FIA国際自動車連盟とABB FIAフォーミュラE世界選手権は6月29日、来季2022/2023年“シーズン9”の暫定カレンダーを発表した。2023年1月のメキシコ戦を皮切りに、初開催を含む13都市18レースの開催が予定されている。
来季のシーズン9には、戦闘機の空力にインスパイアを受けた新型マシン“Gen3”の導入やマクラーレン・レーシングとマセラティの参入、そのマクラーレンにニッサンがパワーユニットを供給するなど、開幕前から多くの話題を集めている。
そんなシーズン9の暫定カレンダーを、FIA世界モータースポーツ評議会の承認と各都市のASN(全国自動車クラブ)の支援を受け、フォーミュラEとFIAが発表した。
Gen3マシンのデビューレースとなるシーズン9は、2023年1月14日にメキシコ・メキシコシティで第1戦が開幕、1月27~28日にサウジアラビア・ディルイーヤで第2戦と第3戦がダブルヘッダーで行われる。
続く第4戦は初開催となるインド・ハイデラバードで第4戦が2月11日に開催され、第5戦と第6戦は開催地未定ながら2月25日と3月11日に予定されている。第7戦はこちらも初開催となるブラジル・サンパウロでの一戦となり、その後第8戦のドイツ・ベルリン、第9戦モナコと続く。
シーズン後半はダブルヘッダーレースが増加し、韓国ソウルでの第10戦と第11戦、インドネシア・ジャカルタでの第12戦と第13戦で2連続ダブルヘッダーが行われ、開催地未定の第14戦を挟み、イタリア・ローマでの第15&16戦、7月29~30日にイギリス・ロンドンで開催される第17&18戦が最終レースとなる。
今季となる2021/2022年“シーズン8”では、10都市16レースが行われるが、来季シーズン9は13都市18レースの開催が予定されており、これはフォーミュラE史上最多開催数だ。この暫定カレンダーの発表に、フォーミュラEの共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーであるアルベルト・ロンゴは次のように述べている。
「ABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン9カレンダーは、これまでで最も広大でダイナミックなレーススケジュールとなっており、開幕が待ち遠しい」
「ハイデラバードとサンパウロで開催されるE-Prixでは、電気自動車によるストリートレースの国際的な境界線を押し広げ、ディルイーヤ、メキシコシティ、ベルリン、モナコ、ローマ、ロンドンでの人気レースはそのままに、ジャカルタとソウルがカレンダーに定着することになる。また、今年末の暫定カレンダー更新時には、ケープタウンとアメリカでのレースも含めるべく努力している」
また、フォーミュラE最高経営責任者を務めるジェイミー・レイグルは「第1戦のメキシコシティからシーズン9のクライマックスであるロンドンまで、シーズン9はこれまでで最も成功する舞台になった」と語った。
「FIAとフォーミュラEのエンジニア、サステナビリティの専門家が協力して作り上げたGen3は、高いパフォーマンスとサステナビリティが妥協することなく強力に共存できることを証明するレースカーだ」
「マセラティが数十年ぶりにモータースポーツに復帰し、マクラーレン・レーシングやフォーミュラEをユニークなものにしている素晴らしいチームやメーカーのメンバーを私たちは歓迎し、シーズン9では、このスポーツの世界的なファン層を拡大するという我々の勢いが続くと期待している」
■2022/2023年フォーミュラEシーズン9 暫定カレンダー(6月29日付)
イベント | ラウンド | 開催地 | 開催日時 |
---|---|---|---|
1 | 1 | メキシコ・メキシコシティ | 2023年1月14日 |
2 | 2 & 3 | サウジアラビア・ディルイーヤ | 1月27~28日 |
3 | 4 | インド・ハイデラバード | 2月11日 |
4 | 5 | TBD | 2月25日 |
5 | 6 | TBD | 3月11日 |
6 | 7 | ブラジル・サンパウロ | 3月25日 |
7 | 8 | ドイツ・ベルリン | 4月22日 |
8 | 9 | モナコ・モンテカルロ | 5月6日 |
9 | 10 & 11 | 韓国・ソウル | 5月20~21日 |
10 | 12 & 13 | インドネシア・ジャカルタ | 6月3~4日 |
11 | 14 | TBD | 6月24日 |
12 | 15 & 16 | イタリア・ローマ | 7月15~16日 |
13 | 17 & 18 | イギリス・ロンドン | 7月29~30日 |
※TBDとは、ある都市でのレース開催に向けて作業が進んでいることを示すが、開催地がFIAに正式に提案され、承認されたわけではない。暫定カレンダーは秋に更新され、FIAによって見直される予定になっている。