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 7月30日、2022年FIA F2第10戦ブダペストのスプリントレース(決勝レース1)がハンガリーのハンガロリンクで開催され、アルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)は8位で、今季11回目のポイントを獲得。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は15位でチェッカーとなった。

 第10戦の決勝レース1のグリッドは、29日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したドゥーハンがポールシッターに。そして、フロントロウ2番グリッドにはランキング7位につけるエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)が並んだ。

 セカンドロウ3番グリッドにレッドブル育成のデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が、4番グリッドにメルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)が、そして3列目5番グリッドにユーリ・ビップス(ハイテックGP)が、6番グリッドにウイリアムズ育成のローガン・サージェント(カーリン)が続いた。予選で2番手に0.381秒の大差をつけ最速タイムをマークした岩佐は10番手から、佐藤は15番手からのスタートとなった。

 F1ハンガリーGPの公式予選終了後の現地時間18時。曇り空のもと、気温22度、路面温度31度というドライコンディションで28周の決勝レース1はスタートを迎えた。

 好スタートを決めたフィッティパルディがホールショットを奪うも、ターン2でオーバーラン。ドゥーハンがふたたびトップに返り咲く。そんななか、オープニングラップのターン1でハウガーとサージェントが接触。ハウガーがコースサイドにマシンを止めたことでセーフティカー(SC)が導入される。サージェントはピットまで自走で戻るが、ここでマシンを降りることに。これでドゥーハン、ビップス、フィッティパルディ、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、ベスティのオーダーに。一方、混乱を避けた岩佐は9番手に、佐藤は13番手に浮上する。

2022年FIA F2第10戦ブダペスト 3番手スタートのデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)と6番手スタートのローガン・サージェント(カーリン)がターン1で接触
2022年FIA F2第10戦ブダペスト 3番手スタートのデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)と6番手スタートのローガン・サージェント(カーリン)がターン1で接触
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1 マシンを止めたデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1 マシンを止めたデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)

 レースは4周目に再開を迎えると、ドゥーハンが唯一1分33秒台を記録するハイペースでリード。5周目には2番手ビップスを1.8秒引き離し、独走体制構築に入る。一方ビップスは序盤、3番手フィッティパルディら後続に接近を許す展開に。しかし、抜きにくいハンガロリンクでフィッティパルディはビップスをなかなか攻略することができず。8周目にビップスがファステストを更新し、フィッティパルディをDRS圏外まで引き離したことで、上位勢は均衡状態でレース折り返し地点に近づく。

 トップのドゥーハンは独走とまではいかずも、2番手ビップスとの1秒以上のギャップを守り、ペースをコントロール。タイヤ交換義務のないスプリントレース(決勝レース1)ということもあり、各車タイヤのデグラデーション(性能劣化)状況も鑑み、オーバーテイクを仕掛けるタイミングを探り合うかのような展開でレースは後半に差し掛かった。

 そんななか、佐藤は13周目のターン1でテオ・プルシェール(ARTグランプリ)にかわされ14番手に後退。さらに後続から接近するデビット・ベックマン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)と熾烈なポジション争いを繰り広げる。しかし、15周目のターン2でベックマンが先行し、佐藤は15番手にポジションを下げてしまう。

 17周目のターン1で6番手ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)に対し、7番手マーカス・アームストロング(ハイテックGP)がオーバーテイクを仕掛ける。ここではダルバラがポジションを守るも、8番手リアム・ローソン(カーリン)、9番手岩佐も6番手争いの隊列に加わり、4台が接近戦を展開。

 19周目のターン1でアームストロングがアウト側からダルバラに仕掛けるも、ここで2台のタイヤが接触。その間にローソンが7番手に浮上。岩佐もその隙を狙ったが、8番手にポジションを下げたアームストロングが抑え切り、ここでのポジションアップとはならなかった。なお、アームストロングとの接触によりダルバラに10秒加算のタイムペナルティが課せられることとなった。

 その後もダルバラを先頭とした6番手争いは続いたが、23周目のターン1でローソンがダルバラを攻略し6番手に浮上。その隙をついたアームストロングが7番手に、岩佐が8番手に浮上する。9番手にポジションを下げたダルバラは24周目にピットに入り、タイムペナルティを消化し、18番手でコース復帰を果たした。ポイント圏内に浮上した岩佐は、ファイナルラップもアームストロングを追い立てるが、オーバーテイクには至らず。

 スタートこそフィッティパルディに先行を許すも、首位に返り咲いてからは終始安定したペースで周回を重ねたドゥーハンが、5.275秒差を築いてトップチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。2位にビップス、3位にフィッティパルディが続いた。岩佐は8位で今季11回目のポイント獲得。佐藤は暴れるマシンを押さえつけ、15位でチェッカーとなった。

 続く、FIA F2第10戦ブダペストのフィーチャーレース(決勝レース2)は31日の日本時間18時35分から行われ、岩佐はポールポジションから、佐藤は15番手からスタートを迎える。

2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1表彰台。左からユーリ・ビップス(ハイテックGP)、ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)、エンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1表彰台。左からユーリ・ビップス(ハイテックGP)、ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)、エンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト 岩佐歩夢(ダムス)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト 岩佐歩夢(ダムス)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)

■FIA F2第10戦ブダペスト スプリントレース(決勝レース1)正式結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 28Laps
2 8 J.ビップス ハイテックGP 5.275
3 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 6.325
4 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 7.792
5 9 F.ベスティ ARTグランプリ 9.266
6 5 L.ローソン カーリン 13.550
7 7 M.アームストロング ハイテックGP 20.185
8 17 岩佐歩夢 ダムス 20.723
9 10 T.プルシェール ARTグランプリ 21.715
10 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 29.794
11 21 C.ウィリアムズ トライデント 31.056
12 24 D.ベックマン ファン・アメルスフォールト・レーシング 31.839
13 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング 32.290
14 15 R.メリ カンポス・レーシング 48.884
15 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 51.818
16 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 57.022
17 20 R.フェルシュフォー トライデント 67.163
18 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 77.268
19 16 R.ニッサニー ダムス 1Lap
20 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 1Lap
6 L.サージェント カーリン DNF
1 D.ハウガー プレマ・レーシング DNF