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 6月19日、2022年MotoGP第10戦ドイツGPの決勝レースがザクセンリンクで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が優勝した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は転倒リタイアだった。

 決勝レースは気温36度、路面温度52度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのは2番グリッドのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。ポールポジションスタートのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)はクアルタラロの背後、2番手に続き、3番手には4番グリッドスタートのアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が浮上した。

 2周目の1コーナーではバニャイアがクアルタラロにオーバーテイクを仕掛けるも、クアルタラロがこれをブロック。トップを維持する。ふたりは僅差を保っていたが、4周目の1コーナー立ち上がりでバニャイアがスリップダウン。この週末、優勝候補のひとりであったバニャイアがここでリタイアとなった。さらに、同じコーナーでジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が転倒を喫し、ミルもリタイアとなっている。

 また、5周目には5番手を走行中だったジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がロングラップ・ペナルティを消化した。ミラーはフリー走行4回目、黄旗が降られていた13コーナーでの転倒に対してレース中のロングラップ・ペナルティが科されていた。ミラーは7番手でレースに復帰した。

 バニャイアが転倒リタイアとなったことで、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)が2番手、アレイシ・エスパルガロが3番手に浮上し、アレイシ・エスパルガロの背後にはチームメイトのマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)がつける。

 トップのクアルタラロは10周時点で2番手のザルコに対し1秒以上のアドバンテージを築いて独走態勢に入っていった。ザルコも3番手のアレイシ・エスパルガロに対し1秒以上の差をつけており、ふたりはほぼ単独走行という展開だ。

 一方、3番手を走るアレイシ・エスパルガロの背後にはぴたりとビニャーレスがつけていた。そんな3番手争いに、追い上げてきたミラーが迫る。ミラーはレース中盤、3番手争いに加わると、19周目にビニャーレスがラインを外して膨らんだ瞬間にビニャーレスをパスして4番手に浮上した。ビニャーレスはその後、大きく後退していき、ピットに戻ってリタイアとなった。マシントラブルと見られている。

 3番手争いはアレイシ・エスパルガロとミラーによって繰り広げられた。ミラーは1コーナーでアレイシ・エスパルガロに仕掛けるも、アレイシ・エスパルガロが3番手を守る。しかし残り3周に入った1コーナーで、アレイシ・エスパルガロがブレーキングミス。ミラーが3番手に浮上した。

 クアルタラロは1周目にトップに立って以降、独走態勢を築いて今季3勝目、カタルーニャGPに続く2連勝を挙げた。2位はザルコが獲得し、こちらも2戦連続の表彰台。そして終盤にポジションを上げたミラーは、アレイシ・エスパルガロを引き離して3位フィニッシュを果たしている。

 アレイシ・エスパルガロは4位、5位にはルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が入り、今季自己ベストリザルトを獲得した。

 シーズン折り返しの第10戦を終え、チャンピオンシップでランキングトップのクアルタラロが2番手のアレイシ・エスパルガロに対し34ポイントの差を築いている。