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 7月9日、イタリア・ミラノ郊外のモンツァ・サーキットにおいてWEC世界耐久選手権第4戦モンツァ6時間レースの予選が行われ、ロマン・デュマがアタッカーを務めたグリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH(デュマ/オリビエ・プラ/ピポ・デラーニ組)がポールポジションを獲得した。8号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)がフロントロウの2番手、36号車アルピーヌA480・ギブソン(アルピーヌ・エルフ・チーム)が3番手に続くトップ3オーダーとなっている。

 午前中から実施された2度のプラクィスを経て迎えた予選は現地17時30分、気温29.9℃/路面温度50.5℃、ドライコンディションのなかでスタートした。

 2台のプジョー9X8が加わり計6台での戦いとなったハイパーカークラスでは、セッション開始早々にデュマがドライブする708号車グリッケンハウスが1分35秒855を記録して暫定トップにつける。直後ニコラ・ラピエール駆る36号車アルピーヌが1分36秒台のタイムで2番手に。さらに7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)に乗り込んだ小林可夢偉が1分36秒515で2番手に割り込んだが、このタイムは抹消となる。
 
 一方、デュマは自己ベストを更新し1分35秒416までタイムを縮める。ラピエールも0.5秒近くタイムを削ったが、前戦ル・マンでポールを奪ったブレンドン・ハートレーの8号車が1分36秒335で2番手に食い込んだ。僚友7号車はふたたびのアタックで4番手に浮上、グスタボ・メネゼスのアタックで1分37秒253を記録した94号車プジョー9X8を5番手に追いやっている。

 予選開始から8分25秒後、プジョーのもう一台である94号車がコース上にストップしたため赤旗が提示される。この後セッションが再開されることはなくグリッケンハウスの今季2度目となるポールポジションが確定した。

 LMP2クラスはフィリペ・アルバカーキがドライブした22号車オレカ07・ギブソンが1分38秒403というタイムでクラスポールを奪い、これに44号車オレカ07(ARCブラティスラバ)、41号車オレカ07(リアルチーム・バイ・WRT)が続き、クラス4番手となった83号車オレカ07(AFコルセ)までが1分38秒台に入っている。

 LMGTEプロクラスは、アレッサンドロ・ピエール・グイディ駆る51号車フェラーリ488 GTEエボが“跳ね馬”の母国ラウンドでポールを獲得。セッション前半にクラストップに立った51号車は一時、ニック・タンディの64号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)と姉妹車52号車フェラーリに逆転を許したが、コルベットのタイムが抹消された後、終盤のアタックで記録した1分45秒270で僚機を再逆転した。

 そのままAFコルセのワン・ツーに終わるかと思われたが、セッション最終盤にコルベットが最後のアタックを敢行。52号車を1000分の4秒上回る1分45秒324を記録してみせ、フェラーリ勢の間に割り込んでいる。

 LMGTEアマは、ベン・キーティングが乗り込んだ33号車アストンマーティン・バンテージAMR(TFスポーツ)がクラストップに立った状態でチェッカーが振られた。しかし、その段階で最後のアタックを行なっていた60号車フェラーリ488 GTEエボ(アイアン・デイムス)のボビー・サラが“メガラップ”と言うべき走りで1分47秒431をマーク。見事、逆転でクラス最前列グリッドを手にした。
 
 敗れたTFスポーツは2番手に。クラス3番手には77号車ポルシェ911 RSR-19(デンプシー・プロトン・レーシング)が入り、3メーカーの3車種が上位に並ぶかたちとなった。藤井誠暢、チャーリー・ファグとチームを組む星野敏が予選を担当した777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)はクラス10番手グリッドから決勝レースに臨む。

 その決勝6時間レースは現地10日・日曜12時(日本時間19時)にスタートが切られる予定だ。