東広島市に拠点を置くTOHO Racingにとって待ちに待った鈴鹿8耐がやってくる。2022年は、同チームに所属する清成龍一、國峰啄磨、國川浩道というラインナップでエントリーする。EWCクラスで、マシンはホンダCBR1000RR-R、ゼッケンは104だ。
2011年に山口辰也と共にレーシングチームを立ち上げたTOHO Racingは、2012年には鈴鹿8耐で2位入賞、2016年には全日本ロードJSB1000クラスで優勝も果たし、第1期TOHO Racingとしてのプロジェクトは、2017年でひとまず幕を降ろしていた。
そして鈴鹿8耐に再び参戦したいと福間勇二代表が再始動。2020年は、國川が全日本ロードST1000クラスに、國峰がST600クラスに参戦。鈴鹿8耐には、外国人ライダーの起用も視野に入れていた。しかし、コロナ禍となり、鈴鹿8耐自体が中止となってしまう。
その間も全日本ロードレースへの参戦を続け、2021年よりJSB1000クラスに再進出。國川が乗る予定だったが、開幕前のテストで負傷。創設メンバーでもある山口に代役を依頼し、鈴鹿8耐も視野に入れていたが、2021年も中止となっていた。
そして2022年は、鈴鹿8耐で4勝している清成を迎え入れ一気にレベルアップを図り、俄然やる気になっていた。しかし、またも開幕前のテストで不運に見舞われる。清成が転倒し負傷してしまう。清成の復帰が遅れる中、今シーズンからST1000にスイッチした國峰が代役として第2戦鈴鹿2&4、第3戦オートポリス2&4に参戦。このJSB1000クラスでの経験が國峰を成長させ、第4戦SUGOでは、ST1000クラスで初優勝を達成。鈴鹿8耐に向けてもチームを引っ張る立場となっている。
一方、清成は、まだ完全ではないが、6月のテストから復帰。身体の調子を見ながら、徐々にペースを上げてきている。
「身体が十分に回復していない状態で鈴鹿8耐を迎えてしまうことは、チームに申し訳ない気持ちです。7月の合同テストの時点で、自分のパフォーマンスは半分以下しか出せていないので、本番までに少しでもコンディションを回復させて挑みたいですね。鈴鹿8耐もマージンを取って速く走るかが課題となるレースなので今は、本当に転倒できないですし“ビビってる”とか“終わったな”とか言われてもいいので慎重にペースを上げていっています。こんな自分でもチームは、信頼してくれているので、もどかしい部分もありますがレースウイークに可能な限りアベレージを上げて、少しでも貢献したいですね」と清成。
一方、今シーズン大きく成長している國峰は「鈴鹿8耐は、2回目の参戦なのですが、1回目は途中でリタイアしてしまっているので、今回はしっかりチェッカーフラッグを受けたいですね。ビッグネームの清成選手と一緒に出られるのは光栄ですし、チームのおかげで今の僕があるので、目立つ走りができるように全力を尽くします」とコメント。
第3ライダー的立場となる國川は「耐久仕様のマシンを乗ることで、すごく勉強になっています。とにかく転倒だけはしないように、マシンを理解してアベレージタイムを上げていくことがチームのためになると思っています。清成選手を少しでもサポートできるようにしたいですね」とチームプレーに徹する考えだ。
万感の思いを乗せ、2022年の鈴鹿8耐に挑むTOHO Racing。清成の復調と、國峰の成長が上位進出のカギを握っている。