もっと詳しく

 6月18日、2022年MotoGP第10戦ドイツGPの予選がザクセンリンクで行われ、MotoGPクラスはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ2にダイレクト進出を果たし、10番手だった。

 フリー走行3回目は、気温28度、路面温度38度のドライコンディションで行われた。初日総合トップだったバニャイアがこのセッションでも序盤からトップに立つ。その後、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)がトップタイムをマークした。

 残り時間が10分ほどになると、まずはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)がトップタイムを記録する。このときアレイシ・エスパルガロが記録したタイム1分20秒013は、初日にバニャイアがマークしたオールタイムラップ・レコードを更新するものだった。アレイシ・エスパルガロはさらにその翌周にもタイムを削って、1分20秒007をマークする。

 しかし、バニャイアとホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)がそのアレイシ・エスパルガロのタイムを上回った。ふたりは1分20秒の壁を破り、バニャイアは1分19秒765を叩き出した。残り時間5分を切って、アレイシ・エスパルガロやジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ヨハン・ザルコ(プリーマ・プラマック・レーシング)などが1分20秒を切るタイムをマークするも、バニャイアのタイムには届かない。

 バニャイアは新オールタイムラップ・レコードでフリー走行3回目をトップで終えた。2番手にはアレイシ・エスパルガロが入ったが、3番手はミラー、4番手はザルコ、5番手はマルティンで、初日のようにドゥカティライダーが続いている。

 クアルタラロは、終盤にヘルメットのシールドの片側が外れてしまい、このハプニングによってタイムアタックできずに終わったものの、6番手。中上は残り時間1分に1コーナーで転倒を喫し、8番手だった。

 フリー走行4回目は開始前に技術的な問題が発生したためディレイとなり、25分遅れで始まった。また、このセッション前にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が前戦カタルーニャGPで負った左手首の怪我を理由に、ドイツGPを欠場することがチームから発表されている。リンスは初日のセッションとフリー走行3回目を走行したが、痛みがひどいことと怪我の悪化を防ぐため、この決断に至ったという。

 このセッションではクアルタラロがトップタイムをマーク。2番手にはバニャイア、3番手にはミルが続いた。ミラーは序盤に13コーナーで転倒を喫したものの、4番手。5番手はフランコ・モルビデリ(チーム・スズキ・エクスター)だった。中上は9番手でセッションを終えている。

■予選:バニャイアが今季3度目のポールポジション

 予選のQ1は気温33度、路面温度50度で始まった。エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)やポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)がこのセッションから予選に臨んだ。

 序盤はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がトップ、2番手にポル・エスパルガロがつける。しかし残り時間3分、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が2番手タイムを記録。ポル・エスパルガロが終盤に自己ベストを更新するもベゼッチのタイムに0.004秒届かず、ディ・ジャンアントニオとベゼッチがQ2進出を決めた。ランキング3番手につけるバスティアニーニは7番手だった。

 フリー走行3回目でトップだったバニャイアは、Q2でも序盤にトップタイムをマークする。そのバニャイアにミラーが2番手、マルティンが3番手というドゥカティライダーが続く形で後半の時間帯に入った。

 バニャイアはタイムを更新してトップをキープすると終盤にピットイン。その間にクアルタラロ、ザルコが自己ベストを更新し、クアルタラロは2番手、ザルコは3番手に浮上する。その後、残り時間2分を切って、バニャイアが再びコースインした。

 バニャイアは最後にタイムを更新することはなかったが、ピットイン前に叩き出した1分19秒931でポールポジションを獲得した。2番手はクアルタラロ、3番手はザルコが獲得。バニャイアからザルコまでのタイム差は0.099秒というわずかなものだった。

 4番手はアレイシ・エスパルガロ、5番手にはQ1を突破したディ・ジャンアントニオ、6番手はミラーだった。中上はホンダ勢として唯一、Q2に進出。残り時間1分で転倒を喫し、10番手だった。