7月30日、大分県のオートポリスでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第4戦『スーパー耐久レース in オートポリス』の公式予選が行われ、ST-Xクラスの16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)が総合ポールポジションを獲得した。
近年は多くのエントラント、ファンを集め盛況となっているスーパー耐久シリーズ。迎えた2022年の第4戦は九州地方での一戦となり、決勝は大分県のオートポリスにて台数調整により不参加クラスとなったST-5を除いた全クラスが参加する5時間レースが行われる。
レースを前日に控えた土曜日には午前中のフリー走行を経て、13時45分から公式予選がスタート。天候は正午には曇り空だったものの予選直前に雨粒が落ち始め、ウエット宣言が提示されるなかのセッションとなった。
今季最多となる9台が参戦するST-XクラスのAドライバー予選は完全なウエットコンディションで行われ、セッション中盤には777号車D’station Vantage GT3を駆る星野敏がジェットコースターストレートエンドでコースアウトしてしまい、一時赤旗が提示される。777号車星野はオフィシャルの手を借りてコースに復帰すると自走でピットまで戻り、セッション再開後に2分5秒918というタイムを記録する走りを披露する。
そんなST-XのAドライバー予選で速さをみせたのはポルシェセンター岡崎911のステアリングを握る永井宏明だ。スーパーGT GT300クラスでも活躍する永井は、ジェントルマンドライバーで争われるAドライバー予選でクラストップとなる2分00秒769を記録。2番手にはこの第4戦にスポット参戦を行う555号車PLUS with BMW Team Studieの山口智英が2分01秒247で続いた。
続くBドライバー予選でST-Xのトップタイムをマークしたのは前戦SUGOでレース終盤までトップを走行した23号車TKRI松永建設AMG GT3の元嶋佑弥となり、1分58秒882を記録してBドライバー予選を総合トップで終える。2番手には9号車MP Racing GT-Rの柴田優作が1分59秒071で続くも、ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rを駆る上村優太が1分59秒376で3番手につけ、AドライバーとBドライバーによる合算タイムにより総合ポールポジションを獲得する結果となった。
GT4マシンが争うST-Zクラスでは、Aドライバー予選で加納政樹が1分59秒359というクラストップタイムを記録し、Bドライバー予選でも安田裕信がクラス3番手につけた34号車テクノ・SUN’S・モノコレ G55が合算タイムでクラスポールに輝いている。
ホンダ・シビック・タイプR・TCR同士の戦いとなるST-TCRクラスは、Aドライバー予選で75号車Team Noah HONDA CIVIC TCRの塚田利郎が2分01秒233を記録して先行するも、Bドライバー予選では97号車Racer HFDP CIVICの中野信治が2分11秒891というタイムをマークして75号車を上回り、0.129秒差という僅差で97号車シビックがクラスポールを獲得している。
6台が参戦するST-Qクラスのトップに立ったのは3号車ENDLESS AMG GT4となり、Aドライバー予選では小河諒が乾き始めてきた路面コンディションで1分56秒710という総合トップタイムを記録する速さを披露する。3号車は続くBドライバー予選でも川端伸太朗が2分06秒797を記録して4戦連続のクラストップとなった。
ST-Qの2番手にはMax Racingの244号車ニッサンZ Racing Conceptが続き、前戦SUGOを「車両素性の把握」のため欠場した28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptが3番手、その28号車のライバルでもある61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが4番手に続いた。
ST-1クラスは、Aドライバー予選で堤優威が駆る38号車muta Racing GR SUPRAが2分06秒243でトップに立つと、Bドライバー予選では完全ウエット路面で名手織戸学が2分05秒820を記録した47号車D’station Vantage GT8Rがトップとなるが、合算タイムで38号車がクラスポールに輝く。
ミツビシ・ランサーエボリューションやスバルWRX STI、トヨタGRヤリス、ホンダ・シビック・タイプRという4車種7台で争われるST-2では、Aドライバー予選で13号車ENDLESS GRヤリスを駆る伊東黎明が2分05秒732を記録してクラストップで終える。しかし、Bドライバー予選で速さをみせたのは、名門シンリョウレーシングチームが走らせる6号車新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10をドライブするベテラン菊地靖となり、2分13秒520をマークしてクラストップで終えると、合算タイムでも首位に浮上してクラスポールを奪った。
トヨタ・クラウンRS、ニッサン・フェアレディZ、レクサスRC350の3車種が接戦を繰り広げるST-3のAドライバー予選では、こちらも名手の服部尚貴が駆る52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSが2分04秒053というタイムを記録し、2番手につけた冨林勇佑の39号車エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSを1秒近く引き離す速さをみせる。埼玉トヨペット・クラウンは続くBドライバー予選でもステアリングを引き継いだ吉田広樹が2分10秒814でクラス2番手につけ、合算でクラスポール獲得となった。
なお、エントリーリストに名を連ねていた63号車muta Racing LEXUS RC 350 TWSは、「新型コロナウイルス再拡大に際し、ドライバーの堀田誠が本業務との兼ね合いでサーキットへの来場が困難となりました」とのことで今回のレース出場を見合わせることをチームのSNSで明らかにしている。
そしてトヨタGR86、ホンダ・インテグラ・タイプRが争うST-4は、86号車TOM’S SPIRIT GR86がAドライバー予選、Bドライバー予選ともに河野駿佑と松井孝允が最速タイムを記録し3戦連続のクラスポール獲得を果たしている。スーパー耐久第4戦オートポリスは、7月31日の11時から5時間に渡る決勝レースのスタートが切られる予定だ。