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 7月3日、2022年FIA F2第7戦のフィーチャーレース(決勝レース2)がイギリスのシルバーストン・サーキットで開催され、ウイリアムズ育成のローガン・サージェント(カーリン)がポール・トゥ・ウインを果たし、FIA F2初優勝を飾った。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)はピットでのタイムロスの影響もあり12位、佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は15位でチェッカーを受けている。

 第7戦の決勝レース2のグリッドは現地時間1日に行われた予選タイム順で決定され、予選で最速タイムをマークしたサージェントポールシッターとなった。

 フロントロウ2番グリッドにメルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)が並び、セカンドロウ3番グリッドにランキング首位を守るフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、4番グリッドにザウバー育成のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)、3列目の5番グリッドにはリアム・ローソン(カーリン)が続いた。日本勢の岩佐は6番グリッドから、佐藤は19番グリッドからそれぞれスタートを迎えることとなった。

 現地時間10時5分(日本時間18時5分)、気温15度、路面温度32度と、昨日から天候も好転し、日差しも降り注ぐ快晴のドライコンディションのなか、29周の決勝レース2のフォーメーションラップは開始された。

 サージェントがホールショットを守る一方、プルシェール、ローソン、岩佐が好スタートを決め、プルシェールが2番手に、ローソンが3番手に、そして岩佐が4番手に浮上。一方、ドルゴヴィッチは5番手に、フロントロウスタートのベスティは6番手にポジションを下げる展開に。

 そんななか、オープニングラップのターン15でデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)とロイ・ニッサニー(ダムス)が接触。ダメージを受け、コントロールを失ったハウガーのマシンは勢いをそのままに芝生を滑り、ターン16の縁石で跳ね上がると、ターンイン中のニッサニーのマシンに乗り上げるかたちでクラッシュ。このアクシデントで2周目よりセーフティカー(SC)が導入された。

 ターン16での接触は、ニッサニーのヘルメットとハウガーのマシンのフロアがかすめるアクシデントとなり、一時サーキットは騒然となった。しかし、ヘイローが功を奏し、ふたりとも自力でマシンを降りている。

 レースは6周目に再開を迎えると、サージェントがファステストラップを更新しつつ、リード構築にかかる。一方、2番手のプルシェールの背後にはローソンと岩佐が接近。しかし、その動きに呼応したプルシェールは自己ベストを更新し、後続とのキャップを広げにかかる。

 8周目にDRS使用可能となるも、上位6台は前後1秒以上のギャップがあり、序盤は各車均衡状態に。そんななか、9周終了時点で6番手につけていたベスティを筆頭にソフトタイヤスタートの6台がピットイン、ハードタイヤに履き替えてコースに復帰する。

 続く10周終了時点で3番手のローソン、4番手の岩佐がピットイン。しかし、岩佐は右リヤタイヤの交換に手間取り、大きくタイムロス。これで順位を大きく下げることとなった。11周終了のところで首位のサージェントと2番手のプルシェールが、そして暫定3番手につけていたドルゴヴィッチが12周終わりにピットイン。

 ソフトタイヤスタートの車両が続々とピット義務消化するなか、ハードタイヤスタートのユーリ・ビップス(ハイテックGP)がラップリーダーとなり、レースは後半戦に突入。2番手にユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)、3番手にジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)というオーダーとなったが、義務消化済のトップのサージェントがファステストを更新。義務消化組2番手のプルシェール、義務消化組3番手のローソン、そして義務消化組4番手のベスティとのギャップを広げにかかる。

 決勝レース1でエンジントラブルによりリタイアとなった佐藤はハードタイヤスタートを選択。18周目には同じくハードタイヤスタートのカラン・ウィリアムズ(トライデント)と見た目上の5番手争いを展開。DRSを使い背後に接近するウィリアムズを抑え続け、長時間にわたり見応えのあるバトルを繰り広げる。

 レース終盤を迎えた22周目にビップスがピットイン。コース復帰を果たすとアームストロングの後方と、序盤からポジションは変わらず。翌23周目にダルバラ、佐藤、ウイリアムズが、そして25周目にドゥーハン、ジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がピット義務を消化。

 全車がタイヤ交換を済ませた26周目、サージェントがラップリーダーに返り咲き、2番手にプルシェール、3番手にローソン、4番手にベスティ、5番手にドルゴヴィッチというオーダーに。なお、この時点で岩佐は11番手、佐藤は15番手で終盤のスパートを迎えた。

 そんななか、ピットでのミスでポジションを下げていたドゥーハンが、フレッシュなソフトタイヤのポテンシャルを発揮し、周囲から2秒以上速いペースで猛追。27周目に岩佐、クレモン・ノバラック(MPモータースポーツ)、エンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)と続々とかわし9番手に浮上。また、岩佐は29周目にヒューズにもかわされ、13番手にポジションを下げてしまう。

 29周目、サージェントがトップをキープしたままチェッカーを受け、FIA F2初優勝を飾った。1.6秒差の2位にプルシェール、3位にローソンが続いた。岩佐はファイナルラップでノバラックをかわし12位、佐藤は15位でチェッカーを受けている。

 次戦となる第8戦シュピールベルクは、7月8〜10日にオーストリアのレッドブル・リンクで開催される。

■FIA F2第7戦シルバーストン フィーチャーレース(決勝レース2)暫定結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 6 L.サージェント カーリン 29Laps
2 10 T.プルシェール ARTグランプリ 1.681
3 5 L.ローソン カーリン 8.994
4 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 11.312
5 9 F.ベスティ ARTグランプリ 11.961
6 8 J.ビップス ハイテックGP 12.276
7 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 13.899
8 7 M.アームストロング ハイテックGP 17.320
9 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 21.033
10 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 28.297
11 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 29.117
12 17 岩佐歩夢 ダムス 30.586
13 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 34.161
14 20 R.フェルシュフォー トライデント 35.004
15 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 35.426
16 21 C.ウィリアムズ トライデント 36.391
17 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 51.166
18 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 61.078
19 25 D.ベックマン ファン・アメルスフォールト・レーシング 63.207
16 R.ニッサニー ダムス DNF
1 D.ハウガー プレマ・レーシング DNF