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「いや、でも」 「ちょっと様子見ます」 口ではそう言うが、血の気は引いたまま、さらに脂汗である。 「じゃ、じゃあ、うちでちょっとお休みになってください。もうすぐそこですから」 路子がそう声をかけると、すぐに正太郎が肩を貸した。石段をみんなで肩を組むようにして下りる。 路子はとっさに蝶…