スポーツカーではおなじみのFR。車のフロント部分にエンジンを積み、プロペラシャフトを介して後輪を駆動するという方式だ。
前輪は操舵、後輪を駆動と役割を分担できるため運動性は上がる反面、プロペラシャフトを収納するスペースで居住性が犠牲になるため、ファミリー向けや商用の車両ではフロントエンジンフロントドライブが主流となり、FRは少なくなっている。これは国内だけでなく、輸入車でも状況は同じだ。
今回は少数派になったとは言え、FRを堪能できる輸入車5台をピックアップ、FRの魅力を再確認する。
※本稿は2022年5月のものです
文/岡本幸一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
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■メルセデスベンツ Cクラス(価格帯:599万~796万円)
本命のAMGモデルの登場はこれからだが、すでに出ているなかでも、数々の専用アイテムが与えられたAMGラインの走りはなかなか鮮烈だ。
専用チューンの足回りとクイックレシオのステアリングと最大で2.5度の後輪操舵機構などにより、タイトコーナーでの回頭性が驚くほど素早くてビックリ。それでいて姿勢が乱れないよう巧みにチューニングされているあたりもさすがはメルセデスらしい。
エンジンとモーターが出力向上したC200の新開発パワートレーンはレスポンスがよく吹け上がりも爽快だ。
■ジャガー Fタイプ(価格帯:954万~1769万円)
カッコイイだけじゃなくて、ドライブしてもシビレる! クーペもコンバーチブルも選択肢がめっちゃ豊富で、超高性能版はAWDだがRWDでも性能は充分すぎるほど。一部ではMTだって選べる。
アルミ製の基本骨格によりボディ剛性が極めて高く、おかげでハンドリングもまさしく意のまま。それでいて路面をしなやかに捉える足回りも独特だ。登場から時間が経過して完熟の域に達している。
ジャガーらしい伝統のクラフトマンシップに新感覚の素材を組み合わせたコックピットの雰囲気も上々だ。
■BMW Z4(価格帯:712万~892万円)
FRでならしたBMWですらいまや高性能モデルはAWDが当たり前になってきたなかで、Z4だけでは歴代ずっとFRのみで通してきた。
高性能版のM40iには、BMWのもうひとつのお家芸である直6エンジンを搭載するのもポイント。踏めばどこからでもついてくる瞬発力と、直6ならではの吹け上がりは、まさしく“絶品”というほかない。
スープラとは走りの性格も微妙に異なり、Z4はスポーティさとともにGT的なフトコロの深さを持ち合わせていて、路面を問わず積極的にアクセルを踏んでいける味つけだ。
■アルファロメオ ジュリア(価格帯:554万~1287万円)
アルファじゃないとこんなクルマは作れない! このクラスの輸入セダンで、これほど人の感性に訴える力を持ったクルマはない。
一目でわかるスタイリングはもちろん、色っぽいインテリアもアルファならでは。独特の雰囲気を醸し出している。
走りのほうも、パワフルなエンジンとクイックなハンドリングは痛快きわまりない。なかでも510psを誇る2.9LV6ターボを積むクアドリフォリオのハジけるようなエキゾーストサウンドとパンチの効いた加速力はインパクト満点だ。
■シボレー カマロ(価格帯:568万~728万円)
かつて映画への出演で話題になったカマロの最新版は、筋肉質で男らしいスタイリングから想起されるとおりの、いかにもアメリカンスポーツらしい豪快な走りが持ち味だ。
なかでも6.2Lもの排気量を持つV8自然吸気エンジンをフロントに搭載し後輪を駆動するSSのような組み合わせはカマロなればこそ。しかも、高い性能を誇りながらも価格がそれほど高くない。
一方で、カマロ史上初の4気筒となるダウンサイジングターボ版も用意されており、4人でオープンエアドライブを楽しめるコンバーチブルもある。
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