マクラーレンF1は、2022年シーズンにこれ以上の大幅なアップデートを行う予定はないと、チーム代表のアンドレアス・ザイドルが第10戦イギリスGPを前に示唆している。
バーレーンでのプレシーズンテストではブレーキトラブルで出遅れ、シーズン開幕後もマシンのダウンフォース不足により苦しい序盤戦を送ったマクラーレン。現在も昨シーズンと同じコンストラクターズランキング4番手を維持してはいるが、5番手のアルピーヌとはわずか6ポイント差と油断はできない状況にある。
しかし、『The Race』によると同チームのアンドレアス・ザイドル代表は、「現時点でメインとなるのは、今あるパッケージからより多くのパフォーマンスを引き出すことだ」と語り、マシンにこれ以上の大規模アップデートを行う予定がないことを示唆した。
他チームの多くと同様に第6戦スペインGPでアップデートを投入しているマクラーレンだが、大規模アップデートはこの1回にとどめ、今後は「シーズン中に、マシンにどのような非常に小さな変化を加えられるかを見極める」ことに注力するという。
その背景にはバジェットキャップ(予算制限)の問題がある。2022年シーズンは1億4000万ドルに設定されているF1チームの予算上限だが、マクラーレンはすでにこの上限を超過する見通しであることを明かしている。世界的なインフレと原油高による参戦コスト増はアップデートに必要な予算を逼迫し、「さらなる開発についてはハンドブレーキをかけなければならない」とザイドルは語る。
一方、マクラーレンのライバルとなるアルピーヌF1は予算上限まで余裕があると伝えられており、イギリスGPにもアップデートを投入するなど積極的な開発を続けている。ザイドルはこれを意識してか、「ポジションを維持するためには、マシンのステップアップを確実に続ける必要がある」として、現状のパッケージでより安定感を引き出すことを目標に掲げた。