2022年シーズンのF1は新規定によるマシンの導入で勢力図もレース展開も昨年から大きく変更。その世界最高峰のトップバトル、そして日本期待の角田裕毅の2年目の活躍を元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点でレースを振り返ります。第12戦フランスGPは前戦に続き。フェルスタッペンとルクレールがトップを争う展開となりましたが、ルクレールがまさかのクラッシュ。その要因と予選で速さを見せた角田裕毅について、中野氏が解説します。
F1技術解説:第12戦(1)フェラーリのルクレールはなぜミスを犯したのか
2022年F1第12戦フランスGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、フェラーリとライバルであるレッドブルのアップデートをチェックしつつ、フェラーリのシャルル・ルクレールがトップ走行中になぜミスを犯したのかを分析する。
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シャルル・ルクレールが、またもリタイアを喫した。スペイン、アゼルバイジャンと同様、もし完走できていたら、はたして勝てていただろうか。バルセロナとバクーではエンジンに裏切られたルクレールだったが、今回は自らのミスがリタイアを引き起こした。
レッドブルF1のペレス、新たに設立された世界電動パワーボートシリーズ『E1』にチーム・メキシコを率いて参戦へ
レッドブルF1のセルジオ・ペレスは、フォーミュラE創設者アレハンドロ・アガグによる新たな事業である、E1世界電動パワーボートシリーズのチームオーナーとなり、パワーボートレースの世界に飛び込んだ。
アガグは、フェラーリとマクラーレン・アプライドテクノロジーズでエンジニアを務めていたロディ・バッソと、国際モーターボート連盟(UIM)会長のラファエル・チウリと提携し、2023年から始まるシリーズを創設した。彼らは海洋環境における電気革命を推進することを望んでいる。
ポルシェがレッドブルのF1部門の株式50パーセントを取得へ。反トラスト機関に共同事業計画を提出
ポルシェがレッドブル・レーシングと提携してF1に参戦することを検討していると長く推測されてきたが、より具体的な情報が浮上した。同社がレッドブル社のF1部門の株式50パーセントを取得して2026年からF1に参入する予定であることが、独占禁止法規制当局に対して提出された書類によって明らかになった。
2026年のF1パワーユニット(PU/エンジン)規則変更に伴い、フォルクスワーゲングループのポルシェとアウディはF1に参入する計画を立てている。ポルシェはレッドブルと提携、アウディは既存チームの買収を望んでいると伝えられているが、いずれも正式な発表は行われていない。
レッドブルF1代表、両選手権での大量リードに驚喜「予想もしないこと。今季マシン開発へのシフトは我々が一番遅かった」
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、チームが今年ここまでに収めている好結果は予想をはるかに上回るものであると語った。F1技術レギュレーションが大きく変更される2022年を前に、昨年、レッドブルとメルセデスとのタイトル争いが最終戦まで続いたため、レッドブルは今季型マシンへの開発に完全にシフトするのが遅れた。それにもかかわらず、現在、ドライバーズ選手権、コンストラクターズ選手権を、大差でリードしているのだ。
2022年F1第12戦フランスGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2022年F1第12戦フランスGP決勝レースで優勝〜5位のドライバーが日曜日を振り返った。優勝〜5位のドライバーはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、カルロス・サインツ(フェラーリ)だ。
レッドブル&HRC密着:SC出動前のピットインで不利な状況に陥るも、驚異的なアウトラップで挽回したフェルスタッペン
ストレートスピード重視のレッドブル2台が、ダウンフォース重視でポールポジションからスタートするシャルル・ルクレール(フェラーリ)とどんな戦いを演じるのかが注目された、F1第12戦フランスGP決勝レースは予想外の展開に発展し、想像もしなかった結末となった。
まずスタートで3番手のセルジオ・ペレス(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)にかわされて4番手にポジションを落としてしまう。これで優勝争いはルクレールと2番手からスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の一騎打ちとなる。
リスタートで3位を失ったペレス「VSCシステムのトラブルに妨げられた」と憤り。解除タイミングに混乱/F1第12戦
2022年F1フランスGP決勝で、レッドブルのセルジオ・ペレスは4位を獲得した。
3番グリッドについたペレスは、スタートでルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれて4番手に落ちた。その後、ハミルトンを抜き返すことができず、シャルル・ルクレール(フェラーリ)リタイア後は3番手を走行。レース終盤は、後方から近づいてきたジョージ・ラッセル(メルセデス)との激しい戦いになった。41周目にターン8でラッセルが仕掛けた際に軽い接触が起きたが、その際はペレスが前をキープ。しかし、レース終盤、バーチャル・セーフティカー(VSC)出動後のリスタートでペレスはラッセルに抜かれ、4位フィニッシュという結果になった。
F1第12フランスGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2022年F1第12フランスGPの予選が行われ、ポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。ポールポジション~5番手に入ったドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ランド・ノリス(マクラーレン)だ。
レッドブル&HRC密着:マシンバランスを改善。戦略が重要なポール・リカールで「2対1の有利な状況で戦える」と代表が自信
F1第12戦フランスGPの予選後、エナジーステーションでレッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェと会った。フェラーリがチームメイト同士で行ったスリップストリーム作戦をレッドブルは考えなかったのかと尋ねると、ワシェは「まったく」と首を振って即答した。理由はこうだ。
「我々には2台ともポールポジションを狙えるスピードがあった。スリップストリーム作戦を採れば、どちらかのアタックが台無しになる。我々にはそれはできなかった」