ベッテル父、“後方での戦い”が息子のF1引退を後押ししたと明かす「最後尾を走ることは彼にとって非常に苦痛だった」

 セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)の父であるノルベルト・ベッテルは、セバスチャンがグリッド最後尾で戦ったことが、F1引退の考えを「加速させた」と述べている。

 2020年限りでフェラーリを離れたベッテルは、2021年にアストンマーティンに移籍した。F1で先頭集団に入るというチームの挑戦に心を動かされてのことだった。4度の世界チャンピオンであるベッテルは、アストンマーティンに彼の才能と経験を持ち込み、新チームが時間をかけて序列を上がっていく手助けをすることを望んでいた。ベッテルはアストンマーティンでの最初のシーズンに7回入賞し、アゼルバイジャンGPではレッドブルのセルジオ・ペレスに続く2位のベストリザルトを記録した。

インディカードライバーのレイホール、F1引退を発表したベッテルの招待に前向き「彼のための居場所がある」

 インディカードライバーのグラハム・レイホールは、F1を引退するセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)に対し、インディカーでテストを行うか、同シリーズに移ることを検討するようふたたび勧めており、ベッテルにはアメリカに「居場所がある」と主張している。

 ベッテルは今年5月、マイアミでレイホールと、彼の父でチームオーナーのボビー・レイホールの関心を引いた。4度の世界チャンピオンであるベッテルは、フロリダよりも、インディカーの会場であるロード・アメリカでF1を開催してもいいのではないかと提案したのだ。レイホールはツイッターでベッテルのコメントに反応し、ロードアメリカで彼のチームであるレイホール・レターマン・ラニガンとインディカーのテストをしたかったら、実現させようと投稿した。

「結論を出すまで多くの考えがあった」去就を熟慮し、気が散る時もあったとベッテル。現在はF1引退を決意し安堵

 アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、F1引退を決めたことで安堵したと語っており、将来についての考えにこの数カ月間気を取られていたことを認めた。

 チームが選択肢を検討する時間を数カ月取れるように、サマーブレイク前に将来について話をするようアストンマーティンF1から要請されていたベッテルは、それにしたがって第13戦ハンガリーGPの水曜日の夜に彼の決断についてチームに伝えた。

2022年F1第13戦ハンガリーGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)

 2022年F1第13戦ハンガリーGPの決勝レースで6位~10位に入賞したドライバーたちが日曜日を振り返った。6位~10位のドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)だ。

ベッテル10位、チームオーダーでオコンを追うも僅差で届かず「あとひとつコーナーがあれば…」/F1第13戦

 2022年F1ハンガリーGP決勝で、アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは10位を獲得した。チームは終盤、ベッテルとチームメイトのランス・ストロールのポジションを入れ替えており、これについてチーム代表マイク・クラックは次のように説明した。

「ランスに(エステバン・)オコンを追いかけるように指示したが、残り数周の時点で、(後ろの)セバスチャンの方がミディアムタイヤでペースが良かったので、2台を入れ替えた。セバスチャンが9位に上がれなければ、ポジションを戻すつもりだったが、彼はラインを越える時点でオコンの0.143秒後ろの位置であり、安全にポジションを入れ替えることができない状況だった」

「サンキュー、セブ」引退を決めたレジェンドに仲間たちが贈るメッセージ。ベッテルはInstagramを開設し心境を語る

 4度のF1チャンピオン、セバスチャン・ベッテルが、2022年末でF1から引退すると発表した。現在までに優勝53回、表彰台122回、グランドスラム4回など突出したキャリアを築き、人間的な面でも多くの仲間やファンに愛されているベッテル。彼の引退を知ったF1界の大勢の仲間がSNSを通してコメントを発表、思い出の写真を公開した。また、ベッテルは、これまでSNSを好まないと公言してきたものの、引退発表直前にインスタグラムのアカウントを開設。ここにメッセージ動画を投稿した。

4度のF1チャンピオン、セバスチャン・ベッテルが2022年末での引退を発表。チームは契約延長を希望も本人の意思を尊重

 アストンマーティン・アラムコ・コグニザントF1チームは、7月28日、セバスチャン・ベッテルが2022年末でF1から引退することを発表した。2007年からF1で活動しているベッテルは、現在35歳、ここまで4度のF1タイトルを獲得し、今年の最終戦アブダビGPで300戦目を迎える。優勝回数は53回で、ルイス・ハミルトン、ミハエル・シューマッハーに次ぐ歴代3位という、偉大なるキャリアの持ち主だ。

 2007年第7戦アメリカGPでにBMWザウバーからデビュー、第11戦からトロロッソに移り、2008年イタリアGPでは同チームで初優勝を挙げた。2009年にレッドブルに昇格、2010年から2013年までダブルタイトル獲得を達成した後、2015年にフェラーリに移籍。しかし憧れのフェラーリではチャンピオンになることはできず、ランキング2位を2回獲得した後に、2021年に現在のアストンマーティンに加入した。

バトル中の急ブレーキに「不意討ちを食らった」とベッテル。ストロールはスナップしたと説明/F1第12戦

 アストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテルは、2022年F1第12戦フランスGP決勝の最終コーナーで、チームメイトのランス・ストロールが突然行ったブレーキ操作に「不意討ちをくらった」が、「どちらにしてもチームにとってポイントは同じ」と語り、チームメイトの気まぐれな行為を受け流した。

 ストロールは、予選でベッテルよりもポジションが3つ後ろの17番手だったが(他車のペナルティによりスタートは15番グリッドから)、決勝のオープニングラップで一気に10番手へと順位を上げ、51周のレースの残りでそのポジションを維持し続けた。

ベッテル、アストンマーティン初のグランプリカーでデモ走行。GPデビューから100年の記念イベント/F1フランスGP

 F1フランスGPの週末、アストンマーティンはグランプリデビューから100年を迎えることを記念し、1922年型TT1のデモ走行を、レギュラードライバーであるセバスチャン・ベッテルによって行った。

 アストンマーティンの初のグランプリカーで、『グリーン・ピー(Green Pea)』と呼ばれたこのマシンは、1922年フランスGPに登場。今年のフランスGPはそれから100年後に当たる。

アストンマーティンF1代表、2023年に向けベッテルと交渉中。契約延長に期待「意欲を失ったような感じはない」

 アストンマーティンF1のチーム代表であるマイク・クラックは、2022年シーズン終了後もセバスチャン・ベッテルとの契約を継続することを期待しており、チームとベッテルが現在行っている協議について「非常に前向き」で「建設的」だと語った。

 2021年に始まったベッテルとアストンマーティンのタッグは、これまでのところあまり実を結んでいない。しかしその原因は、ベッテル自身のパフォーマンス不足というよりも、チームが競争力の高いマシンづくりに苦しんでいることにある。