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クラシックカー15選シリーズその4: これが我々の選んだ史上最も美しいクラシックカー15選だ!本当に優れたクルマ選びは、センスが問われるものだ。ここでは、本当に美しいクラシックカーの数々を紹介する。中には庶民にも手が届く価格帯のものもある。以下にその15台をレポート!

もちろん、美しさは見る人の目の中にあるものだ。しかし、それでも、ほとんどの人は、ある種の美の理想に同意することができる。だからこそ、この「最も美しいヒストリックカー15選」に含まれる夢のクラシックカーの中には、誰も驚かないようなものもあるし、心底驚くモデルも含まれている。

ランチア ガンマは1977年からクーペとして生産され、最高出力140馬力の4気筒ボクサーエンジンを搭載していた。

「メルセデス・ベンツ540Kスペシャルロードスター」や「フェラーリ365GTB/4」といった、ある意味クラシックなクルマたちを、知らない人は調べて、見て、覚えて・・・。つまり、自動車倫理の授業である。楽しいですよー。

必修部分のほかに、自由記述部分もある

それは、「美しいクルマ」と言われてもピンとこないような、さりげないエレガンスや心地よい愛らしさ、うっとりするような心地よさを持つクルマたちのことだ。クラシックな美しさだけでなく、このようなタイプにこそ我々は魅力を感じるのだ。トップデザインが一目でわかるクルマなのではないだろうか。

