もっと詳しく

 7月16日、鈴鹿サーキットでレース1/第3戦が行われたファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS第2ラウンド。ウエット路面のなか白熱のレースが展開されたが、ポールポジションからスタートしたものの、直後にヒットされクラッシュしたYogibo Racingのフェラーリ488 GT3 EVOは、リヤからタイヤバリアに激しくヒットしたこともあり、全損状態となってしまった。しかし一夜明けた17日のレース2/第4戦に向け、ある“救世主”が登場し、復活を遂げることになった。

 2022年のGTワールドチャレンジ・アジアで、日本チームとして唯一全戦参戦を果たしているのがYogibo Racing。第1ラウンドのセパンは横溝直輝/密山祥吾のコンビで参戦し、第1戦で横溝がポールポジションを獲得。第2ラウンドとなった鈴鹿では横溝/藤波清斗のコンビで挑み、ふたたび横溝が第3戦のポールポジションを獲得した。

 しかし、ウエットコンディションとなった第3戦の決勝では、横溝がスタート直後の1コーナーでトップを死守するものの、2番手に並びかけたカンタディ・クシリ駆るEBMギガ・レーシングの18号車ポルシェ911 GT3 Rと並走。2コーナーで横溝がインを守ったかに思われたが、クシリのポルシェにヒットされ、横溝はスピン状態に陥ってしまった。

 鈴鹿ではクラッシュを喫した場合、スポンジバリアならばダメージは少なく済むが、横溝はイン側のタイヤバリアに激しくヒット。リヤエンドに大きなダメージを負ってしまった。実質の全損状態で、GT3カーの場合フレームまでダメージが入っていると、シャシー交換しかない。Yogiboを展開するウェブシャークの木村誠司代表は、SNS上で「明日このフェラーリで戦うことは絶望的」と述べていた。

 そんな状況に手を差し伸べたのが、あの前澤友作氏だ。ドライバーの横溝は、前澤氏が進める子どもたちにスーパーカーで夢を与えるプロジェクト『前澤友作 スーパーカープロジェクト(MZ SUPERCAR project)』にも携わっているが、このプロジェクトのなかで2021年9月に前澤氏はフェラーリ488 GT3 EVOを購入。自らドライブしていたが、そんな前澤氏がフェラーリを、鈴鹿のYogibo Racingに『貸し出し』たという。

 残念ながらカラーリングまでは間に合わなかったが、前澤氏は「鈴鹿のGTワールドチャレンジで頑張っているナオキに車貸しました。心機一転頑張って」とツイートした。横溝/藤波のコンビのスピードは、ポールポジションを獲得しているとおり間違いないところ。Yogiboのロゴをつけた前澤氏のフェラーリがこの後の決勝レース2/第4戦でどんな活躍をみせるのか、楽しみなところだろう。

GTワールドチャレンジ・アジア第2ラウンド鈴鹿 土曜までのYogibo Racingのフェラーリ488 GT3
GTワールドチャレンジ・アジア第2ラウンド鈴鹿 土曜までのYogibo Racingのフェラーリ488 GT3