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 現地時間7月9日、2022年FIA F2の第8戦シュピールベルクのスプリントレース(決勝レース1)がオーストリアのレッドブルリンクで開催され、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。2位をザウバー育成のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が、3位をジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)がそれぞれ獲得している。

 レース後の会見でアームストロングは開口一番に「ホッとしている」と語り始めた。

「オーストリアでのポールスタートは簡単なことではないんだ。とくにFIA F2では、何が起きるかわからないし、DRSも強力だからね。このレースで勝つにはレースペースでアドバンテージが必要だから、序盤は(後続をDRS圏外に押し出すべく)ハードにプッシュしたんだ。そのあとは、かなりスムーズだったと思う。ペースの差が小さかったことも幸いして、トップのまま走れたんだ」

「(スムーズとは言いつつも)トラックリミットがあり警告を受け続ければ5秒のペナルティになる可能性もあったなか、僕は2回警告を受けたんだ。エンジニアはピットウォールでかなりストレスを感じていたみたい。だから僕はホワイトラインの外側に出ないよう、クルージングに徹したね。ペースとしてはスムーズではあったけれど、ホワイトラインの内側をキープすることだけはマストだったと思う」

「(リラックスできる場面はあったのかという質問に)テオに少し差を縮められたので、最後にもう一度プッシュする必要があると思った。なのでポジションをキープしようと思ったし、結果的に(マージンを残せて)とてもよかった。このようなアドバンテージは滅多にないからね」

「明日も面白いレースになると思う。少し雨が降りそうだから、楽しくてカオスでとんでもないレースになりそうだ。僕はそれが大好きだけどね」

2022年FIA F2第8戦シュピールベルク マーカス・アームストロング(ハイテックGP)
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク マーカス・アームストロング(ハイテックGP)
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク マーカス・アームストロング(ハイテックGP)
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク マーカス・アームストロング(ハイテックGP)

 終盤はドゥーハンに攻められ辛くも2位を死守したプルシェールはそのことについて「簡単ではなかった」と胸中を明かした。

「オーバーステア気味で、ブレーキバイアスをかけてかなり前に出たんだ。そのせいで最後はフロントがロックしてしまったよ。ターン3でフロントが大きく浮いたけど。これは小さなミスだった。順位はキープできたけれど、最後の数周はジャックにプレッシャーをかけられてしまった。でも最終的にはすべてがうまく行って、明日に向けて何をすべきかがわかった」

 もしもドゥーハンを防御する必要がなかったらアームストロングに追いつけたかについて聞かれると、トラックリミット違反の恐怖感がそれを難しくさせたという。

「ラップタイムはとても近かったけれど、ターン6からターン10までのダーティエアで彼についていくのは難しいんだ。彼は本当にいいペースだっだけれど、最後はペースが落ちた。それはラスト数周だったからその理由は想像がつくよ。加えてトラックリミットがあるなかで4度の警告があったことも怖かった」

「昨日は1度しか警告を受けておらず攻めが足りないと思ったので、今日はもう少し限界に挑戦しようと思った。プッシュしなければならないし、マシンは滑るしタイヤのでグラデーションもあるので簡単ではないんだ。でもいいチャレンジだったと思う」

2022年FIA F2第8戦シュピールベルク テオ・プルシェール(ARTグランプリ)
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク テオ・プルシェール(ARTグランプリ)

 3位を獲得したドゥーハンは「自分たちにとっていいレースができた」と誇らしげに語った。

「表彰台に上がれてうれしいね。マシンはかなりいい状態にあったと思う。もし異なる状況ならターン3かターン4で(プルシェールを)狙えたかもしれないけれど、僕はチャンピオンシップに一貫性を持たせる必要があるので、これはいい結果だっと思う。もちろん大きなポイントではないので明日に照準を合わせていくよ。僕たちは本当に強力なパッケージを持っていると思うからね」

「(DRSの効果については)それほどでもないと思う。ファステストラップまであと100分の2秒くらいだったから、もっとプッシュすべきだった。そのあとテオがターン3でミスを起こしてDRS圏内に入った。そのあとはペースに余裕がない限りは無理しないようにして、きれいにオーバーテイクできるよう考えたんだ」

「完全にプッシュしたわけではなくDRS圏内にとどまっていたから、理想的な状態ではなかった。もう少しアグレッシブに走れば何か起きたかもしれないけれど、あのギャップだとプッシュしてオーバーテイクするか、何もしないかのどちらかだったと思う」

2022年FIA F2第8戦シュピールベルク ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク レース1スタート
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク レース1スタート