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 ホンダの北米法人とアキュラ、そして現地のモータースポーツ活動を担うホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)は6月14日、今季で記念すべき100回大会を迎えるPPIHCパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに向けた参戦体制を発表。6月26日の本戦には、現地でまもなく発売予定の新型『ホンダ・インテグラ』がモータースポーツ・デビューを飾るとともに、最終型『NSXタイプS』の参戦や大会オフィシャル・ペースカーを務めることをアナウンスした。

 HPDの開発エンジニアが主体となってステアリングを握るアキュラ・ブランドの全5台は、恒例のタイムアタック1クラスやエキシビションへの参戦を表明。そのうち各2台の『TLXタイプS』『NSXタイプS』とともにエントリーする新型『ホンダ・インテグラ』は、約16年ぶりにクーペスタイルを持つ5ドア・ノッチバックとして復活を遂げ、米国市場でこの6月からの販売が計画される。

 長らくコンセプトモデルとしてスタディが披露されてきた同車は、アキュラの新デザイン言語でもある“フレームレス・ダイヤモンド・ペンタゴングリル”を採用し、こちらも“ジュエルアイ”と呼ばれる特徴的なLEDヘッドライトを組み合わせる。

 その上部に配置された“シケイン”と呼ばれるLEDデイタイム・ランニング・ライト(DRL)からサイドのボリュームあるフェンダーアーチへと繋がり、リヤのワイドなテールライト・グラフィックへとイメージを反復する流麗なプロポーションを持つ。

 量販モデルでも最高出力200PS/6000rpm、最大トルク260Nm/1800~5000rpmを発生する1.5リッター直列4気筒VTEC直噴ターボと6速MTが組み合わされ、今回のPPIHCに参戦する車両もその仕様に準じた上で、HPDが手掛けたアップグレード・パーツとなるブレーキ、サスペンション、ディファレンシャルなどを組み込む。

 さらに同車初のモータースポーツ参戦に向け、バネ下重量を軽減するべく軽量高剛性の18×9インチHREホイールも採用し、245幅のピレリ製レーシングスリックタイヤを装着する。

約16年ぶりにクーペスタイルを持つ5ドア・ノッチバックとして復活を遂げ、米国市場で6月からの販売が計画される新型『ホンダ・インテグラ』
HPDが手掛けたアップグレード・パーツとなるブレーキ、サスペンション、ディファレンシャルに加え、ロールケージなどの保安部品も組み込む
パワートレインは量産を基本とし、デジタルメーターやインフォテインメント系のディスプレイもそのまま活かされる

 その新型インテグラに施された赤、グレー、白のカラーリングは、アキュラ初のレースカーに敬意を表したもので、この象徴的なグラフィックスキームは、かつてパーカー・ジョンストンが1987-88年にIMSAのチャンピオンシップを連覇した初代インテグラのイメージを復刻したものとなっている。

 また世界限定350台、販売価格2794万円という価格ながら瞬く間に完売を記録した第2世代NSXのファイナルモデル“タイプS”も2台が実戦に登場し、多数のパフォーマンス・アップグレードを装備。2020年にジェームズ・ロビンソンによって記録された現在のハイブリッド・フューエル・クラスのレコード、10分01秒913を更新すべく、ジェームズ本人がタイムアタック1クラスに、弟のニックがエキシビションクラスにエントリーする。

 かつてはワンオフ・モデルなども仕立てて『Race to the Clouds』とも呼ばれるPPIHCにチャレンジしてきたアキュラは、これで12年連続の挑戦となり、これまでに25の表彰台、12の勝利、複数のコースレコードを樹立してきた。

 今季も全長12.42マイル(約20km)のうち、スタートラインの9300フィート(海抜、約2830m)からフィニッシュ地点の14100フィート(同4300m)まで駆け上がり、156のコーナー制覇に挑む同イベントには、BBiオートスポーツとフーニガン・レーシング・ディビジョンの共同開発により、1400PSを誇る4WDポルシェ『Hoonipigasus(フーニピガサス)』を投入するケン・ブロックなど、世界各国からチャレンジャーが集う。

その新型インテグラに施された赤、グレー、白のカラーリングは、アキュラ初のレースカーに敬意を表したものに
最終型『NSX type-S』はTime Attack1やExhibitionクラスへの参戦に加え、大会オフィシャル・ペースカーも務める
先代モデルがピレリ・ワールドチャレンジなどにも参戦した『TLX Type S』も2台が参戦する