トヨタ、再生可能ディーゼルな燃料対応モデルを準備へ。トヨタは、バイオ燃料のHVO100に対応したモデルを2023年から用意する。これは、ハイラックスやランドクルーザーのディーゼルエンジンを、より環境に配慮したものにするためだ。
トヨタはディーゼル車をさらに環境に優しいものにしたいと考えている。2023年初頭から、ハイラックスとランドクルーザーは、再生可能なバイオ燃料「HVO 100」で走行できるようになる。このトヨタの小型商用車には、すでにこの新型ディーゼル燃料が搭載されている。
「HVO 100」バイオディーゼルは、通常のディーゼルよりも、セタン価(ディーゼルエンジンの着火性を表す数値)が高く、硫黄分や芳香族が少ない植物油を水素化したものである。その場合の燃料は、使用済みの食用油のほか、パーム油や菜種油から得るのが一般的だ。
新バイオディーゼルは従来のディーゼルとの混合も可能
欧州では、すでに約1,000の給油所で、バイオ燃料「HVO 100」を提供している。再生可能ディーゼルの生産量は、今後4年間で、年間約1,550万トンまで増加すると予想されている。
トヨタは、「HVO 100」バイオディーゼルを使用する際に、特別な対策や運転方法の変更を必要としないことを約束する。バイオ燃料は従来のディーゼルよりも、燃料密度が低いため、エンジンは大型の噴射装置を装備するだけでよい。そして、その燃料は、従来のディーゼル軽油と混ぜることができ、完全な切り替えは必要ないのだ!
【ABJのコメント】
言うまでもないことだがカーボンニュートラルの答えはBEVや水素だけではなく、こうしたバイオ燃料というものもあることを忘れてはならない(航空機などはバイオ燃料が解決策になるとは言われているが、そんなにたくさん作れるのかどうか疑問は多い)。まだ現段階ではコストの問題など、解決しないといけない課題は多いが、トヨタだけでなく多くのメーカーで研究が継続されていることは言うまでもないだろう。
そんなバイオ燃料とディーゼルエンジンとの相性はよいはずで、特にディーゼルエンジンの持つ「雑食性」にすぐれている部分はガソリンエンジンよりも上のため、適合しやすい部分も多い。ディーゼルエンジンファンとしては、まだこれからもディーゼルが延命し、あの魅力的な内燃機関に可能性が与えられているという今回の報道を、大変力強くうれしく思った。できればこれからも魅力的なパワーユニットは知恵と工夫で、なんとか世の中に延命してほしいものである。(KO)
Text: Sebastian Friemel
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota