8月1日、2022年のスーパーGT GT300クラスにBUSOU Drago CORSEとして参戦していたDrago CORSE(有限会社ドラゴ)はプレスリリースを発行した。今季スーパーGTで契約していた、BUSOU(株式会社クレアーレ)との契約を解除し、BUSOU Drago CORSEとしての活動を中止し、これにともない8月6〜7日の第4戦富士の参戦も中止すると発表した。今後はDrago CORSEとして参戦再開を目指す。
道上龍代表率いるDrago CORSEは、2021年までホンダNSX GT3でスーパーGT GT300クラスを戦っていたが、2022年からはBUSOUブランドのエアロパーツを手がけるクレアーレとコラボレーションするかたちで、ニッサンGT-RニスモGT3にスイッチ。『BUSOU Drago CORSE』として柳田真孝/井出有治のコンビで参戦していた。
チームは第1戦こそポイント獲得はならなかったが、第2戦富士では2位表彰台を獲得。第3戦でも追い上げて6位入賞を果たし、ベテランふたりのスキルを存分に発揮。第3戦終了時点でランキング6位につけていた。
そんなBUSOU Drago CORSEだが、すでに発表されている第4戦富士のエントリーリストに記載がなかった。この件について、Drago CORSEは8月1日付けでプレスリリースを発行した。内容は下記のとおりだ。
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2022年スーパーGT第4戦富士大会 参戦中止について
Drago CORSE(有限会社ドラゴ)は、2022年スーパーGTに『BUSOU Drago CORSE』として参戦しておりましたが、この度、BUSOU(株式会社クレアーレ)との契約を解除することとなりましたので、「BUSOU Drago CORSE」としての活動を中止致します。これに伴い、8月6日(土)、7日(日)に開催されるスーパーGT第4戦富士大会への参戦を中止することとなりました。第5戦以降の参戦については未定ですが、引き続き参戦再開を目指します。
Drago CORSEをご支援いただいております関係各社様と、応援して下さるファンの皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしますこと、深くお詫び申し上げます。Drago CORSEは、これからも様々な活動を通じてモータースポーツの発展に力を尽くしてまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
2022年8月1日
有限会社ドラゴ
Drago CORSE
チーム代表 道上 龍
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■契約解除の理由とは。複数関係者からの声は
以上がDrago CORSEから発表された内容だが、なぜ突然の契約解除に至ったかについての理由は記載されていない。
ただパドックに流れていた噂、また複数の関係者の話を聞くと、BUSOU側からの参戦費用の未払いというものが実際のところのようだ。
今季の参戦にあたっては、Drago CORSEとBUSOUの“契約”という文言が使用されているが、取材によればBUSOUがニッサンGT-RニスモGT3と参戦費用を負担し、Drago CORSEがチーム運営とメンテナンスを担うかたちがとられていた。当然他チームでもよく見られるパターンだ。
BUSOUは2022年1月の東京オートサロンでスーパーGT参戦を公表したが、その時点ではDrago CORSEとの参戦に向けた動きはスタートしていた。ただ、公式テストやレースが始まってもBUSOU側から支払いがたびたび遅れていたという。
第4戦前には状況はさらに悪化し、最終的にタイムリミットとされた日時までに問題が解決することはなく、Drago CORSE側、ドライバーらも含めシーズン残り5戦の費用捻出を目指したが、至らなかったというのが実際のところのようだ。
Drago CORSEとしても慈善事業でレースを戦うわけにもいかない。走らせれば走らせるだけ赤字が増えてしまう。代わりとなるスポンサーなどを得て、シーズン残りの参戦費用が捻出可能になったとき、Drago CORSEとして復帰できることになるだろう。シーズン途中での非常に残念な展開となってしまったが、Drago CORSEがGT300に復帰できる日を願わずにはいられない。