もっと詳しく
Image:Bhubeth Bhajanavorakul/Shutterstock.com

ここ数年で折りたたみ式スマートフォンは大きな進歩を遂げたが、まだ高価な印象がある。そんななか、サムスンが今後2年以内に800ドル(約10万5,000円)以下の折りたたみ製品の発売を目指しているとの噂が報じられている。

現在までにサムスンは多数の折りたたみデバイスを投入しており、徐々に価格も下がってきている。初代Galaxy Foldの価格は1,980ドルからだったが(以下米国価格)、現行のGalaxy Z Fold 3は1,799ドルからだ。かたやGalaxy Z Flipの初代は1,379ドルで発売されたが、最新のGalaxy Z Flip 3では999ドルまで下がっている。この1,000ドル以下という価格設定が、ようやく広いユーザーの関心を惹きつけたとの見方もある。

さて韓国ETNewsによると、サムスンは「100万ウォン以下のエントリーレベルの折りたたみ式スマートフォン」を開発中とのことだ。日本円換算では約10万5,000円と割安感は薄れるが、米ドル換算では約800ドルとなる(参考までにiPhone 13は699ドル〜)。

サムスンはこの製品のリリース予定について、2024年を目指しているという。より具体的には、Galaxy Z FlipとZ Fold両方の「ローエンド」バージョンに取り組んでいるそうだ。

では、どうやって価格を引き下げるのか? それは「プレミアムスマートフォンだけで利用可能な高度な機能」を取り除き、「コア機能のみ」を搭載することで実現するという。つまり、同社のミドルレンジモデル「Galaxy Aシリーズ」の折りたたみ版というわけだ。

なお、サムスンがお手ごろ価格の折りたたみスマホを目指す要因の1つとして、アップルの存在が挙げられている。アップルが折りたたみiPhoneの開発に取り組んでいると長らく噂されており、それ裏付ける動きとして、同社が大量の折りたたみ有機ELパネルのサンプルを、サムスンディスプレイに発注したとの報道もあった

そのような状況のなか、サムスンは折りたたみ市場におけるリーダーの地位を、特に折りたたみ製品が普及しつつある中国で維持したい意図があるようだ。またサムスン製折りたたみスマートフォンの売上げも伸びており、出荷目標も1,000万台から1,500万台に引き上げられたという。

もっかサムスンは「Galaxy Z Fold 4」と「Galaxy Z Flip 4」を8月中旬に発売すると予想されている。その一方で、ディスプレイに用いるフレキシブル有機ELパネルの厚みやコストを減らせる方法を開発したとの報道もあった。これまで高嶺の花だった折りたたみスマホも、あと数年もすれば、日常に溶け込んだカジュアルな製品になっているのかもしれない。