせいで、電力安定供給めちゃくちゃなのに、今さら前言翻しても遅いねん。あんたこそ、戦犯やないか。
小池都知事、なんで電気料金上がってるか知らないんですか。燃料価格高騰してるのに原発再稼働しないからですよ。
原発再稼働要請すれば料金下がりますが。再生可能エネルギーなど現時点では不安定、価格上昇方向で、現実解ではない。
再エネ増やして電気料金下げろってド素人か⁉
岸田さんも小池さんも日本潰したいのか?再エネには金をかけまくりでも、その再エネでは電力足りず、挙げ句の果てには徹底的節電
なお、小池知事の提案は反対多数で否決された。
小池知事自身がお願いに終始
小池知事は今回の株主総会で、「都民、国民への節電頼みは本来あるべき姿ではない」と述べ、東京電力に電力の安定供給を求めているが、国民や都民に節電をお願いし続けてきたのは、ほかならぬ小池知事だ。
元テレビ朝日アナウンサーで自民党所属の川松真一朗都議は今月8日の東京都議会で「首都圏の電力需給の問題は都民および都内事業者の生活・業務に直結する」と指摘したうえで、「知事が示すエネルギー戦略には、原発再稼働の可能性が含まれるのか、それとも一切含まれないのか」と問いただした。
川松都議の質問への小池知事の回答は、「厳しいエネルギー情勢を踏まえて、これまで以上に消費電力を減らす、創る、溜める、そのための省エネ、再エネの取り組みを一層加速させていく」といったものだった。
「都民の皆様には、『HTT』をお願いしたい」
東京都のエネルギー戦略には、原発再稼働の可能性が含まれるのか、含まれないのかに一切答えていない。川松都議の質問から初めて行われた定例記者会見では、当然、記者から関連する質問が飛んだが、小池知事は質問に真正面から答えない。
「都民の皆様には改めて、『HTT』の取り組みをお願いしたい。Hは『減らす』Tは『創る』もうひとつのTは『溜める』。この頭文字を取って『HTT』という言葉にしている」と述べ、言葉遊びも混ぜながら、都民に対してさらなる節電をお願いしていた。
6月としては観測史上初めて40度を超える地域が相次ぎ、しばらくの間は猛暑が続いていくと見られている。そんな中、29日に予定されていた千葉・姉崎火力発電所の再稼働が30日にずれこんだ。姉崎火力発電所は、最大で一般家庭170万世帯分の電力量を発電できるが、再稼働がずれこんだことで29日も電力需給のひっ迫が予想される。それに、夏場の電力需要より冬場の電力需要の方が大きくなる。もし、都民や国民の我慢のおかげで運良くこの夏を乗り切れたとしても、今年の冬が乗り切れるかどうかは不透明だ。この期に及んで「HTT」などと、言葉遊びをしている暇はまったくない。
小池知事は「都民、国民への節電頼みは本来あるべき姿ではない」というのであれば、「知事が示すエネルギー戦略には、原発再稼働の可能性が含まれるのか、それとも一切含まれないのか」という川松都議の質問に真正面から答えてはどうか。それが明らかにならない限り、東京都が電力を安定して供給していくためにどうするべきかの議論はできないと思うのだが…。