7月9日、イタリアのモンツァ・サーキットで開催されているWEC世界耐久選手権第4戦『モンツァ6時間レース』は予選日を迎えた。予選前最後の走行機会となるフリープラクティス3のセッションでは、グリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH(オリビエ・プラ/ロマン・デュマ/ピポ・デラーニ)がトップタイムをマーク。2台のプジョー9X8が続く結果となった。
■依然僅差のハイパーカー。6台が0秒831以内に
現地時間13時30分、予選前最後のプラクティスとなる60分間のセッションがスタート。気温は28度と午前中に行われたFP2よりもわずかに高い程度だが、路面温度は54度にまで上昇している。
このセッションでもトヨタGAZOO Racingは7号車GR010ハイブリッドが小林可夢偉、8号車がブレンドン・ハートレーでセッションをスタート。可夢偉が1周目のアタックで1分38秒042を記録すると、直後にハートレーが1分37秒611を刻んで総合トップに立つ。ハートレーは翌周、1分37秒301へとさらにタイムを縮めた。
しかしこれを上回ったのはプジョー・トタルエナジーズ94号車プジョー9X8を駆るグスタボ・メネゼスで、1分37秒085をマーク。さらにその直後、僚友93号車のミケル・イェンセンが1分37秒020とわずかながらタイムを更新し、プジョーの2台がタイミングモニターの最上段を占拠する形となった。7号車可夢偉も自己ベストタイムを縮めるが、ハートレーを上回ることはできず4番手に。
開始10分が経過したところで、ハイパーカークラスの序盤のタイムアタック合戦は落ち着きを見せ、各車はロングランに入っていった。
セッションがちょうど折り返しを迎えた30分経過時点、それまでLMP2クラスに埋もれていた708号車グリッケンハウス007 LMHが、ロマン・デュマのドライブにより総合3番手へと浮上する。
さらにデュマは翌周にもタイムを縮め、1分36秒台へと突入。1分36秒813でトップタイムを奪った。
セッション終盤、残り10分というタイミングでトヨタは8号車にハートレー、 7号車には可夢偉を乗せるも、ここでのタイム更新はなかった。
結局、このセッションはイエローや赤旗などはなくクリーンに終了。グリッケンハウスがトップタイムを奪い、プジョー2台、トヨタ2台、アルピーヌと続く上位陣のオーダーとなった。トップからアルピーヌまでのタイム差は、0秒831となっている。
LMP2ではJOTAの28号車オレカ07・ギブソンがクラストップタイム。WRTの31号車、リアルチーム・バイ・WRTの41号車が続いている。
LMGTEプロクラスでは、コルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.Rが最速。ポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR-19が続き、3番手にはAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evoと、3メーカーの車両がトップ3を分け合う結果となった。
LMGTEアマクラスでは、ニック・キャシディがベストタイムを刻んだAFコルセ54号車フェラーリがトップに。デンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ、アイアン・リンクス60号車フェラーリというトップ3になった。
星野敏と藤井誠暢も乗り込むDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRは、クラス5番手という好位置につけている。
このあと、現地時間17時30分(日本時間24時30分)より、決勝スターティンググリッドを決する予選のセッションが行われる。