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 2023年にWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスと、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにデビューを予定しているキャデラックの新型LMDh車両が、シェイクダウンを完了。実車の走行写真が、初めて公開された。

 ダラーラシャシーをベースとする新型プロトタイプは、チップ・ガナッシ・レーシングのドライバー、アール・バンバーがステアリングを握り、最初の周回を重ねた。確認は取れていないものの、2016年にキャデラックDPi-V.Rがシェイクダウンしたのと同じロードコースである、アメリカ・インディアナポリス郊外のパトナムパークで、7月7日木曜に行われたものとみられる。

 来季に正式デビューが予定されるLMDh規定の車両としては、すでにヨーロッパ各地で大規模なテストプログラムを行なっているポルシェ963に続き、キャデラック実車の走行を行なった2番目のメーカーとなった。

 5.5リッターV8エンジンを搭載、『キャデラック・プロジェクトGTPハイパーカー』という仮称が与えられた車両は、6月に公開されたデザインプレビューの画像からは、いくつかの部分で異なっている。7月7日にキャデラックが公開した実車の写真では、より伝統的なノーズとリヤウイング、そして当初の画像にはなかったミラーも装着されているのが確認できる。ヘッドライトは装着されていないようだ。

 GMスポーツカー・レーシング・プログラムマネージャーのローラ・ウォントロプ・クラウザーは、「この最初のラップは、来年に向けたアグレッシブなテストスケジュールのスタートとなる」と述べている。

「我々のチームは、キャデラック・レーシングの豊かな伝統であるサーキットでの勝利を継続させることに専念している」

 今回のシェイクダウンに関するさらなる詳細は発表されていないが、ドライブを担当したバンバーはマシンに感銘を受けたと述べている。

「キャデラック、チップ・ガナッシ・レーシング、ダラーラの3社による完璧なグループ作業のおかげで、今日は記念碑的なイベントとなった」とバンバー。

「初めてマシンに乗り込み、未来がどのようなものになるのか感じ取ることができ、爽快な気分だった。2023年のレースカーには、多くの労力が費やされている。来シーズン、どんな活躍を見せてくれるか待ち遠しいね」

 ポルシェとキャデラックの両車は、来週フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにて、初めてテストを行う予定だ。その後、10月3~5日にミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタ、12月6~7日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでのIMSA公認テストに向けて、さらなるグループテストが計画されている。

 2023年のウェザーテック・チャンピオンシップに登場予定である残りの2台のLMDhモデルも、7月中に初めて走行を行う予定だ。アキュラのARX-06は今後10日以内に、そしてBMW MハイブリッドV8は7月末にシェイクダウンされることが分かっている。