その実力は本物。タイラー・レディックがロードコース連勝でカップ通算2勝目/NASCAR第22戦

 7月30~31日に“聖地”インディアナポリスで開催された2022年NASCARカップシリーズ第22戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』は、今季第18戦のロードアメリカでシリーズ初優勝を遂げたばかりのタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)との激しい“オーバータイム・バトル”を生き延び今季2勝目を獲得。新たな“ロードコースの覇者”に名乗りを上げた。

 全長2.439マイル(約3.925m)、14のターンを有するインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)ロードコースが舞台となった週末は、土曜走り始めのプラクティスでオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が最速を記録する。しかし予選では、そのシンドリックに並んで平均99マイル台に乗せてきたレディックがセッションの最終盤で逆転を決め、昨季のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に続くキャリア2度目のポールポジションを手にした。

チャスティンとの“宿敵対決”を制したハムリンが急転直下の失格劇。エリオットが4勝目/NASCAR第21戦

 いよいよプレーオフが迫る終盤戦を迎えたNASCARカップシリーズ第21戦『M&M’s Fan Appreciation 400』は、今季複数回にわたり“因縁の勝負”を繰り広げて来たデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)と“2022年台風の目”ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、残り18周のリスタートで直接対決の構図となり、これまでの「借金を取り立てた」ハムリンが無慈悲なライン取りで宿敵をウォールに押しやり、僚友カイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を従えJGRがワン・ツー・フィニッシュを飾った……かに見えた。

 しかしレース後、再車検の検証を踏まえてJGRは月曜正午までの上訴を断念し、トヨタ・カムリ2台の失格処分が確定。この裁定により、3位でフィニッシュラインを通過したチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が「ドライバーなら誰も望まない形」ながら、今季4勝目を手にしている。

最終バトルを制したエリオットが歓喜の地元戦初制覇、伏兵はウォールに散る/NASCAR第19戦

 アメリカはジョージア州ハンプトンに位置するアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第19戦『Quaker State 400』は、2020年チャンピオンのチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が熱狂的な大観衆の後押しを受け、歓喜の地元戦初制覇を達成した。ホワイトフラッグからローカル・ヒーローを追走した週末の“伏兵”コリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、バックストレッチからルーズとなり、チェッカー目前でウォールに散る結末となった。

 昨年の同イベントはカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を挙げ、再舗装を経た今季3月のレースではウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が優勝を飾っている1.54マイル・オーバルは、7月9日土曜から地域一帯がレインシャワーに見舞われ、最終的に予選セッションがキャンセルされることに。