6月18日から19日にかけてDTMドイツ・ツーリングカー選手権第3戦がイタリア、イモラ・サーキットで行われ、3度のシリーズ王者であるレネ・ラスト(チームABT/アウディR8 LMSエボII)が土曜のレース1で優勝。翌19日(日)のレース2では、ルーキーのリカルド・フェラー(ABTスポーツライン/アウディR8 LMS)がDTM初勝利を飾った。
ポルトガルで開幕した2022年シーズンのDTMはドイツ・ラウジッツリンクでの第2戦を経てイタリアに移動。ティモ・グロック(チェッカート・レーシング/BMW M4 GT3)のスポット参戦が実現したこの第3戦は、イモラ・サーキットが戦いの舞台となった。
レース1に向けて実施された予選1を制したのはラストだった。彼はポールポジションからスタートすると、オープニングラップで仕掛けてきた2番手発進のニコ・ミューラー(チーム・ロズベルグ/アウディR8 LMSエボII)の挑戦を退け、その後徐々にリードを拡げていく。
3度のシリーズ王者の強さは健在で、33号車アウディはそのままトップチェッカー。ラストは今季初勝利、通算25回目の優勝を果たした。スタート直後の果敢な攻めでラストに並びかけるも、オーバーテイクには至らなかったミューラーは予選順位と同じ2位でのフィニッシュとなった。
そんなトップ2とは対照的に、3位には16番手グリッドからスタートしたミルコ・ボルトロッティ(GRT/ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ)が入った。印象的な走りを披露したイタリア人は、チームのタイヤ管理のミスにより10グリッド降格ペナルティを受けて臨んだレース1において、予選でセーブしたタイヤで最初のスティントを引っ張り、義務づけられたレース中のピットストップを最後に消化した。
ピットアウト後、ボルトロッティはフレッシュタイヤでマルコ・ウィットマン(ウォーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)、クレメンス・シュミット(GRT・グラッサー・レーシング.com/ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ)、ケルビン・ファン・デル・リンデ(アプト・スポーツライン/アウディR8 LMSエボII)を次々と交わし、ファイナルラップ前の1周でトーマス・プライニング(クース・チーム・ベルンハルト/ポルシェ911 GT3 R)をもパスして3位の座を掴み取った。
一方、ゲストドライバーのグロックはオープニングラップで他車と接触した影響で0周リタイアに終わっている。
■新人ふたりが表彰台を獲得
日曜のレース2はルーキーのフェラーがポールポジションからスタートするも、オープニングラップの最終コーナーで姿勢を乱し、2番手スタートのフェリペ・フラガ(レッドブル・AFコルセ/フェラーリ488 GT3エボ)に先行を許してしまう。
後方で発生したアクシデントの処理のためレースは序盤にセーフティカーが入り、このタイミングでフラガやフェラーを含むほとんどのドライバーがピットストップを消化していく。
リスタート後は、SC出動よりも前にピットストップを終えていたデフ・ゴア(チーム・ロズベルグ/アウディR8 LMSエボII)が、ステイアウトしたニック・キャシディ(アルファタウリ・AFコルセ/フェラーリ488 GT3エボ)とデニス・オルセン(SSRパフォーマンス/ポルシェ911 GT3 R)に次ぐ全体の3番手、実質的な首位に立った。
一方のフェラーは5番手でリスタートを迎えた後、背後のフラガがルーカス・アウアー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)との接触によるパンクチャーでリタイアとなったことでゴア攻略に集中。キャシディとオルセンがピットに入る数周前にチーム・ロズベルグのアウディをパスし実質の首位となった。
22歳のスイス人はここからギャップをコントロールし、最後は1.873秒差でゴアを下してDTM初勝利を達成。敗れたゴアもシリーズ初の表彰台を獲得した。3位にはファイナルラップでアウアーとバトルを繰り広げたウィットマンが入っている。
DTMの次戦、シーズン前半戦の最終ラウンドとなる第4戦は、7月2~3日にドイツ・ノリスリンクで開催される伝統のストリートラウンドだ。