史上最も美しいクラシック15選

ビターCD
デリシャスビター: クラシックなグランツーリスモの原型。「ビターCD」の長いボンネットはパワーを、実証的な車幅の広さを示している。特に、ブラックフレームのラジエーターグリルに組み込まれた追加ヘッドライトを持つフロントが成功している。ライトエッジをホイールアーチで遮っただけのサイドビューも説得力がある。こうしてみると、史上最も美しいクラシックのトップリストは、実にバラエティに富んでいることがわかる。
大林晃平: まだまだ世界は驚きに満ちている。カッコいいけど、こんなクルマあったなんて初めて知りました。スタイルそのものは「マセラティ カムシン」みたいでなかなかスリークでよろしい。ちなみにベースとなったのはシボレーで、エリック ビターさんというドイツ人の方が作ったのだという。このCDも400台(個人的にはすんごく多いと思う)つくられたとか。確かに格好いいけど、史上最も美しいかどうかは・・・、どうでしょう??
プジョー205
また、2番目の小さなプジョーもかなりヒットした、ビジュアル的にも。特に「プジョー205」の魅力的なデザインは、直線的なフロントと、先端のラジエーターグリルを拾った小さな四角いリアライトの間にクロススラットのような外観を持つリアである。残念ながら「GTI」にしかない、スマートなアルミホイール。
大林晃平: プジョーが変貌を遂げたのは、この車から。特に「GTI」は一種のアイコンとなったが、後期の1.9より初期の1.6を名車とする人が多い。私個人的には、「GTI」でない、5ドアの「205SR」あたりが好み。ちなみにこの「205」をベースに「309」などにも発展した。デザインはもちろんピニンファリーナ。美しいというより、小粋、かな。
フェラーリ365 GTB/4
最高峰フェラーリ: 「フェラーリ365GTB/4」は、重厚さと気品を兼ね備えた最高のモデルだ。プレキシガラス製のオリジナルツインヘッドライトと巨大なウインカーレンズを備えたダイナミックなフロントは、強烈な存在感を放っている。「365GTB/4」は、無駄なギミックを排除した簡潔な造形と、逃げ足の速いショートリアが魅力だ。
大林晃平: 1968年から1973年まで作られたエレガントなフェラーリ。テレビ映画「マイアミバイス」でも大活躍し、ジョルジョ アルマーニのダブルのジャケットを着こなしたドン ジョンソンが乗り回していた……ってバブルでしたなぁ。フェラーリの中でも格好いいし、美しい自動車だとは思うけれど、これがフェラーリで一番かどうかは人によって意見が分かれるだろう。というか、「フェラーリで一番美しいのはどれか?」とか言い出したら、賢者たちが、三日三晩激論を繰り返しても、まだ結論が出ない、そんな難解な世界なのではないだろうか。
シボレー コルベットC2
ホットな(合成)素材: ガラス繊維で強化された合成素材のドレスをまとった、史上最も美しいコルベット、「C2スプリットウインドウ」は、まさに人目を引く存在だ。サメのようなフロントエンド、筋肉質なボディワーク、スプリットリアウィンドウ、スモールライトのあるキリッとしたリアエンドなど、アグレッシブなデザインは、最高出力550馬力のV8エンジンとの相性が良い。
大林晃平: 「コルベット」といえばやっぱりこれこれ、このラインという感じの「C2」。この色だとまさに「エイ」。そしてどこを切り取っても芸術品のようなライン。リアのエンブレムの入り方や、リアウインドウの切り方など、凡人には思いつかない。トッドとバズのトッドとバズが「ルート66」で乗ったのもこれだっけ?と思っていたが、あれは「C1」でした。でも「コルベット」で一番美しいのは、この「C2」という意見には多くのファンも納得してもらえることと思う。
ボルクヴァルト イザベラ クーペ
小柄な方: ボルグヴァルトは、エキサイティングなデザインというより、先進的なテクノロジーを象徴していた。1956年に「イザベラ クーペ」が登場するまでは・・・。細身の「イザベラ」は、ツートンカラーの塗装で、その美しいラインとセクシーなヒップのカーブを強調するのが好きだった。このドイツ経済の奇跡の宝石を、美しいと感じることはできないのだろうか。
大林晃平: ボルクヴァルトは西ドイツにあった自動車メーカーだったが、1961年に経営破綻した(2015年に中国資本の下で復活したというが、結局再び経営破綻したとも伝え聞く)。名前のボルクヴァルトは、創業者カールF.W.ボルクヴァルトからつけられたもの。ブレーメンの音楽隊で有名なブレーメンに本社があった。自動車のほかには戦車などもつくっており、軍用トラックも製造した。この「イザベラ クーペ」はカルマンギア風味でなかなか格好いい。でも史上もっとも美しいかどうかは、あなたに判断を任せたい。
