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ロングドライブに行かずに死ねるか!【僕らがロングドライブに出る理由/岬を目指せ編】

 クルマは自由の翼! クルマがあれば、好きな時に好きなところへ行ける。そして、道路がつながっている限り、どこまでも走って行ける。

 近所で用を足しているだけじゃ、あまりにモッタイナイ!年に一度、いや一生に一度でもいい。クルマでうーんと遠くに行ってみよう!

 そこには公共交通機関では味わえない歓びがある。同時に、愛車と濃密な関係を築くことができる。ロングドライブはカーマニア最大のロマンなのだ!

※本稿は2022年5月のものです
文/清水草一、マリオ高野、写真/清水草一、マリオ高野、AdobeStock
初出:『ベストカー』2022年6月26日号

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■ロングドライブがロマンである理由(byマリオ高野)

 車との対話が最も濃厚に味わえるのは、ロングドライブであります! 1回のドライブで死ぬほど乗り倒しても飽きないクルマは、理屈ヌキでよいクルマだと断言できます。

 細かい挙動をちまちまチェックするより、身体と心が疲れた状態でもなお、覚醒させてくれるエンジンフィールやハンドリングが味わえるなら絶賛に値します。

自宅から約1000km、関門道の壇之浦PA(山口県下関市)にて。本州の果ての果てにたどり着いた達成感があります!

 個人的な指標としては、東京から大阪あたりまでの距離(500km程度)を一気に走って「まだ走り足りない」と感じさせるクルマは優秀。

 自分の所有する3台のスバル車(初代WRX/旧型インプレッサG4/新型BRZ)はすべてこれに該当するので、自宅のある埼玉県所沢市から大分県のオートポリスまで、片道1200kmのドライブも誇張抜きで余裕。遠出をするたびに「俺のクルマは凄い!」と悦に浸れます。

 とりわけ純粋に感動できるのはエンジン。12時間くらい高回転で回し続けても壊れたりせず、総重量1.5トンの物体を高速で移動させ続けられる性能が、定期的なオイル交換をするだけで30年程度は持続するのですから、機械としての途方もない凄さに圧倒されるばかり。

 ロングドライブをせずして、自動車の真価は味わえません!

「1ドライブにつき、最低1000kmは走りたいです!」

 1台のクルマに数人で移動するのは効率的で、運転の負担軽減にもなりますが、本格的なロングドライブなら、独り旅に限ります。

 自分と愛車だけの力で1日に1000km以上の距離を移動することに、壮絶な自己満足があるからです。「旅をする」ことで得られる充実感の最高峰であります。

 さらに言うと、同乗者がいても、運転は独りでやり抜くべきであると考えます。「あっという間に着いたね」くらいのコメントを残して余裕を見せるのも痛快です。本当によいクルマなら、強がり抜きでそれが可能です。

 また、ACCなど運転支援システムはなるべく使わず、自分の限界が訪れた時だけ使用すると、ありがたみもひとしおとなります!

●ロングドライブがロマンである理由(総括)
一、愛車との二人三脚を満喫できる!
一、男の放浪願望が叶えられる!
一、非常に安全だが「冒険」である!

■とりあえず岬を目指せ!(by清水草一)

 男のロングドライブ。行くあてがないのはもっけの幸いだ。とりあえず岬を目指そうじゃないか!

 岬とは突端。つまり最果ての地だ。そこまで延々ドライブすれば、「地の果てまで来た!」という達成感を得ることができる!

 目指す岬は、地理的には本土の端っこがわかりやすい。北は宗谷岬、東は納沙布岬、南は佐多岬だ。西は地理的にあんまり明確ではないので割愛する。

 もちろん、本土の端っこでなくても、「最果て感」があればそれでいい。地形的に尖った先端で、人里離れた断崖絶壁ならベストだ。

 そのワイルドな風景が、男のロマンチシズムを盛り上げてくれる。そこを目指してクルマでひた走れば、愛車は無二の相棒となり、男は誰でもハードボイルド小説の主人公になれる! これぞロングドライブの醍醐味!

 かつて私は、愛車のフェラーリ458イタリアで、竜飛崎を目指してひた走った。竜飛崎は本州の北端ではないが、『津軽海峡冬景色』で歌われた「北のはずれ」。地形的にも最果て感は超満点だ。

 片道約800km。実にロマンチックな旅だった。思い出すだけで遠い目になれる。ヘタすると、あれが人生のクライマックスだったんじゃないかというくらい心に沁みた。涙が出る。

伊豆半島の南端・石廊崎にて。特段の目的地がないなら岬を目指せ! ワイルドな風景が男のロマンを満たす

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