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 1週間のブレイクを挟み、2022年NASCARカップシリーズ第17戦『Ally 400』が6月25~26日の週末に開催され、悪天候による3回の中断と合計3時間以上に及んだ赤旗にも集中力を維持したチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季2勝目をマーク。序盤のドーバー・スピードウェイに続き、ナッシュビルのスーパースピードウェイも制してみせた。

 6月初旬にソノマでのロードコース戦を終えた一行は、久々のインターバルを経てナッシュビルに集結。そのレースウイークを前に、2017年チャンピオンのマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)がチームとの契約延長を発表し、来季もJGRに残留してカムリをドライブすることが決定。同じくリッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)も新たな複数年契約を締結し、引き続き47号車シボレーのステアリングを握ることとなった。

 こうして去就に対する憶測を吹き飛ばしたトヨタ陣営は、プラクティスから好調さを披露してダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)が最速タイムを記録すると、続く予選は雨に翻弄されながらもデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)がポールウイナーとなった。

「僕らにとって素晴らしいアタックになった。プラクティスでシミュレーションしたわけじゃないんだが、走行を重ねるたびにクルマはみるみる良くなっていったんだ」と、今季2度目、キャリア通算35回目のポールポジションを獲得したハムリン。

 明けた日曜はスタートからカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らを従えたハムリンがこの日最多の114周でリードラップを記録したものの、ステージ1、そして長い中断を挟んだステージ2ともに制したのは僚友トゥルーエクスJr.となり、来季去就確定で気合の籠ったパフォーマンスを見せつける。

 その序盤からウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らがトラブルやアクシデントで戦列を去り、チーム内の一角を失ったHMS陣営は厳しい戦いを強いられる。

デニー・ハムリン(Joe Gibbs Racing/トヨタ・カムリ)が今季2度目のポールウイナーに
ロス・チャスティン(Trackhouse Racing Team/シボレー・カマロ)らと”3ワイド”も演じたマーティン・トゥルーエクスJr.(Joe Gibbs Racing/トヨタ・カムリ)は両ステージ制覇を成し遂げる
最後のリスタートを前に主導権を握ったチェイス・エリオット(Hendrick Motorsports/シボレー・カマロ)が今季2勝目を手にした

■明暗が分かれた10回目のコーション

 最終ステージではカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)も首位争いに加わりレースが終盤戦に向かうと、118周目の降雨コーションで2度目のピットへ入り、右リヤに調整を施していたエリオットがカイルへの挑戦を開始する。

 残り40周のリスタートでもサイド・バイ・サイドで周回した2台は、背後にトゥルーエクスJr.とハムリンのカムリ艦隊を従えるカイル優位かと思われたが、この日10回目となる最後のコーションで明暗が分かれることに。

 優勝争いの渦中にいたカムリ勢はピットを余儀なくされトラックポジションを失うと、残り4周のリスタートでも勢いを維持したエリオットの9号車がトップチェッカー。今度はカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)の挑戦を抑え切った2020年チャンピオンが、トヨタ勢を撃破する結果となった。

「最後の最後にコーションが来ると思っていた。僕たちのチームをとても誇りに思うし、今回は途中である程度のまとまった中断もあったから、僕のNAPAシェビーを“ダイヤルイン”してミックスパックの輪に戻すことができたんだ。長い1日だったけど楽しかったよ」と、終盤の39周を含む42周のリードラップを奪ったエリオット。

 2位カートに続き、3位ブレイニー、4位ラーソン、そして5位ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が続くトップ5に。一方でポールシッターのハムリンは6位、カイルとトゥルーエクスJr.はそれぞれ21位、22位と、トヨタ勢には悔しい結果に終わっている。

 併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第15戦はジャスティン・オルゲイアー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が混沌の展開を制して今季2勝目をマーク。そしてカップシリーズのブレイク中にノックスヴィルのダートトラックでイベントを開催していたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの第13戦は、トッド・ギリランド(デビッド・ギリランド・レーシング/フォードF-150)が制し、続くナッシュヴィルでの第14戦もライアン・プリースが勝利を挙げ、チームは連勝を達成した。

 一方、服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズは、タイラー・アンクラム(16号車トヨタ・タンドラTRDプロ)が前週ダートオーバルで9位、スーパースピードウェイで7位と連続のトップ10入り。チェイス・パーディ(61号車トヨタ・タンドラTRDプロ)は同20位、13位でフィニッシュしている。

決勝の主役を演じ続けたトヨタ・カムリ艦隊は、ピット戦略によりトラックポジションを失う結末に
NASCAR Xfinity第15戦はジャスティン・オルゲイアー(JR Motorsports/シボレー・カマロ)が勝利
Camping World Truck Seriesの第14戦は、ライアン・プリース(David Gilliland Racing/フォードF-150)が制した