BMW 5シリーズ(E28)
ファンシー5シリーズ: BMW、無駄を省いたクリーンで誠実なデザインをありがとう。クラシカルなスロープフロントを持つ最後のBMW、「5シリーズE28」は、主権者としての存在感を放っている。プロポーションは、(やはり)急勾配でフラットな窓に至るまで、正しいものだ。フロントライトのサイズ違い、リアライトのメッキストリップなど、細部までこだわったデザインだ。
大林晃平: この「E28」を選んだAUTO BILDのスタッフにいちゃもんをつけるわけじゃありませんけど、BMWの長い歴史にはにはこれより美しいモデルがあるのではないかとも思う。例えば「633(635)CSi」とか・・・。でもこの「E28」もセダンとして実に美しいことも認めざるをえない。シルキーシックスの6気筒と言われたのもこのころ。「M5」がデビューしたのもこのモデルから。
ランチア ガンマ クーペ
連続したサイドビードとワイドなDピラーにより、「ランチア ガンマ」は今以上に長く見える。かつて偉大なイノベーターであったランチアは、このハッチバックで、多くの新しいことを敢行した。三角形のテールランプがリアを、丸く角張ったヘッドライトがフロントを、それぞれ際立たせている。
大林晃平: スタイリッシュなデザインでエレガントな「ガンマ」。映画「ゴッドファーザー」ではドン コルレオーネの妻と娘が(運転手付きで)乗るのがこの「ガンマ」。つまりはそういうクラスのノーブルな自動車なのである。ファブリックシートを選ぶと、渋いシート生地にはランチアの「L」の文字が散りばめられる、そういう大人のオシャレな一台。でも信頼性やパーツ確保など、所有するのにはかなりの勇気が必要。個人的にはランチアの中から美しい1台を選ぶとしたら・・・。テーマ(初期モデル)。世界で一番美しい、黄金比のセダンだから。
フィアット2300
ベラ ベルリーナ!: 素直なデザインと強い個性を持つ魅力的なサルーン、「フィアット2300」! そして、豊富なクローム。また、台形はインテリアにも繰り返し登場する。ここではホワイトウォールタイヤが必須だ。デザイン好きには、直6でも見る価値のあるディテールがたくさんある。
大林晃平: この「三菱デボネア」を思わせるフロントグリルのフィアットが美しいクラシックカー15台になんでまた選ばれるのか、ちょっとよくわからない。もっとフィアットの中には美しいモデルが星の数ほどもあるはず、なのだが・・・。ハンドルを握る、チャック ウイルソンにちょっと似たドイツ人に理由を聞いてみたい。
ビュイック インヴィクタ
スーパーフィン: 59年型「ビュイック インヴィクタ」のユニークなテールフィンは、フロントではトーンダウンしているのがわかる。小さなテールランプは、山のような板金をさらに力強く見せている。パノラミックウインドウ、欠けたBピラー、クロームトリムなど、そのデザインは人々を大奮闘させた。50年代はアイシングが多かったのだが、ここでは基本形と装飾がぴったりと合っていた。
大林晃平: アメ車中のアメ車というのはこういうののこと。よく見てごらんなさい、トランクリッドの上で卓球できそうなほどの広さがあるから。そのくせ室内スペースはそこそこみたいだけど、そんなこと気にしちゃいけません。アメリカングラフィティに出てきそう。手前の二人の女の子も可愛いが、砂利引きの場所で塗り絵か読書っていうシチュエーションがちょっと強引で素敵。
メルセデス・ベンツ W111
グラスハウス: テールフィンのさらに美しい姉妹は、素晴らしいプロポーションと抑制されたエレガンスによって説得力がある。「メルセデス・ベンツ W111」はBピラーがないのが独創的で、サイドの折り目もスタイリッシュ、窓の高さもちょうどいい。特に、ヘッドライトやリアライト、リアホイールアーチのカーブなど、細部までよくできている。
大林晃平: まごうかたなきメルセデス・ベンツの2ドアクーペっていうのはこういうののこと。コード番号で言えば「W111」だが、当時のメルセデス・ベンツの表記で言うと、「280SEクーペ」あたりのこと。写真の2ドアのほかにも4ドアとコンバーチブルがあり、どちらもコード番号は「W111」。このクーペがメルセデス・ベンツの歴史上、流麗な一台であることは文句なし。
ACコブラ427
車輪の上の筋肉: 開放的でアグレッシブなフロント、フラットでやや傾斜のあるサイドライン、膨らんだホイールアーチ、キリッとしたリア。「ACコブラ」は妥協のないマッチョなクルマだ。他の車にはない力強さと自信を感じさせるからこそ、よくコピーされるのだろう。特にサイドパイプを装着した場合は、視覚的にもパワーが炸裂する。
