2020年シーズンのWRC3チャンピオンであるヤリ・フッツネンが、8月4~7日に開催されるWRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・フィンランド』に、Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1で参戦することが発表された。
母国でラリー1デビューを果たすことになったフッツネン。28歳のフィンランド人ドライバーは昨年11月にMスポーツに加入して以来、WRC2クラスでフォード・フィエスタ・ラリー2を駆り、優勝1回を含む3度の表彰台獲得と合計10回のステージウインを達成している。
そんなフッツネンのコドライバーは、2020年シーズンをともに戦い成功を収めたミッコ・ルッカが務める。同ペアは8月のラリー・フィンランドに先立ち、エストニアでプーマ・ラリー1のテストを実施し、今季デビューしたハイブリッドマシンでの戦いに向けた準備と習熟を行う予定だ。
また、7月14~17日に開催されるWRC第7戦エストニアでは、引き続きWRC2クラスにフィエスタ・ラリー2で参戦。ラリー・フィンランドと同じく高速グラベル(未舗装路)イベントである同ラリーに出場することで、ラリー1デビューの準備を完了させる。
「プーマでホームラリーを走るのはとても楽しみだ。素晴らしい経験になるだろうし、ファンとの交流も楽しみだよ」と語ったフッツネン。
「このような高速ラリーをパワーのあるクルマで走るのは確かにチャレンジングだけど、ラリー2ではすでに良い感触を得ているので、その感触をプーマに持ち込むことができると思っている」
「これまでのイベントでMスポーツと一緒に仕事をしてきて、僕はそれを本当に楽しんでおり居心地もとても良く感じている」
「週末の目標はマシンから学ぶこと、そして安定したペースで良いリズムを保つことだ。トリッキーなイベントだが、僕はそのことをよく理解している。Mスポーツからこのような機会を与えられたことは、とてもうれしいので最大限に活用したい」
Mスポーツ・フォードWRTのリチャード・ミルナーは、新世代のドライバーにチャンスを提供することがもっとも重要であると述べた。
「フォード・プーマ・ラリー1が、ヤリ(・フッツネン)のラリー1へのステップアップの足がかりとなることを大変誇りに思う」と同氏。
「我々は今年、WRCが新しい“ハイブリッド時代”を迎えたなかで、新世代のマシンをプロモートしている。したがって、次の世代のドライバーにもチャンスを提供することがもっとも重要であると考えている。それはMスポーツが誇りとし、長い歴史を持つことだ」
「最近もピエール-ルイ(・ルーベ)に新しい才能の可能性を見た。ヤリもピエール-ルイと同じような道をたどってきた。だから、ヤリの成長には皆が注目していると確信している。チームとしては、目標もプレッシャーも与える考えはなく、ただただツールと機械を与えられたヤリがどんなことをするのかを見てみたいんだ。ヤリ、ミッコ、そしてチームにとって、これは何よりも学びの場となるだろう」
「ヤリにとってはWRCの頂点に立つために何が必要かを学び始め、我々にとってはヤリをトップレベルに押し上げるために何をサポートし、何をすべきかを学ぶことになる」