2022年NASCARカップシリーズのカレンダーのうち、残るロードコース2戦となる8月21日のワトキンスグレンと10月9日のシャーロット“ローバル”に向け、2018年創設の新興スパイアー・モータースポーツが大物ゲストの招聘をアナウンス。ル・マン24時間で2勝を誇るドイツ出身の名手、マイク・ロッケンフェラーにカップシリーズ・デビューの機会を設けることとなった。
初ポール獲得のバッバ・ウォレスを降し、ケビン・ハーヴィックが実に65戦ぶりの勝利/NASCAR第23戦
レギュラーシーズンも終盤戦を迎えた2022年NASCARカップシリーズ第23戦『FireKeepers Casino 400』が8月6~7日にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催され、2020年9月のブリストル戦以来、実に65戦も勝利から見放されていたケビン・ハーヴィック(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、キャリア初ポール獲得のダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)を降して今季15人目のウイナーに。この結果、プレーオフのカットライン以下だったポイントランキングでも、暫定9位と進出圏内に浮上している。
その実力は本物。タイラー・レディックがロードコース連勝でカップ通算2勝目/NASCAR第22戦
7月30~31日に“聖地”インディアナポリスで開催された2022年NASCARカップシリーズ第22戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』は、今季第18戦のロードアメリカでシリーズ初優勝を遂げたばかりのタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)との激しい“オーバータイム・バトル”を生き延び今季2勝目を獲得。新たな“ロードコースの覇者”に名乗りを上げた。
全長2.439マイル(約3.925m)、14のターンを有するインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)ロードコースが舞台となった週末は、土曜走り始めのプラクティスでオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が最速を記録する。しかし予選では、そのシンドリックに並んで平均99マイル台に乗せてきたレディックがセッションの最終盤で逆転を決め、昨季のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に続くキャリア2度目のポールポジションを手にした。
チャスティンとの“宿敵対決”を制したハムリンが急転直下の失格劇。エリオットが4勝目/NASCAR第21戦
いよいよプレーオフが迫る終盤戦を迎えたNASCARカップシリーズ第21戦『M&M’s Fan Appreciation 400』は、今季複数回にわたり“因縁の勝負”を繰り広げて来たデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)と“2022年台風の目”ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、残り18周のリスタートで直接対決の構図となり、これまでの「借金を取り立てた」ハムリンが無慈悲なライン取りで宿敵をウォールに押しやり、僚友カイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を従えJGRがワン・ツー・フィニッシュを飾った……かに見えた。
しかしレース後、再車検の検証を踏まえてJGRは月曜正午までの上訴を断念し、トヨタ・カムリ2台の失格処分が確定。この裁定により、3位でフィニッシュラインを通過したチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が「ドライバーなら誰も望まない形」ながら、今季4勝目を手にしている。
終盤独走のトヨタ・カムリ、クリストファー・ベルが今季14人目のウイナーに/NASCAR第20戦
ニューハンプシャー・モータースピードウェイで争われた2022年NASCARカップシリーズ第20戦『Ambetter 301』は、予選ポールポジションからレース最多の172周をリードしたマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を引き継ぎ、僚友クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が最後の勝負でチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を降し今季初優勝。シーズン14人目の勝者となった男が、最新のプレーオフ候補にも名乗りを挙げた。
最終バトルを制したエリオットが歓喜の地元戦初制覇、伏兵はウォールに散る/NASCAR第19戦
アメリカはジョージア州ハンプトンに位置するアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第19戦『Quaker State 400』は、2020年チャンピオンのチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が熱狂的な大観衆の後押しを受け、歓喜の地元戦初制覇を達成した。ホワイトフラッグからローカル・ヒーローを追走した週末の“伏兵”コリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、バックストレッチからルーズとなり、チェッカー目前でウォールに散る結末となった。
昨年の同イベントはカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を挙げ、再舗装を経た今季3月のレースではウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が優勝を飾っている1.54マイル・オーバルは、7月9日土曜から地域一帯がレインシャワーに見舞われ、最終的に予選セッションがキャンセルされることに。
タイラー・レディックが今季5人目のカップ初優勝、シーズン13人目の勝者に/NASCAR第18戦
アメリカ・ウイスコンシン州エルクハート・レイクに位置する伝統のトラック、ロード・アメリカで開催された2022年NASCARカップシリーズ第18戦『クウィック・トリップ250』は、ポールシッターの前戦勝者チェイス・エリオ …
悪天候による3回の中断を経て、HMSのチェイス・エリオットが今季2勝目を獲得/NASCAR第17戦
1週間のブレイクを挟み、2022年NASCARカップシリーズ第17戦『Ally 400』が6月25~26日の週末に開催され、悪天候による3回の中断と合計3時間以上に及んだ赤旗にも集中力を維持したチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季2勝目をマーク。序盤のドーバー・スピードウェイに続き、ナッシュビルのスーパースピードウェイも制してみせた。
6月初旬にソノマでのロードコース戦を終えた一行は、久々のインターバルを経てナッシュビルに集結。そのレースウイークを前に、2017年チャンピオンのマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)がチームとの契約延長を発表し、来季もJGRに残留してカムリをドライブすることが決定。同じくリッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)も新たな複数年契約を締結し、引き続き47号車シボレーのステアリングを握ることとなった。
2023年ル・マン『ガレージ56』出場に意欲見せるジミー・ジョンソン。IMSAでは小林可夢偉の維持を望む
7度のNASCARカップ王者で、今季チップ・ガナッシ・レーシングから2年目のインディカー・シリーズに参戦しているジミー・ジョンソンは、2023年のル・マン24時間レースへ“ガレージ56”枠の一員として出場することについて、「非常に高い関心を持っている」と述べている。
ジョンソンは現在、インディカーへのフル参戦と同時に、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では小林可夢偉らをチームメイトに迎え、長距離耐久戦の“ミシュラン・エンデュランス・カップ”にアクション・エクスプレス・レーシングから、キャデラックDPi-V.Rをドライブし参戦している。
ダニエル・スアレス、終盤完全リードを奪ってカップシリーズ初優勝を達成/NASCAR第16戦
かつてインフォニオン・レースウェイとも呼ばれたソノマで、6月11~12日に開催されたNASCARカップシリーズ第16戦『Toyota/Save Mart 350』は、終盤となる残り23周から盤石のラップリーダーに立ったダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、歓喜のカップシリーズ初優勝。一足先に今季カップ初勝利を飾った僚友ロス・チャスティンと同じくロードコースでの初勝利となり、意外なことにメキシコ出身者としても、シリーズ初勝利を挙げたドライバーとして歴史に名を刻むこととなった。