土曜日のハンガロリンクは朝から雨曇が空を覆い、昼過ぎには雷を伴う激しい雨に見舞われた。ウェットコンディションで始まったF1第13戦ハンガリーGPのフリー走行3回目。しかし、ハンガロリンクの雨はアルファタウリ勢にとって、決して恵みの雨とはならなかった。予選前の最後の練習走行で、アルファタウリの2台は角田裕毅が17番手、チームメートのピエール・ガスリーは19番手に終わったからだった。
金曜日のフリー走行後、エンジニアとともに問題点を見つけて、土曜日に向けて改善したいと言っていた角田。しかし、土曜日のフリー走行でのマシンの調子は「あまりよくなかった」(角田)という。理由は、金曜日のフリー走行でバランスが安定しなかった原因が特定できなかったからだった。
フリー走行3回目で降っていた雨はその後上がり、午後4時から始まったハンガリーGP公式予選は気温21.7度、路面温度28.5度のなか、ドライコンディションでスタートした。
フリー走行では雨により金曜日までの路面のラバーが洗い流され、予選がドライコンディションとなったため、今年のハンガリーGPの予選は路面が予選中に大きく改善するなかで行われた。特に20台のマシンが一斉にタイムアタックを行うQ1はその傾向が強く、1台走るたびに路面にラバーが乗り、タイムが著しく向上していった。
そんななか、角田は1セット目のタイヤで記録した自己ベスト1分19秒904が、トラックリミット(コース外を走行)違反となって取り消され、全車1回目のタイムアタックを終えた段階で最下位に沈んでいた。
残り3分を切って2セット目のニュータイヤを履いてコースインした角田は、今度はトラックリミット違反を犯さず、自己ベストを更新する1分19秒240をマークするも、Q1突破ラインにいたランス・ストロール(アストンマーティン)の1分19秒205に1000分の35秒届かずに16番手に終わり、Q1敗退となった。
最後のアタックは「1セット目のタイヤからコンマ6秒は上げたので、(実力は)出せたと思います」と語った角田。
アップデートを投入してQ3に進出したフランスGPから1週間後、アルファタウリはまさかの2台そろってのQ1敗退を喫してしまった。