フォルクスワーゲン・ブランドでCTCCチャイナ・ツーリングカー・ チャンピオンシップなどに参戦し、傘下に収めるイギリスのマニュファクチャラー『MG』ブランドでは、TCR規定モデルの『MG6 XパワーTCR』を走らせてきた上海汽車集団(SAIC Motor Corporation Limited)は、この6月にも開催された重慶オートショー2022にて、次期型となる『MG5 XパワーTCR』を発表。早くも今季よりTCRアジア・シリーズへの投入を計画している。
中国の3大自動車企業のひとつに数えられるSAIC上海汽車集団は、2000年代から知的財産権を取得したMGの中国での生産を続けてきており、2019年4月の上海オートショーでは、そのMGブランドのモデルをベースとした初のTCRツーリングカー、MG6 XパワーTCRをお披露目していた。
同モデルは地域ホモロゲーションでTCRチャイナにスポット参戦したのち、FIA国際自動車連盟の公式ホモロゲーションを取得。2019年11月にはイタリア・バレルンガで開催された世界初の“モータースポーツ版オリンピック”となった『FIAモータースポーツ・ゲームス』にもエントリーし、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のレギュラーでもあるロリー・ブッチャーが、チーム・グレートブリテン代表としてステアリングを握った。
その後、ベースモデルの改良に伴い『MG6 Pro』へのフェイスリフトを実施していた同車だが、今回はその第2世代となる後継モデルがラウンチされることとなった。
ただし、発表に際して会場での車両展示を行った以外は詳細なアナウンスはされておらず、実際のスペックや車両販売計画などは、まだ明らかにされていない。
先代は320PS/460Nmの出力を発生する2リッターの直噴ターボエンジンに、TCR規定に準じたXtrac製の6速シーケンシャルギヤボックスが組み合わされていたが、セグメントを下げた新型『MG5 XパワーTCR』には、ベースモデルに由来する新たなパワーユニットが搭載されているという。
昨季のTCRアジアではMG Xパワー・レーシングとして参戦し、ランキング2位を獲得したチームが新型車両の本格実戦デビューを担当するとみられ、7月28~31日に株洲国際サーキットのダブルヘッダーで開幕する2022年シーズンへのエントリーが見込まれている。