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 アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、2022年シーズンのWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに参戦しているアルピーヌが、来シーズンは2台のLMP2マシンで同シリーズに参戦する方向で調整していることを明らかにした。

 アルピーヌ・エルフ・チームは現在、旧規定のLMP1マシンを用いて、トヨタとグリッケンハウスのハイパーカーとともにWECハイパーカークラスに参戦している。しかし、同クラスは来シーズンからフェラーリのハイパーカーやLMDhカーの登場も予定されており、アルピーヌが“特別に”トップカテゴリーに居続けることは不可能になると考えられている。

 そのため、フランスのブランドは、フィリップ・シノーが率いるシグナッテックチームの運営の下で2016年と2018/19年シーズンにドライバーズタイトル、およびチームタイトルを獲得し、さらにル・マン24時間レースで計3度のクラス優勝を果たしたLMP2への復帰を検討している。

 このLMP2プログラムは、アルピーヌA480・ギブソンと呼ばれているオレカ製ノンハイブリッドLMP1マシンを用いた現行プログラムと、2024年初頭のレースデビューが予定されているアルピーヌLMDh(仮称)とのギャップを埋めることになる。

 ロッシは先週末のル・マンでSportscar365に対し、アルピーヌが来年のWECに2台のLMP2マシンを投入することを検討していると語ったが、詳細についてはまだ明らかにされていない。

 LMP2クラスでは4つのコンストラクターが供給するシャシーから自由にクルマを選ぶことができるが、2017年以降はオレカ07が絶対的な支持を確立している。そのオレカはアルピーヌLMDhの製造パートナーであることを考えれば、ルノー傘下のブランドがオレカを選択するのは自然なことだろう。

 なお、アルピーヌの計画はシグナテックから技術サポートを受けているリシャール・ミル・レーシングチームのプログラムとは別のものだ。

「我々はおそらく、フィリップ・シノーとシグナテックと(これまでと)同じような取り決めを続けていくことになるだろう」とロッシは語った。

「それについて話すのはまだ少し早いが、話し合っているところだ。同じチームで、おそらく2台のクルマで続ける。そうすれば2つめのチームのドライバーとエンジニアが一緒に働き、LMDhが始まる2024年に備えることができるという考えだ」

「そのアイデアは(スポーツカープログラムの)中断を伴わず、我々の範囲を拡げるものだ」

アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソン 2022年WEC第3戦ル・マン24時間
アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソン 2022年WEC第3戦ル・マン24時間

 LMP2への移行は2024年のハイパーカークラスへの復帰を前に、アルピーヌにとって主にふたつのメリットがある。

 ひとつは、アルピーヌが現在のハイパーカーチームを移行期にも活動させることができること。もうひとつは、WECでのマーケティングの勢いを維持することができることだ。

「私たちは中断を望んでいない」とロッシは説明した。

「(一度止めたものを)2024年に再スタートするために再起動し、競争力を得るには1年ではあまりにも難しいだろう。私たちはチームを団結させて彼らの緊張を維持したいと考えている」

「別のファン層や顧客と話ができるという点で、耐久レースに参加するのはいいことだ」

「誰もがF1ファンというわけではないし、それを意識しなければならない。アルピーヌの歴史は、耐久レースやラリーに深く根ざしている」

「だから、私たちにとって、ここにいることはとても意味のあることなんだ。LMP1やLMDhでない場合はLMP2を使う」