2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の第4大会(第10戦〜第12戦)が7月23〜4日にスポーツランドSUGOで開催され、第10戦は小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が、第11戦は大木一輝(PONOS Racing)が、第12戦は小山美姫(TGR-DC F111/3)がそれぞれポール・トゥ・ウインで制し、3名が優勝をわけあう結果となった。
23日午前に行われた公式予選で第10戦は小川が、第11戦は大木が、そして第12戦はシリーズランキング首位の小山がポールを獲得。なお、小川、大木にとってはFRJ初ポール獲得となった。マスタークラスでは田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が3戦ともポールを獲得している。
一方、予選開始早々にシリーズランキング3番手の片山義章(Team LeMans F111/3)が馬の背コーナーでクラッシュ。片山は3戦とも後方からのスタートとなった。また、今季初参戦を果たした大草りき(Sutekina Racing)は予選後の再車検で不合格となり最後尾からのスタートと、予選は明暗がわかれる結果となった。
■第10戦/小川颯太がポール・トゥ・ウィンで今季初優勝
23日午後に行われた第10戦。予選終了後にスポーツランドSUGOに雨が降り注いだ影響でところによりコースは濡れた箇所もあるなか、全車がドライタイヤでスタート。ポールスタートの小川がオープニングラップから後続を引き離す。一方、2番手スタートの小山を3番手スタートの大木がパス。
これで2番手に浮上した大木だったが、反則スタートの判定が下されドライブスルーペナルティが科せられることに。これで2番手の座を取り戻した小山は、10周目に1分20秒418のファステストラップを記録する走りで小川を猛追する。一時は4秒まで広がったギャップを1.5秒まで縮めるが、小川はオーバーテイクの隙を与えない走りで首位をキープ。そのままチェッカーを迎え、小川が今季初優勝を飾った。
今季初優勝を飾った小川颯太は「スタートでトップを守って後ろとの差が少し離れてからは、バックミラーを見ないようにして、抜かれることを考えるより、とりあえず自分のベストな走りをすることに集中しました。タイヤに関しても前半からほんの少しだけタイヤを温存しておいて、中盤にタイヤが厳しくなり始めたときにプッシュをして、逆に最後の2〜3周は抑えて確実に走ることを心がけました」と第10戦を振り返った。
マスタークラスは、スタートでクラス首位に浮上したHIROBON(Rn-sportsF111/3)が、片山とのバトルを制し総合3位、そしてマスタークラス優勝を獲得。なお、併催のTCRジャパンにも参戦するHIROBONは、TCRジャパン決勝準備のため暫定表彰式に出ることができず、暫定表彰式にはチームメンバーが登壇した。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第10戦スポーツランドSUGO 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 22Lpas | |
2 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 1.181 | |
3 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 17.452 |
4 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 19.336 | |
5 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 32.522 |
6 | 3 | 大草りき | Sutekina Racing | 34.544 | |
7 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 46.778 |
8 | 45 | 大木一輝 | PONOS Racing | 47.587 | |
9 | M | 14 | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 1’10.599 |
天候:曇り コース状況:ドライ
スタート時間:13時57分33秒
チェッカー時刻:14時27分22秒
ファステストラップ #8 小山美姫 1分20秒418 10/22 160.554km/h
参加台数:9台 出走台数:9台 完走台数:9台
No.45の車両は、2022 Formula Regional選手権 統一規則書 第31条7.違反(反則スタート)により、ドライビングスルーペナルティが課せられた(裁定時刻:14時02分)
■第11戦/大木一輝がポール・トゥ・ウイン。FRJ初優勝
24日午前に行われた第11戦は快晴のもとスタートを迎えた。ポールスタートの大木が好スタートを決めて、オープニングラップからレースをリード。2番手小山、3番手小川とトップ3はグリッド順となるなか、8番手スタートの片山が4番手に浮上する。
オープニングラップを終えて大木は、小山に対し1.526秒のリード。その後も1分20秒台のハイペースを刻み、後続を引き離す体制に。一方、片山も大木を上回るペースで小山、小川の2番手争いの隊列に加わる。2番手争いの3台はそれぞれ1秒差以内で均衡状態のまま後半戦に突入する。
13周目、バックストレートで小川が小山に並びかけると、セクター3で攻略に成功。小川が2番手に浮上する。小川は15周目に自己ベストを更新する走りで、一時2秒以上広がった大木とのギャップを1.5秒まで縮める。さらに16周目にこの時点でのファステストラップを更新し、大木の0.144秒まで急接近。1コーナー、2コーナーとサイド・バイ・サイドのバトルを展開。そのままテール・トゥ・ノーズでバックストレートに突入した。
しかし、馬の背コーナーの立ち上がりで小川のマシンがスローダウン。小川はピットに入らず、ホームストレートを通過するが、19周目の4コーナーわきのグリーンにマシンを止め、レースを終えることに。これで小山が2番手、片山が3番手に浮上する。
チェッカーも近づく20周目、大木のペースが1分22秒台まで落ち、2番手小山が1.201秒まで接近。ジリジリその差を縮めるも、順位変動には至らず。第3大会もてぎから参戦を果たした大木がFRJ初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。
FRJ参戦5レース目で初優勝を飾った大木は「初優勝することができて、シンプルに嬉しいです。もてぎ大会で2位表彰台がありましたけど、ラッキーな部分があっての結果だったので、実力で好結果を残したい気持ちがありました。本当に勝つことができて良かったです」と、初優勝の喜びを語った。
