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 WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第6戦が6月23日、東アフリカのケニアで開幕した。26日まで続く競技の初日は、首都ナイロビ郊外のカサラニでスーパーSS(SS1)が行われ、前回大会の覇者であるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマーク。初日の総合首位となった。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はトップから1.9秒差の総合6番手につけている。

 2021年限りでWRCフルタイムドライバーを引退したものの、今季もTOYOTA GAZOO Racing WRTからラリーに参加しているオジエ。“ライバル”の元9連覇王者セバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)と同じく、今シーズン3度目のスポット参戦となった『サファリ・ラリー・ケニア』は昨年、8冠王者が優勝を飾っているラウンドであり今大会では連覇が懸かる。

 そんな第6戦ケニアの競技初日は、首都ナイロビ郊外のカサラニで2台のマシンが同時にスタートするスーパーSSがSS1として行われ、ローブと直接対決することになったオジエが全体最速となる3分18秒8をマークし、デイ1をトップで終えた。

 現王者に続いたのはヒョンデのダブルエースたち。選手権2番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が0.6秒差の総合2番手につけ、オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が僚友0.5秒遅れの3番手となっている。

ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア

「最速タイムを記録することができたのはもちろんうれしいが、この後は厳しい週末が待っているので、それほど重要なことだとは思わない」と語ったオジエ。

 約2週間にル・マン24時間に初参戦し完走した38歳のフランス人は、「前明日以降は、昨年以上にチャレンジングなラリーになるだろう」と述べ、「いくつかのセクションは非常に難しく、そこをどう乗り切るかが勝負の鍵を握ると思う。だから、正しいリズムを見つけるのはきっと難しいと思う」と続けた。

■選手権リーダーのロバンペラがあわや横転

 前日のシェイクダウンで3番手タイムをマークしたローブは、4番手につけたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)と0.6秒差、トップからは1.8秒差の総合5番手に。そのすぐ背後には昨年の大会で2位表彰台を獲得している勝田がつけている。

 総合7番手以降はクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)、ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)、オリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)と並ぶトップ10オーダーとなり、ドライバー選手権首位を走るカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合11位となった。

 21歳のフィンランド人はスタート直後の左コーナーで危うく横転するシーンがあり、このインシデントにより右リヤタイヤがパンクしてしまった。これにより全長4.84kmのステージで11.6秒の後れを取っている。

「ブレーキングで少し限界を超えてしまった」とロバンペラは状況を説明した。

「実際にはなにも起こらなかったけど、(右リヤタイヤが)パンクしてしまった。でもラリーは長いから、これからの週末に集中していくよ」

 サファリ・ラリー・ケニアの競技2日目、24日(金)のデイ2はナイバシャ湖の周辺で新ステージを含む3本のステージを各2回走行する。SS2からSS7まで6本のSSの合計距離は124.20km、リエゾン(移動区間)を加えた1日の総走行距離は337.64kmとなる予定だ。

クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
セバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア
セバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第6戦サファリ・ラリー・ケニア