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猫も杓子もSUVに物申す! 希少ジャンルの特選車に刮目せよ!!

 セダンの雄、クラウンがついにSUVに変貌を遂げるなど、各メーカーがこぞってSUVを発売。その様は雨後の筍の如し。その陰で、数々の一世を風靡したカテゴリーが絶滅の危機に瀕している。しかし、それらのカテゴリーのなかには絶滅してしまうには惜しすぎる名車が数多く存在する。失ってからその偉大さに気づく……では遅い! ということで今回は、そのなかでも特に見逃してほしくない珠玉の推しカーをピックアップ。

文/藤原鉄二、写真/ダイハツ、トヨタ、マツダ

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操る楽しさを味わえるライトウェイトFRスポーツ「マツダ ロードスター」

猫も杓子もSUVに物申す! 希少ジャンルの特選車に刮目せよ!!
132ps/7000rpm、最大トルクは15.5kgm/4500rpmというスペックではあるが、初代のように御しやすいパワーだからこそ、幅広いドライバーが操る楽しさを体感できるのだ

 スポーツカーが若者に人気という嬉しいニュースが先日飛び込んできた!! そう、今、マツダ ロードスターの売り上げが好調とだとか。これはスポーツカーというカテゴリーに一筋の光を投げかけてくれるようなニュースと言える。

 ロードスターのなかでも推しは、最軽量グレードの「S」。990kgと、肥満傾向にあるイマドキのクルマのなかで断トツのスリムさを維持。なんと、伝説の初代ロードスターと同等の軽さなのだ。電動格納式のハードトップのRFでも、車両重量は1100~1130kgと、驚きの軽さを誇る。排気量やボディサイズが異なるため単純比較はできないが、同じFRスポーツのGR86が1260~1290kgということを考えると、立派な小兵ぶりだ。

 直噴1.5リッター4気筒ガソリンエンジン、SKYACTIV-G 1.5をフロントミッドに搭載し、前後の重量配分は50:50、さらに低重心と、「ザ・スポーツカー」といったレイアウトを採用することで、安定した直進性、切れ味の良いコーナリングを実現。

 また、ブレーキをかけることで車体を引き下げる「アンチリフト力」が発生させてロールを軽減しながら車体を引き下げて旋回姿勢を安定させる「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」を採用するなど、初代に勝るとも劣らない、踏んで楽しい、曲がって楽しい、まさしく人馬一体のクルマに仕上げられている。

いよいよ消滅」と言われ続けること数年!! 5ナンバーサイズのステーションワゴン「トヨタ カローラ フィールダー」

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2021年9月には、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」のプリクラッシュセーフティを歩行者(昼)検知機能付衝突回避支援タイプを全車に標準装備。数年に渡り、こまめな改良が実施されている。写真はカローラ フィールダー HYBRID EX

 カローラ フィールダーは、セダンのアクシオとともに10年にも渡りフルモデルチェンジが行われていない、地味で、ある意味、放置されているモデルだ。2019年にカローラツーリングが発売された時、「いよいよ消滅か……」と思われたものの、いまだ堅調に売れ続けている安定の長寿モデルだ。もちろん、モデルチェンジサイクルが長いというのはオーナーにとってはメリットしかない。

 ただし、完全放置ではなく、ハイブリッドモデルが追加されたり、エンジン改良や安全装備のグレードアップされたりと、着実に進化を遂げている。

 カローラツーリングの最大の推しポイントは、5ナンバーである点。また、最小回転半径も今や5m台が一般的ななか、4.9mと、取り回しの良さも抜群だ。

 もうひとつ、価格の安さも押しポイント。170万9400円~229万2400円という価格帯はかなりのお買い得。特に、ハイブリッドのステーションワゴンが欲しい、でも、予算が……という人には超お薦めだ。

 今では数少なくなってしまったステーションワゴンのなかでもカローラ フィールダーは、ユーザーの欲求の多くを満たしてくれる超優等生。姿を消してしまうにはもったいなさすぎる一台だ。

WRCのチャンピオンマシン直系のテンロクスポーツ「トヨタ GRヤリス」

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強烈な加速力と気持ち良く吹け上がるエンジンと、卓越した走行安定性が魅力の高出力モデル、RZは現存するテンロクスポーツの最高峰的存在。396万円、写真のRZ“High-performanceは456万円

 1.6リッターエンジンを搭載したコンパクトスポーツ、いわゆる”テンロクスポーツ”。90年代には隆盛を極めたものの、その後は急速に失速。最後の砦とも思われたスイフトスポーツも2019年に1.6リッターNAエンジンから1.4リッターターボエンジンへとシフトし、もはや絶命の危機に瀕している。そんなテンロクスポーツのカテゴリーに光明が!! それがGRヤリスだ。

 トヨタが世界ラリー選手権で培ったノウハウを傾注したスポーツカーで、トップグレードの「RZ」に搭載されるエンジンは、大型の空冷インタークーラーを装備した1.6リッター直列3気筒ターボで、最高出力272ps、最大トルクは370Nmを発揮。これは3リッター自然吸気エンジン並のパワーを誇る。トランスミッションは6速MTのみの設定で、駆動システムは4WD。

 FFの1.5リッターNAエンジンを搭載した廉価版も用意されているが、ここはあえて「RZ」推し!! チャンピオンマシンの血統を受け継ぐ、スパルタンなテンロクスポーツの走りを堪能してほしい!

 2022年後半に発売される新型「GRカローラ」は、GRヤリスにも搭載される1.6リッター直列3気筒インタークーラーターボを搭載。最高出力304psというモンスターだ!! 

孤軍奮闘! 現存する唯一の軽オープンスポーツ 「ダイハツ コペン」

猫も杓子もSUVに物申す! 希少ジャンルの特選車に刮目せよ!!
6月20日に先行受注を開始したコペン20周年記念特別仕様車「コペン20thアニバーサリーエディション」はあっという間に完売! 

 またかと言われてもこれはハズせない、刮目してほしいのがコペン。「またコペン」と思っている人は多いのではないだろうか? とはいえ、このクルマはやはりハズせない!

 めでたく2022年に初代誕生から20周年を迎えたコペンは、オープンカーとライトウェイトスポーツが絶滅寸前のなか、孤軍奮闘してくれている功労者(車)と言っても過言ではないからだ。

 2014年に誕生した2代目は、電動式開閉ルーフは初代から継承また、外装パーツの交換によるカスタマイズが可能とする、内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」の採用により、一台で何度も美味しいクルマとなっている。高剛性を実現した、新骨格構造「D-Frame」も見逃せないテクノロジーだ。

 スタイリングのバリエーションの豊富さも大きな魅力で、「Robe(ローブ)」、「XPLAY(エクスプレイ)」に加え、2015年には「Cero(セロ)」、2019年には第4のモデルとして「GR SPORT(ジーアール スポーツ)」が発売されている。

 カローラフィールダー同様、長いモデルチェンジサイクルもコペンのもうひとつの魅力。初代も約10年に渡りモデルチェンジが行われなかったことから、あと少しはこの2代目で突っ走りそうな勢いだ。

 9月に限定1000台で発売予定の20周年特別仕様車の先行受注がわずか5日間で終了。コペン人気の高さがうかがえるニュースだ。ホンダ S660は2021年も生産終了し、軽オープンスポーツが風前の灯火となっている今だからこそ手に入れておきたい超名車!

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