MハイパフォーマンスモデルのM5をベースにさらに性能を際立たせた最強最速セダンのM5コンペティションをピックアップ。対するライバルは、911カレラ系では最強の仕様となるポルシェ911カレラ4 GTSだ。
速さだけではく価格的にも競合する
現行のG30型5シリーズのハイパフォーマンスバージョンであるM5の性能を、さらに引き上げたモデルがM5コンペティションである。対するポルシェ911カレラ4GTSは、その名の通り911カレラ4に、専用シャシーや強化エンジンなどを盛り込み「GTS仕様」としたモデルだ。
フロントに625psと750Nmを発揮する4.4L V8ツインターボを搭載した、4WDのM5コンペティションと、リアに480psと570Nmを絞り出す3L水平対向6気筒ツインターボを積む、4WDの911カレラ4GTS。4WDスポーツという点を除き、2台に共通点はあまりないように思える。ところが、0→100km/h加速はどちらも3.3秒(911カレラ4GTSはスポーツクロノパッケージ装着時)で、しかもM5コンペティションは1938万円、911カレラ4GTSは1974万円と、価格的にも競合するのだ。
今回はこの2台のドイツ製4WDスポーツを、東京近郊〜千葉方面の一般道&高速道路で乗り比べた。何より感心させられたのは、M5コンペティションの幅広い走りのキャラクターと、911カレラ4GTSの磨き上げられたスポーティネスだ。
911カレラ4GTSは、さすがはポルシェのスポーツカーアイコンである911のGTSモデルだけあり、ボディはどこまでも堅牢で、シャシーはビシッと引き締まり、パワートレインはダイレクト感に溢れている。乗り心地もデイリーユースに供せるレベルを確保しているが、乗り味は限りなくピュアスポーツに近い。一般道では、走行モードを「スポーツ・プラス」はもとより、「スポーツ」に入れる必要もない。
一方、M5コンペティションも、エンジンとシャシー、ステアリングを最もスポーティなモードに入れ、8速ATの制御を変速時間が最も短い「モード3」に、さらに4WD制御を「4WDスポーツ」にすれば、スーパーカー顔負けの極めてダイナミックな走りが楽しめる。同時に、あらゆるセッティングを快適な方向に切り替えれば、乗り心地は若干固めではあるものの、いたってジェントルなビジネスサルーン的な使い方もできるのがM5コンペティションだ。ADASの制御も素晴らしく、ロングドライブが全く苦にならない点も、M5コンペティションの美点。
誤解を恐れずに言うなら、ステアリングを握っている時は常にスポーツカーのフィーリングを味わっていたいという人には、間違いなく911カレラ4GTSがオススメである。だが時には肩の力を抜いて、快適な移動も楽しみたいなら、M5コンペティションは非常に魅力的な選択肢になる。
【Specification】BMW M5コンペティション
■全長×全幅×全高=4990×1905×1475mm
■ホイールベース=2980mm
■車両重量=1940kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ツインターボ/4394㏄
■最高出力=625ps(460kW)/6000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1800-5860rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=275/35R20:285/35R20
■車両本体価格(税込)=19,380,000円
【Specification】ポルシェ911カレラ4 GTS
■全長×全幅×全高=4533×1852×1301mm
■ホイールベース=2450mm
■車両重量=1595kg
■エンジン種類/排気量=水平対向6DOHC24V+ツインターボ/2981㏄
■最高出力=480ps(353kW)/6500rpm
■最大トルク=570Nm(58.1kg-m)/2300-5000rpm
■トランスミッション=8速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/35ZR20:305/30ZR21
■車両本体価格(税込)=19,740,000円
投稿 どちらも0→100km/h加速3.3秒の超ハイパフォーマンス!アナタの好みはどっち? 最強最速のセダン「BMW M5コンペティション」vs永遠のピュアスポーツ「ポルシェ911カレラ4GTS」 は CARSMEET WEB に最初に表示されました。