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 トヨタのコンパクトミニバン、シエンタが新型にフルモデルチェンジ、8月2日に発表・発売されることが確定した。7月13日から予約受注が始まるという。ただ、コロナ禍の部品供給不足や生産工場の操業停止により、延長される可能性はあるが、トヨタが販社に正式に通達したそうだ。

 さて、大ヒットした現行シエンタからどう変わっているのか、今わかっている情報をすべてお伝えしていこう。

文/遠藤徹
写真/ベストカー編集部、ベストカーweb編集部、トヨタ

【画像ギャラリー】アクアに似た新型シエンタと最大のライバル、新型フリードのデザインを大公開!(3枚)画像ギャラリー

■エクステリアデザインはやや四角くなりアクアに似たフォルムに

新型では直線基調のシャープな印象のプロポーションとなる。全長は4300mm以下にとどめ、全幅は1695mmで5ナンバーを維持。CGイラストはベストカーが製作したものだが、イメージは同じだが営業マンに見せてもらった写真とはバンパーやボディサイドの樹脂製パネル、アルミホイールのデザインが異なるが概ね合っているという
現行アクアのフロントマスク

 トヨタはこのほど8月2日に新型シエンタを発表・発売することを決め、販社に正式に通達したことがわかった。7月13日から先行予約の受付を開始する見通しだ。

 次期型はトヨタのクルマ作りの新しい考え方である「TNGA」に基づく新開発のプラットフォームを採用。エクステリアデザインは前モデルと現行型の中間ともいえるシンプルなラインのデザインで仕立てている。

 現行のヘッドランプ、リアのコンビランプから下に伸びるブラックの樹脂オーナメントは取り除かれ、すっきりとしたミニバンシェルの造形となっている。

 ヘッドライトは横長で2灯式ヘッドランプグラスケースの内側に小さな丸いスモールランプを配置し、その周りにデイライトのLEDランプをコの字型にラウンドさせている。

 グリルは現行アクアに似た大口径グリルで中央に横長樹脂板を走らせている。リアのコンビランプは縦に小さな細かい丸いランプを両サイドに配置し、縦長の赤色灯でコンビランプ群を左右に囲んでいる。ボディサイドの樹脂製パネルはシトロエンC4カクタスやC3のエアバンプを思わせる造形だ。

 まだ簡易カタログは配られておらず、今回は営業マンにipadで見せてもらったのだが、大口径グリルでコの字型のデイライトはアクアと共通のイメージで、バンパー左右の樹脂製アクセントやボディサイズの樹脂製パネルが個性を主張していた。

 ボディサイズは全長4260×全幅1695×全高1695mmで従来モデルに比べて全長、全幅は同じ、全高だけを20mm引き上げている。

 これによって室内の居住空間を拡大し、1列目と2列目シートの間を延ばし、2列目シートのニールームヘッドクリアランスをたっぷり取ったレイアウトとしている。ホイールベースの2850mmとトレッドの前1500mm、同後1480mmに変更はない。

■パワートレイン、グレード構成、価格は?

2×3×2の7人乗りのほか、2×2×2の6人乗りや、2×3×2から3列目の2席を除いた5人乗りも設定する(写真は現行シエンタ)

 最上級グレードの「Z」は独特なオーナメントの15インチアルミホイールを標準装備している。両サイドのドアパネル下部にはブラック樹脂版のオーナメントを走らせ引き締めている。

 どことなくSUVテイストを醸し出すようなデザイン処理はライバルであるホンダのフリードクロスターを意識したようなエクステリアデザインともいえる。

 パワーユニットはヤリス(1.5リッター)とアクア(1.5リッターハイブリッド)と同じ直列3気筒1.5リッターガソリンNAと同ハイブリッドを搭載する。ハイブリッドはこれまで2WD車のみだったが、次期型は4WD車も設定してラインナップを充実させる。

 3気筒化でWLTCモード燃費はHVで従来の22.8km/Lから28.5km/L、ガソリンNAで17km/Lから18.3km/Lに向上させている。シートレイアウトは2列シート5人乗りと3列シート6~7人乗りを用意。2WDは7人乗り、4WDは6人乗りとなる。

 安全装備のトヨタセーフティセンスは最新のアクア並みかそれ以上に充実させる。検知機能は昼夜の人、自転車、バイクなどにも拡大。前方走行車が発進した際の追随機能もレスポンスを向上させる。

 複数の車線走行中に後方左右から接近するクルマが死角に入り見えにくくなる場合に、危険を知らせるブラインドスポットモニターや駐車場や車庫にバックで侵入する際に自車の車体を真上から写し、安全確保に役立てるパノラミックモニターをオプション設定する。

 両側のスライ開閉ドアを両手が荷物で塞がっている場合、足をフロアしたにかざすことで自動開閉が可能になるハンズフリーオープナーも標準ないしはオプション設定する。

 グレード構成は上からZ、G、Xの3タイプでそれぞれ2WD、4WD、2列、3列シートのラインアップ。Xは法人向けの簡素な装備だから、実質2タイプといえる。

 Zは15インチアルミホイールを標準装備し、ブラインドスポットモニター、パノラミックビューモニター、デュアルハンズフリードアオープナーが標準ないしはオプション設定で選べる。

 ボディカラーはモノトーン7色、2トーン2色、合わせて9色となる。テーマカラーはダークグリーン系のアーバンカーキを採用する。モノトーンはホワイトパールクリスタルシャインをはじめ、ブラックマイカ、ダークグレー、グレイッシュブルー、スカーレットメタリック、ベージュ、アーバンカーキ。2トーンはルーフがいずれもダークグレーでボディはスカーレットとグレイッシュブルー。

 車両本体価格はクオリティアップ、安全性向上などによるコストアップで従来モデルに比べて約20万円の値上げとなり、最廉価グレードの100万円台後半~約280万円になる見込み。

 従来モデルは個性的なエクステリアデザインに好き嫌いがあり、シンプルで室内の広いライバルのホンダフリード(新型フリードのデビューは2023年9月頃)と明確な違いがあった。

 はたして新型シエンタはどうなるのか? 今後も新型シエンタの新情報が入り次第、お届けしていこう。

■証言:首都圏トヨタ店営業担当者

 「新型シエンタは全体的に見ると出来は良く売れそうな印象だ。しかしエクステリアデザインはかなり個性の強い印象もあるので、好き嫌いが明確に分かれる可能性もある。しかし、先代モデルもかなり個性的だったが大ヒットしたので、今回の新型も売れると期待している。

 当初は歴代モデルのオーナーが率先して代替えするのが通例だから、受注が集中し、納期はあっという間に来年にずれ込むようになる可能性がある。平均すると約20万円の値上げになると思うが、最近は多くのユーザーが残価設定クレジットで購入するので、毎月の負担額が少なくなるので、好調な販売でスタートすると予想している」。

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