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北海道運輸局は14日、知床半島沖で沈没した観光船「KAZU1」の運航会社「知床遊覧船」の事業許可取り消し処分に向けた聴聞を実施した。この中で同社の桂田精一社長が提出した陳述書の中で、事故の責任について「当社のみではなく、国にもある」などと述べたことが報じられ、ネット上で怒りの炎が広がっている。

4月27日の謝罪会見で土下座した「知床遊覧船」桂田精一社長が (写真:スポニチ/アフロ)

事故では14人が死亡し、12人が行方不明となり、発生直後から安全管理の杜撰さがクローズアップ。国土交通省は先月24日、同社に対する特別監査で判明した法令違反の内容を公表し、

社長が、船舶の輸送の安全確保のための主体的関与を行 わず、安全方針や安全重点施策の見直しや周知も含め、 安全マネジメント態勢が適切に運営されていなかった
(安全管理規程第4条~第7条)

会社は、社長が運航管理者の資格要件である「船舶の運航の管理に関し3年以上の実務の経験を有する者」に該当しないにも関わらず、社長を運航管理者に選任した。(安全管理規程第10条)

など19項目にも渡って問題点を指摘。海上運送法違反による事業許可取り消し処分の方針を決め、この日、処分手続きで必要な同社に対する聴聞の実施を決めていた。

時事通信や共同通信はこの日昼、事故の責任について同社は「当社のみではなく、国にもある」とする見解を示したといい、ツイッターでは「事故の責任」がトレンドワード入り。ネット民の間で非難がたちまち噴出し、

おまいう

「交通違反したのはパトカーで追いかけてくる方も悪い」みたいな陳述

反省しているかと思いきや反論しているとは……。驚くばかりだ

などと多数の書き込みが続いた。

作家の竹田恒泰氏もツイッターで反応。同社の対応について「国にも大きな責任があるのは間違いない。でも、それを運行会社の社長が言ってはいけないな。あの謝罪は単なるパフォーマンスだったことを自ら吐露したようなもの」と呆れ気味に評していた。

事故後の記者会見では派手な土下座を披露した桂田社長だったが、さらなる不信感を招くことは必至だ。