もっと詳しく

大湯都史樹が2位で今季初表彰台、野尻智紀が3位フィニッシュ

 6月18日(土)~19日、スポーツランドSUGO(宮城県)で全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第5戦が開催されました。東北地方は15日に梅雨入りしていたものの、公式予選が行われた17日(土)のスポーツランドSUGOは、朝から晴れ間が出て気温、路温ともに上昇しました。

 午後に行われたQ1セッションでは、開始直後にカモシカがコースに進入してセッションが一時中断される珍事が発生しましたが、その後は滞りなくQ2セッションまで進み、ライバルを寄せ付けないタイムアタックを決めた#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が4戦連続のポールポジションを獲得。その他、Honda勢では#6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が3番手、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が5番手で上位に名を連ねました。

 決勝レースが開催された19日(日)は、決勝スタートの30分ほど前に天候が急変し雨が降りましたが、幸いにも通り雨に終わり、レースはドライコンディションのなかで始まりました。ポールポジションからスタートした野尻は、抜群のスタート加速を見せたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)に第1コーナーのインを奪われて2番手に後退。その後方では5番グリッドの大湯が絶妙なスタートとポジション取りによって、野尻に続く3番手へと順位を上げました。この直後、第1コーナーでの接触によりスピンを喫した車両を回収するため、7周目終了時点までセーフティカー(SC)が導入されました。

ポールポジションからスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN) 2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO
ポールポジションからスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN) 2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO

 ところが、8周目からレースが再開されると第1コーナーでアクシデントが発生して、ふたたびSCが導入。このSCランは、規則上タイヤ交換が可能となる10周目を超えて続き、ここでチームによって戦略が分かれることとなりました。

 先頭を走るフェネストラズ、野尻、大湯、大津ら上位4台は10周終了時点でピットに入り、タイヤ交換を行いましたが、5番手を走っていた宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S)はステイアウト(コース上にとどまる戦略)を選びました。このタイヤ交換作業の過程で、ピットストップ時間の短かった大湯は野尻よりも早くコースへ復帰、順位を入れ替えました。

 14周終了時点から再開されたレースは、見かけ上の先頭を走る宮田らのステイアウト勢と、タイヤ交換義務を済ませたフェネストラズ、大湯、野尻らがお互いのタイム差をせめぎ合う激しい戦いを繰り広げることとなりました。

 しかし、レース序盤にSCが2回にわたって導入されたことから、予定周回数の53周を消化するよりも早く、今大会のレース最大延長時間70分に達する見込みとなったため、ステイアウト勢もタイヤ交換義務を早めざるをえなくなり、40周目から続々とピットイン。結果的には10周目にタイヤ交換を終えたフェネストラズ、大湯、野尻が宮田を含むステイアウト勢をかわして上位へ復帰することに成功しました。49周で終了となった第5戦は、フェネストラズが自身初優勝を成し遂げ、大湯が2位、野尻が3位でチェッカーフラッグを受けました。

 この結果、野尻はシリーズポイントを81点に伸ばして2番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL)との差を17点に広げ、7月16日~17日、富士スピードウェイ(静岡県)で開催予定のシリーズ第6戦を迎えます。

2位表彰台を獲得した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING) 2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO
2位表彰台を獲得した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING) 2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO

■コメント

●大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「レースのペースは正直なところ決してよくなく、後ろから詰め寄られ、それを抑える展開になってしまいました。ただ、自分自身がいま持っているポテンシャルを出し切れたと思いますし、チームも完ぺきな仕事をしてくれたおかげで2位になれました」

「このところスーパーフォーミュラだけではなく、ほかのレースでも昨年までのようなパフォーマンスが出せずレースの結果には悩んでいたので、そうした状況のなかで結果を残せて本当によかった」

「一見すると何も考えていないように見えていたかもしれませんが、いろいろ考え込んで自分を責めていたんです。そのような精神状態だったので、今日の2位表彰台は純粋にうれしいです」

●野尻智紀(TEAM MUGEN)
「ポールポジションからスタートしたのに優勝できなかったことが残念です。宮田選手にステイアウトされているとき、タイヤ交換を終えた僕は集団の中であまりペースを上げられなかったので『先行きが怪しいな』と不安になりましたが、無線でチームとやり取りをしてタイムギャップを聞きながらレースを作っていました」

「結果的にかろうじて前に出られたので助かりました。3戦連続でポールからスタートして勝てないという苦しい状況ですが、この状況を打破するためにいろいろ苦しんでいくことが、この先に必ずつながって、さらに強くなれると信じています。1カ月のインターバルでは心身をしっかり休ませて、次戦こそは勝つために力いっぱい戦います」