大林晃平: 美しいと言う表現よりもカッコいいというほうが正しいコブラ。世の中の、たくましいとか、漢(おとこ)を連想させる自動車の最有力車。もちろん乗るのには筋肉もりもりで、アームレスリング大会で優勝するくらいの豪胆者であることもマスト。生半可なユーチューバーにはクラッチ踏むのも無理。
VWプレッツェルビートル
カドリー クローラー: プレッツェルウィンドウを備えたオリジナルのビートルデザインは、ギミックをほぼ完全に排除している。初代「ビートル」には、中央のバーが付いた楕円形のリアウインドウがあり、ファンの間では「プレッツェルビートル」と呼ばれている。「形は機能に従う」という原則に則っている。同時に、大きな半円と小さな四分円という1930年代の基本形が印象的で、1960年代以降、「VWビートル」はポップカルチャーのアートオブジェとして定型化されたのである。
大林晃平: 「ビートル」と「ミニ」と「2CV」と「フィアット500」。この4台は自動車の歴史に欠かせない4台である。そのうちどれが一番格好良いかは、人によってまったく異なるが、じっくり見るとこの「ビートル」も実に機能的でなかなか凝ったデザインであることがわかる。そしてそれはドラフターと三角定規などを使って、人の手で生み出されたものであるということが素晴らしい。写真の一台はどこかのフェアに展示された一台だが、あえてさびさびのぼこぼこで、きれいすぎないところが逆に好ましい。でも、史上もっとも美しいかどうかはなんともいえない。
メルセデス540 Kスペシャルロードスター
K for work of art(Kという芸術作品): 車か芸術品か? メルセデスはかつて多くの魅力的な車を製造したが、「メルセデス・ベンツ540コンプレッサー・スペシャルロードスター」はその中でも最高峰の車である。長いボンネットと緩やかなカーブを描くウィング、角度のついたフロントガラス、リアヒンジのドア・・・。これぞ、「車輪の上の華麗さ」だ。
大林晃平: 初期の「ルパン三世」でルパンの愛車だったのがこれ(でも泥棒がこれっていうのはあまりに目立ちすぎ・・・。野暮ですいません)。本当の意味での、まごうかたなきメルセデス・ベンツっていうのは、こういうののことかもしれません。スイスのスバッロをはじめ、いくつかのレプリカメーカーがこの車をコピーして販売していたが、銀座のクラブ「舞姫」のママがスバッロ製作の白い一台を所有し、銀座の街を走らせていたという。たしかに圧倒的な存在感であっただろう。
ナッシュ エアフライト
エレガントな空中戦: 人目を引くデザインの「ナッシュ エアフライト」は、1949年に大きな反響を呼んだが、それは競争相手との間だけであった。路上では、エアロダイナミクスに優れたハッチバックが風を切って優雅に滑走していた。「エアフライト」は、柔らかなフォルム、見事なプロポーション、そして美しく滑らかな表面で楽しませてくれる。フロントのホイールカットが大回転を示すだけだったのは、ほんの些細な傷に過ぎない。
大林晃平: 美しいかどうかはビミョーではあるが、流線型のボディは先進的なことは間違いない。ナッシュは1917年から1938年という短い間、アメリカ ウィスコンシン州に存在したメーカーで、世界で最初のヒーターシステム(現在と同じようなシステムの)を採用するなど、なかなか先進的だった。写真は「釣り」に行ったというシチュエーションの写真だが、こういう場所に似合うデザインかというと、ちょっとビミョー(森の中でいきなりこの車に出会ったらびっくりしそう)。
ジャガーEタイプ
キング・オブ・ロード: 「ジャガーEタイプ」の最初のシリーズは常に夢の車であり、紛れもなく世界でも美しい市販車の1つである。あえて言うなら、「最も美しい」だ。特にクーペとしては、どこから見ても「チョコレート面」しかなく、ホイールカット、スポークホイール、小さなリアライト、そしてエキゾーストシステムまで、すべてがこれ以上ないほど美しくデザインされている。
大林晃平: この手の企画では定番の安定感を発揮するジャガーEタイプ。写真の左ハンドルモデルも、ボディカラーとともに実にいい感じだが、スピナーの回転するワイヤーホイールも素晴らしい輝きである。でもこのころのヨーロッパの自動車には写真のようにドアミラーのないものも多いが、不便じゃなかったのだろうか?ということはさておき、この車は、もちろん史上最も美しい15台に選べられても、なにも文句ありません。

Text: Michael Struve
Photo: autobild.de