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 リシャール・ミル・レーシングチームは6月23日、ル・マン24時間レース以降のWEC世界耐久選手権の残り3ラウンドに出場しないことを明らかにしたセバスチャン・オジエの後任ドライバーを発表。LMP2クラスを戦う1号車オレカ07・ギブソンのドライバーとして、ポール・ループ・シャタンと契約したことを明らかにした。

 WRC世界ラリー選手権で通算8度のタイトルを獲得したオジエは今週火曜日、自身のTwitterでWEC富士を含むシリーズの2022年後半ラウンドに参加しないことを表明した。シグナテックが運営するチームと契約を交わしたシャタンは、ラリー王者の後任としてモンツァ、富士、バーレーンの3レースに参戦することになる。

 現在、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでIDECスポールのドライバーを務めている彼の最後のWECイベントは昨年のモンツァで、新型コロナウイルスの検査で陽性となったギド・ファン・デル・ガルデの代役としてレーシングチーム・ネーデルランドに加わり、当該レースのLMP2プロ・アマクラスウイナーとなっている。
 
 そんな彼は7月のWECモンツァ以降、シャルル・ミレッシ、リロウ・ワドゥと1号車オレカのステアリングをシェアする予定だ。

 リシャール・ミル・レーシングチームのLMP2プログラムを運営するシグナテックのディレクター、フィリップ・シノーは、「ポール・ループ・シャタンを迎えることができ、大変うれしく思っている」と述べた。

「私たちは、セバスチャン・オジエと素晴らしい関係を築いており、彼との思い出は楽しいものばかりだ。私たちはオジエの決断を尊重したい。彼は事前に私たちに話をしてくれた。そのおかげで我々は、早くから彼の完璧な代役を探すことができた」

「ポール・ループがリシャール・ミルのスーツを身に着けるのは初めてだが、私たちは彼のことをよく知っている」

「彼の才能と適応力によって、我々は2014年にELMSタイトルを見事に防衛し、当時初めての挑戦だったWECキャンペーンの強固な基盤を提供することができたんだ」

「ポール・ループはつねLMP2カテゴリーで速さを発揮しており、我々は彼に何の疑いも抱いていない。シャルルとリロウとの新チームは、シーズン後半に向けて非常に有望だ!」

2019年に2度目のELMSタイトルを獲得したポール・ループ・シャタン
2019年に2度目のELMSタイトルを獲得したポール・ループ・シャタン

 シャタンは2014年にシグナテック、2019年にはIDECスポールでタイトルを獲得し、合計2度ELMS LMP2チャンピオンに輝いている。また、2021年にはエラ・モータースポーツからデイトナ24時間に出場しLMP2クラスを制したほか、2018年のル・マンではLMP2ポールを獲得している。

 30歳のフランス人は、「リシャール・ミル・レーシングチームに参加することになって有頂天だ」と語った。

「それは素晴らしい機会であり、彼らが(オジエの後任として)僕を考えたことを非常に光栄に思っている」

「僕の目標はとてもシンプルだ。まず何よりも、チームとチームメイトに貢献して、可能な限り高いレベルに到達したい。また、僕がよく知っている3つのサーキットでの経験をもとに彼らの助けになりたいと考えている」

「シーズン終了までにシャルル、リロウと一緒に表彰台に上がることができれば最高だし、そのために全力を尽くすつもりだ」

「3年間素晴らしい時間を過ごしたシグナテックチームと、また新しいチャプター(章)を始めることができ、本当にうれしく思っているよ」