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ヘッドライトがガラスであったときには、さほど気にならなかったが、今のクルマは黄ばみが超目立つ。コレの要因は樹脂製となったことが大きいのだが、磨いてもすぐに黄ばんだり、くすんだりするため、うんざりしてしまうのだ。でもなんでそもそもヘッドライトは黄ばんでしまうのか!? 防ぐ方法はあるの!?

文:青山尚暉/画像:Adobe Stock(トップ:486514334@Adobe Stock)

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■愛車の見た目は超重要! ヘッドライト次第で印象が激変

 長く乗り続けたクルマをいつまでも美しく、ビシッと精悍に見せる方法をご存じだろうか?塗装面の維持もさることながら、黒いパーツ(タイヤやモールなど)を黒々と、そしてウインドーガラスの光沢を保つことが重要だ。

 そこがケアされていれば塗装面が多少、汚れていてもそれなりにきれいに見えるものなのである。突然のデートの誘い、ドライブ旅行で、洗車をする時間がなくてもタイヤやモール類を黒々と仕上げてウインドーをサッと拭くだけで、クルマ全体の印象はまるで違って見えるのだ。

長く乗り続けたクルマをいつまでも美しく、ビシッと精悍に見せるには、ヘッドライトの印象がとても重要といえる(135012857@Adobe Stock)

キャプ)長く乗り続けたクルマをいつまでも美しく、ビシッと精悍に見せるには、ヘッドライトの印象がとても重要といえる

 が、もうひとつ、クルマを野暮ったく見せるパーツがある。それはヘッドライト。新車から年数が経つと、多くのヘッドライトは黄ばみ、くすんでくるはず。そうなると、たとえ塗装面をピカピカに仕上げたとしても、クルマが古臭く見えてしまう。しかも、簡単にケアできないからやっかいだ。

■黄ばみの原因は紫外線にアリ!屋内駐車で劣化を遅らせることも

 ヘッドライトの黄ばみ、くすみ、曇りの原因は大きく分けて、外側と内側に分類できる。「昔のクルマのヘッドライトは黄ばみ、くすみがあまり気にならなかったな~」。と感じている人は、原因の半分は正解している。

 つまり、昔のヘッドライトはガラス製で、バルブも白熱球、その派生のシールドビーム、マニアが交換していたハロゲン球であり、発生する熱で光を放出する仕組み。

 よって、ガラス製のヘッドライトは比較的キズが付きにくく、黄ばみ、くすみに強かったというわけ(逆に内側の曇りは発生しやすい。理由は後述)。

 しかし現在のヘッドライトはガラスに対して対衝撃性で勝り、破損しても破片が飛び散りにくく、安全性、そしてデザインの自由度の高さ、軽量化を重視したポリカーボネート素材(樹脂)が主流。

 新品の(新車の)ヘッドライトには耐候性を高めるためのコーティングが施されているものの、黄ばみ、くすみの発生は素材の性質上、ガラスより深刻で、主に紫外線、クルマの前面にあることから飛び石などによる細かいキズ、さらにコーティングの剥がれなどによって、経年変化とともに劣化が促進されることになる。

 特に紫外線はヘッドライトの黄ばみの最大の原因とされ、屋外駐車のクルマでは避けられないダメージのひとつ。逆に、屋内駐車場、地下駐車場に止めてあるクルマのヘッドライトは、比較的ヘッドライトの黄ばみの進行が遅くなると考えていい(とはいえ、走行中は紫外線を浴びている)。

■新車をコーティングした後は専用フィルムが効果テキメン!

 では、素材的、クルマの使用条件から完全に避けられないヘッドライト外側の黄ばみ、くすみを極力、防ぐための方法はと言えば、屋外駐車のクルマでは

①駐車時、紫外線対策としてヘッドライト部分にカバーをかけておく(ボンネットとヘッドライト、フロントバンパーを覆うボンネットカバーの意味)
②定期的にヘッドライトをクリーニングし、専用のコーティング剤でケアしておく・・・のふたつが考えられる。

 カバーによって少なくとも屋外駐車時に紫外線がヘッドライトに及ぼすダメージを軽減できるし、定期的なヘッドライトコーティングは紫外線やキズによる被害を低減してくれる効果が期待できるのだ(あくまで期待)。

 また、まだ新車でヘッドライトがきれいなままであれば、あるいはヘッドライト外側のクリーニングが済んだばかりなら、これからの対策として、紫外線カット効果のあるライトプロテクションフィルムを貼っておくのも手だ。

 最近の信頼性のあるものなら5年程度は効果が持続。もちろん、透明度の高いフィルムなので、車検も問題なしである(車検対応フィルムの場合)。紫外線カットに加え、飛び石などによるキズつき防止のダブル効果も期待できたりする!!

 一方、すでにヘッドライトが黄ばんでいるのなら、DIYでできる対策としてヘッドライト専用の黄ばみ取りクリーナーを使うといい。軽度な黄ばみならそこそこ落としてくれるはずだ(黄ばみ歴の長いヘッドライトは気持ち程度の復活かも。なお、キズや曇りは取れないかも知れない)。

■内側がくすむのは結露が原因!? 内側はプロに頼むべし

ヘッドライト内側のくすみは、ヘッドライトと外側と内側の温度差による結露が主原因とされている(327505339@Adobe Stock)

 で、ヘッドライト専用の黄ばみ取りクリーナーを使い、ヘッドライト外側の黄ばみは落とせた。しかし、それでもまだくすんでいることもある。その原因は、なんとヘッドライト内側の曇り。紫外線が当たりにくく、飛び石によるキズも付かないはずのヘッドライト内側がなぜ曇るのか?

 その理由はヘッドライト外側とはまったく別の要因なのである。

 素材の経年変化はもちろんあるが、むしろ、ヘッドライトと外側と内側の温度差による結露が主原因とされている。冬、暖房の効いた部屋の窓の内側が、外気温との差で結露するのと同じ理屈である。古い国産車、輸入車に多く見られ、しかし最新のLEDヘッドランプ装着車には見られにくい現象だ。

 そこまで言えばお分かりのように、昔の白熱球、今でもベースグレードの新車に装着されているハロゲンバルブは発生する熱で光を放出する発光のメカニズムだから、ヘッドライト点灯時の内部の温度が高く、例えば雪がヘッドライトに付着しても、ヘッドライトを点灯させればみるみるうちに雪が解けていくぐらいの高熱源となっている。

 だから季節、天候によってヘッドライトの外側と内側の温度差が大きく、結露が発生しやすく、それが時間をかけて曇りの原因となっていく。

 ハロゲンヘッドライト装着車で内部の曇りを対策したいなら、可能であればバルブの温度がハロゲンより低いHIDやLEDヘッドライトに交換するといい(すべてのクルマができるわけではないが)。

 ちなみにDIYでヘッドライトを外して内側をクリーニングする手もあるが、パーツの分解に慣れた人でないとうまく外せない、元に戻せない、かえって隙間ができて被害が拡大するなどのリスクもあるから、外して内部をクリーニングするならプロに任せるのが正解だろう。

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投稿 ヘッドライトの黄ばみは防げるのか!? そもそも“くすんじゃう”のはなんで自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。