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 7月23日、2022年FIA F2第9戦ル・キャステレのスプリントレース(決勝レース1)がフランスのポール・リカール・サーキットで開催され、レッドブル育成のリアム・ローソン(カーリン)が今季2勝目を飾った。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)は、上位勢にペナルティが相次いだこともあり、最終結果は6位でポイントを獲得。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は9位となった。

 第9戦の決勝レース1のグリッドは、22日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したレッドブル育成のユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)がポールシッターとなった。

 フロントロウ2番グリッドはローソンが獲得。3番グリッドにマーカス・アームストロング(ハイテックGP)、4番グリッドにユーリ・ビップス(ハイテックGP)とセカンドロウにはハイテックGPの2台が続いた。そして、予選で2番手タイムをマークした岩佐は9番手から、佐藤は12番手からスタートを迎えた。

 フォーメーションラップで11番グリッドのリチャード・フェルシュフォー(トライデント)、14番グリッドのエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)、16番グリッドのクレモン・ノバラック(MPモータースポーツ)の3台がダミーグリッドから始動できず、ピットスタートとなった。

 気温28度、路面温度38度というドライコンディションのもと、21周の決勝レース1はスタートを迎えた。2番グリッドのローソンが出遅れるなか、ダルバラが首位をキープ。2番手にアームストロング、3番手にローソン、4番手にテオ・プルシェール(ARTグランプリ)、5番手にランキングトップのフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)というトップ5に。一方、岩佐はローガン・サージェント(カーリン)に先行を許し10番手。佐藤は11番手でオープニングラップを終えた。

2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1のスタート
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1のスタート

 DRSが使用可能となると、首位ダルバラを先頭に隊列が数珠繋ぎとなる。そんななか4周目に3番手ローソンと2番手アームストロングがサイド・バイ・サイドのバトルを展開。ターン8〜ターン9での接触ギリギリのバトルを競り勝ったローソンが2番手に浮上すると、4番手プルシェールもアームストロングの0.4秒後方まで接近する。

 タイヤ交換義務のない決勝レース1ということで、各車後半に向けてペースをコントロール。そんななか、7周目にトップのダルバラが1分49秒台までペースを下げ、同じ周に自己ベストをマークした2番手ローソンがDRS圏内に接近。オーバーテイクの機会をうかがう展開に。

2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 序盤レースをリードしたユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)とリアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 序盤レースをリードしたユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)とリアム・ローソン(カーリン)

 しかし、9周目のターン8でフィッティパルディが単独スピンし、ロベルト・メリ(カンポス・レーシング)に接触。さらに後方から来たアムーリ・コルデール(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がフィッティパルディのマシンを避けきれず接触。最終的に3台がリタイアとなったこのアクシデントによりセーフティカー(SC)が導入された。

 レースは13周目に再開を迎えると、5番手ドルゴヴィッチもプルシェールの背後に接近。しかし、プルシェールも巧みなラインどりでオーバーテイクの機会を封じる。

 一時は1分49秒台までペースを落としていた首位ダルバラは14周目に自己ベストを更新するも、DRSが使えるローソンも1分48秒後半のペースをキープし接近。16周目のターン8進入のブレーキング勝負で、わずかに接触もありながらローソンが首位におどり出る。

 終盤を迎え、各車スパートをかけるなか、17周目のセクター3でレコードラインを外したサージェントを岩佐がオーバーテイクし、9番手に浮上する。

2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 岩佐歩夢(ダムス)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 岩佐歩夢(ダムス)

 2番手に後退したダルバラはタイヤの限界を迎えたか、背後に3番手アームストロングを筆頭にプルシェール、ドルゴヴィッチの3台が接近。19周目のターン8でアームストロングがダルバラに仕掛けるが、2台はわずかに接触し順位は変わらず。

 その混乱に乗じターン9立ち上がりでプルシェールがアームストロングに急接近。ターン10で並走すると、続くターン11で2台は接触し、アームストロングはコース外に押し出されるかたちとなり6番手に後退。その間にダルバラが2番手を取り戻し、3番手プルシェール、4番手ドルゴヴィッチ、5番手ジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)というオーダーに変わった。

 さらに、その翌20周目の最終コーナーで6番手につけていたアームストロングと7番手ビップスが接触。アームストロングはまたもコース外に弾き出されるかたちとなり、フレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)、そして岩佐にかわされ、ポイント圏外の9番手に後退することに。

 終盤の波乱も、3.206秒のリードを守り切ったローソンがトップでチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。2位にダルバラ、3位に地元フランス出身のプルシェールが続いた。岩佐はファイナルラップでアームストロングをかわしたことで8位に入り前戦に続いてポイントを獲得。佐藤は11位でチェッカーとなった。

 続く、FIA F2第9戦ル・キャステレのフィーチャーレース(決勝レース2)は24日の日本時間16時53分から行われ、岩佐は2番手から、佐藤は12番手からスタートを迎える。

* * * * * * *

 追記:決勝レース1終了後、4人のドライバーにペナルティが課された。

 暫定結果で3位だったプルシェールに、アームストロングをコース外に追いやったとして5秒のタイムペナルティ。続いて、暫定6位のビップスにターン15でアームストロングをコース外に押し出したとして、5秒のタイムペナルティが課せられた。

 そして、アームストロング本人も、19周目のダルバラとの接触で5秒のタイムペナルティを課されている。これらのペナルティでプルシェールは7位に、ビップスは11位とポイント圏外に。アームストロングは13位に降格。変わってドルゴヴィッチが3位に入り、4位にドゥーハン、5位にベスティ、6位に岩佐、そして9位に佐藤となった。また、単独スピンからメリに接触したフィッティパルディには、次戦の5グリット降格の裁定が降っている。

■FIA F2第9戦ル・キャステレ スプリントレース(決勝レース1)正式結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 5 L.ローソン カーリン 21Laps
2 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 3.206
3 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 4.835
4 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 5.709
5 9 F.ベスティ ARTグランプリ 7.948
6 17 岩佐歩夢 ダムス 8.260
7 10 T.プルシェール ARTグランプリ 4.552
8 6 L.サージェント カーリン 9.654
9 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 10.586
10 24 D.ベックマン ファン・アメルスフォールト・レーシング 10.979
11 8 J.ビップス ハイテックGP 7.087
12 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 12.477
13 21 C.ウィリアムズ トライデント 12.530
14 7 M.アームストロング ハイテックGP 9.433
15 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 15.861
16 16 R.ニッサニー ダムス 16.536
17 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 16.643
18 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 17.338
15 R.メリ カンポス・レーシング DNF
20 R.フェルシュフォー トライデント DNF
22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム DNF
25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング DNF

2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ リアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ リアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1を制したリアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1を制したリアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1を制したリアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1を制したリアム・ローソン(カーリン)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1表彰式
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース1表彰式
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 岩佐歩夢(ダムス)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 岩佐歩夢(ダムス)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)