苦しい予選から一転。9位入賞で初ポイントをつかんだJuju「これでやっと一歩前に進めた」/Wシリーズ通信第5戦

 Wシリーズ第5戦の土曜日の朝、Wシリーズの選手と関係者を乗せてホテルを出発するバスのなかに、Jujuの姿はなかった。

 金曜日の予選で原因不明のマシン不調に再び見舞われ、満足なアタックが行えずに終えたハンガロリンクでの予選。コクピットを降りたJujuは、悔し涙を流していた。開幕当初から訴えていた問題がまったくと言っていいほど解決されない状況に対する不満が我慢の限界に達したからだった。

原因不明のマシン不調に苦しむJuju。ステアリングが曲がった状態で予選アタックを敢行/Wシリーズ通信第5戦

 F1第13戦ハンガリーGPの予選後、初めて走ったハンガロリンクについて感想を求めると、Juju(野田樹潤)は「うーん……」と深いため息をついた後、「いや、もう……」と言っていまにも泣き出しそうな表情で天を仰いだ。じつはJujuはこの日、フリー走行から原因不明のマシンの不調に悩まされていた。

「フリー走行から全然、まともに走ることができませんでした。とにかく、真っ直ぐ走らない」

Jujuを悩ませたセッティング変更。クラッシュ続発の決勝で活かせずも、トップドライバーと競り合う/Wシリーズ通信第4戦

 Wシリーズの第4ラウンド、フランス大会。30分間のフリー走行を14番手で終えたJuju(野田樹潤)は、手応えをつかんで午後7時25分から始まる予選へ向けて、コーチとともにマシンの調整を行った。

 しかし、予選が始まり、アタックするためにコースインすると、マシンは自分が描いていたイメージとは違った感触になっていた。

クルマの問題に苦戦も、父のアドバイスで前向きな姿勢のJuju。ポール・リカールでの初レースへ/Wシリーズ通信第4戦

 シルバーストンでの第3ラウンドの後、Wシリーズは第4ラウンドのフランスまでレースはなかった。この間、Juju(野田樹潤)は自宅があるデンマークを離れ、スペインで過ごしていた。

「バレンシアへ行ってテスト走行していました」

野田樹潤、約1カ月半ぶりの実戦を前に別カテゴリーのレースに参戦「いい経験を積めた」/Wシリーズ通信第3戦

 Wシリーズの3戦目が、F1第10戦イギリスGPが開催されるシルバーストンで行われる。前戦スペインでのレースが5月中旬だったから、Juju(野田樹潤)にとって約1カ月半ぶりのWシリーズとなる。しかし、この1カ月半の間にJujuはレースに参加していた。

「6月4、5日にオーストリアのレッドブルリンクで開催されたドレクスラーカップの第4戦に出場していました」