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その実力は十三段、近代将棋の定跡を築き、棋聖と呼ばれた天野宗歩。彼を描いた作例としては斎藤栄の大河小説があるが、こちらが伝奇性豊かな娯楽長編であるのに対し、今回の一巻はその内面の像を追った傑作ということが出来る。作者は宗歩の、謎の多い生涯に迫るために21人の証言を用意し、多面体とし…