「レースでは前半から逃げていって、後ろとのマージンを作ろうと思っていました。その分後半が厳しくなることは覚悟していたのですが、自分の想像以上に厳しくなってしまいました。特に小川選手が来たときはヒヤヒヤでしたが、自分の走りをしようと心がけました。なんとか、守りきることができて良かったです。もう1レース残っているので、引き続き気を引き締めて頑張っていきたいです」
マスタークラスはスタートで田中を攻略した畑享志(A-NeKT F111/3)が隊列の先頭に浮上。中盤には田中からの猛追を受けるも、畑がポジションを守り切り総合4位でチェッカー、今季3勝目を飾った。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第11戦スポーツランドSUGO 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 45 | 大木一輝 | PONOS Racing | 22Lpas | |
2 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 0.772 | |
3 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 1.386 | |
4 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 21.404 |
5 | M | 14 | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 25.698 |
6 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 45.070 |
7 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 50.898 |
8 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 4Laps | |
3 | 大草りき | Sutekina Racing | 10Laps |
天候:晴れ コース状況:ドライ
スタート時間:10時52分30秒
チェッカー時刻:11時22分28秒
ファステストラップ #97 小川颯太 1分20秒472 16/18 160.446km/h
参加台数:9台 出走台数:9台 完走台数:8台
■第12戦/ランキングトップの小山美姫が今季6勝目飾る
24日午後に行われた第12戦では、2番グリッドの大木、3番グリッドの小川が好スタートを決め、ポールスタートの小山と3ワイドで1コーナーに突入。アウト側にマシンを振った小山がホールショットを守り切ると、2コーナーの交錯で小川が2番手に浮上。3番手大木、4番手にマスタークラストップの畑というオーダーで2周目に突入した。
小山と小川が1分21秒台で周回を重ねる一方、3番手大木は1分23秒台のペースとなり、3周目に2番手小川とのギャップは4.3秒と開くかたちに。そんななか、最後尾スタートの大草が4周目に畑をかわして4番手に浮上する。
ペースの上がらない大木を、6周目の1コーナーで大草がオーバーテイク。大草は最後尾から表彰台圏内の3番手に浮上するが、この時点で2番手小川とは8.481秒の大差が開いていた。前方がクリアとなった大草は1分21秒台にペースを上げるも、小川もほぼ同じペースで周回を重ね、2台のギャップはなかな縮まらない。
13周目、1コーナーで畑が大木をオーバーテイクし4番手に浮上するが、2コーナーの立ち上がりで単独スピンを喫してしまう。これで4番手大木、5番手片山、6番手HIROBONというオーダーへと変わった。第11戦のウイナー大木だったが、14周目は1分24秒台まで落ち、約2秒速いペースの片山が背後に接近。16周目の1コーナーで大木を攻略した片山が4番手に浮上する。
レース終盤を迎え、それまで約2秒のギャップで走行していたトップ小山と2番手小川の差が17周目に1.546秒まで縮まる。しかし、小山も1分21秒台のペースで首位をキープ。そのままトップチェッカーを受け、小山が今季6勝目を飾った。2番手に小川、3番手に大草が続いた。マスタークラスは、総合5位でチェッカーを受けたHIROBONが第10戦に続く勝利を飾った。
今季6勝目を飾った小山は「今週末を振り返ると、すごく運が良かったなと思います。1レース目はスタートで抜かれてしまった大木選手がペナルティになって順位がひとつ上がりましたし、2レース目も小川選手がストップして順位が上がって……本当に運に助けられました」
「3レース目は、もてぎ大会のような独走の展開にはできませんでしたが、私も含め、みんなもギリギリまで攻めて走っていたと思うので、その中で勝てたのは良かったです。今週は個人的には上手くいかなかった部分もありながら、最後ちゃんと勝って終えることができて、本当に支えてくれた皆さんに感謝です」と語った。
2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第13戦〜第15戦が開催される第5大会は、9月9〜11日にWEC世界耐久選手権第6戦の併催イベントとして、富士スピードウェイにて開催される。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第12戦スポーツランドSUGO 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 22Lpas | |
2 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 1.141 | |
3 | 3 | 大草りき | Sutekina Racing | 14.426 | |
4 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 35.463 | |
5 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 41.797 |
6 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 45.565 |
7 | 45 | 大木一輝 | PONOS Racing | 50.045 | |
8 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 59.149 |
9 | M | 14 | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 1Lap |
天候:晴れ コース状況:ドライ
スタート時間:15時47分22秒
チェッカー時刻:16時17分19秒
ファステストラップ #3 大草りき 1分21秒026 10/22 159.349km/h
参加台数:9台 出走台数:9台 完走台数:9台