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第13回国際R-M®ベストペインターコンテストがフランスのクレルモン・ド・ロワーズにあるR-M®リフィニッシュコンピテンスセンターで開催となった。我々は日本代表の片岡雅也選手(中央自動車鈑金工業所/阪神サンヨーホールディングスグループ)の活躍をレポートする。

大いに盛り上がった昨晩のウェルカムパーティーのあとは、ベッドに崩れこむように深い眠りにはまってしまった。そのせいか、すでに何日かこの町にいるような感覚で朝を迎えた。

6月29日のDay2は塗装の種目が2つ控えるハードな日。これは片岡選手だけはなく、他の選手も同様。ハードながら、見せ所満載のプログラムだ。

競技1種目目は「フレックスリペア」

審査員のマークの、”Ohayo”で開始。フェンダーパネル内での下地処理からぼかし塗装までの塗装工程だが、「フレックスリペア」という日本ではまだ馴染みのない補修方法で、片岡選手も手探りで競技に臨んだ。馴染みのない特別なブースでは、何が正解なのかわからない。75分という制限時間も、この作業に対して意外と短い。しかし、片岡選手はいつもどおりの作業を心掛け、その場に用意されていなかった作業用の資材を審査員にリクエストしたり、塗料の飛散を防ぐためのマスキングを施し足りしながら、フェンダーのぼかし塗装を仕上げた。

フレックスリペア作業開始前の説明を受ける片岡選手(左)

競技2種目目は「安全衛生」

自動車補修塗装を業務として行う上で必要な塗料の特性、塗料を扱うにあたっての注意事項など「安全衛生」は基本中の基本なので、落とすわけにはいかないというプレッシャーもある。一問一答であれば回答も軽快だが、爆破を引き起こす条件を口頭で説明するとなると、意外と緊張するものだ。

安全衛生の競技
昨晩のウェルカムパーティーでも打ち解けたデニスが審査員。

競技3種目目は「ボンネットのブロック塗装」

昨日すでにこの種目を終えた選手が、早朝に自ら塗ったパネルを確認しながら落胆する姿を見ると、ムラの出やすいパステルカラーの塗装が容易でないことは察しが付く。しかし、ここは日ごろからこのような難しい色も塗りこなしている片岡選手はむしろわくわくしながら、また自前ではないが競技用に準備されていた愛すべきアネスト岩田製のスプレーガンを用いて、ムラが出ない塗り方で塗装した。昨日からおなじみのドイツチームのオリバーも、片岡選手のパネルの仕上がりをほめちぎっていた。明日の朝、仕上がりを確認するのが楽しみだ。

審査員は、日本に何度も来たことがあるというペーター。片岡選手だけではく通訳者も大歓待を受けた。

競技後はパリ観光

出発に先立ち、片岡選手はシャワーを浴びる時間もない仲間たちに、日本から持参した汗拭きシートをお土産に渡しながら交流を深めた。

今競技を終えた選手たちは、パリ市内に向かっている。

話を聞くと、いずれの選手も片岡選手同様に良かったり悪かったり、何が正解なのかよくわからいのは同じ状況のようだ。またDay1の2種目に同じ競技をした仲間のスペイン代表クリスティアンは「心身ともに疲れ切った」と、同じ境遇の二人は理解を深めた。

スペイン代表クリスティアン(右)
ベルギー代表セドリック(左)とポルトガル代表ケビン(右)
ポーランド代表クリストフ。

ともあれ片岡選手は、「とにかく悔いのないように楽しんでいるし、まだまだ知らないことがたくさんあるということを認識した。それは、新たなスタートを意味する。ここの3日間で感じたことを今後の塗装人生で大事にしたい」と語ってくれた。パリのワインバーで英気を養い、明日の大会最終日に臨むことにしよう。

【第13回国際R-M®ベストペインターコンテスト日本代表】
片岡 雅也(Masaya Kataoka)
ペインター歴10年
株式会社 中央自動車鈑金工業所/阪神サンヨーホールディングスグループ所属

Text:アウトビルトジャパン
Photo:BASFジャパン